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第七章 変わりすぎた日常
37話 難しい問題と懐かしい姿
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ミオラーム達と話しながら森の中を歩くけど、道中モンスターに会う事が無く平和な道のりだった。
通って来た道も人の手で整えられたのか、足の裏から感じられた感覚はとても歩きやすくて安心する程で、……ぼくがこの都市を離れてトレーディアスへ、そしてストラフィリアに行っている間に大分変わったんだなぁって思う。
「レース様っ!到着致しましたわぁっ!ここが集合場所の集落ですのっ!何でも……魔王ソフィア様が開拓に参加した平民に対してそこに人の住む事が出来る環境を作る事が出来れば、一年間の税を免除する約束をした結果、生まれたらしいですわよ?ただ……」
「ただ?」
「近くに有名な傭兵団の方達が拠点を築いてしまったらしくて、実質的に彼等の管理地みたいになってるみたいですわよ?」
「有名な傭兵団って……」
「死絶傭兵団、この世界で最も多くの子孫を残した事で有名なSランク冒険者【死絶】カーティス・ハルサー率いる組織ね、私もその家系で父マスカレイドの祖父ね」
マスカレイドの祖父って事は……、あの人の姓であるハルサーってそういう事だったのか。
それに世界で最も多くの子孫をって事はもしかしてだけど身近に探せばもっといるのかもしれない。
「もしかしてぼくの知り合いにもいたりする?」
「いる、Aランク冒険者【死滅の霧】スイ、あの人族の女性も私の遠い親戚、これは直接聞いたし、父から血縁同士は会ったら本能的に分かるようにハルサーの血筋は出来ていると言われていて、実際にあなたの寮でお互いに感じ取ったから間違いないわ、……現に今も傭兵団の拠点の方から複数人の気配がして嫌な感じ、理由は分からないけど何を考えて子孫を沢山作ったのか分からないし、子孫を残す事が出来ない私からしたら理解が出来ない」
「フィリア……、子孫が残せないって?」
「当然、私が人族とエルフ族の間で造られたハーフエルフだから、人族との交配は確率が低すぎて無理、エルフ相手となっても確率は同じだし、仮にどっちの種族の間で出来たとしても誕生するのは父親の種族になるから、種族としての私はここで終わる」
「もし同じハーフエルフの人が現れたら可能性はあるんじゃないの?」
確か治癒術を学んでいた時に過去に起きた実験が纏められていたから覚えているけど、異なる種族同士を掛け合わして誕生した混血種は、産まれる可能性自体が低いという事もあるが基本的には新たに誕生した同じ種族同士でも子孫が残りづらいという、何でもお互いの種族の遺伝子を受け継いだ割合により、確率が変わると言うけど正直これに関しては体験した事が無いから良く分からない。
でもこれが本当だった場合、他のハーフエルフを探して頑張ればフィリアの言う種族を残す事が出来るのではないだろうか。
「無理、最初は問題無く出来るだろうけどその次からは不可能、同じ種族の間から産まれるのに誕生するのは複数の種族が合わさった別種、あなたが思っている以上に難しいからこそ、触れるべきではないし、私にはもうミオがいるから男はいらない」
「それってどういう……」
「私はミオを愛している、同性でも構わない、私にはこの子が必要」
「だ、大好きってそういう意味でしたのねっ!?でも……その気持ちは嬉しいですわ?、でも私は王族として他の人と結婚し子を作るという責務があるのですわよ?、ですからそういう関係にはなれません事よ?」
「大丈夫、覚悟は出来てるから」
……えっとぼくは何を見せられているのだろうか。
そんな事を思いながら集落の様子を見渡すと、これから開拓に行くのか護衛の冒険者を連れて森の奥地へと入って行く人や……、見覚えのある虹色に染め上げた髪色の傭兵団の人物と集落の代表らしき人物が計算用の道具を使って金銭のやり取りをしてるのが見える。
「あれは確か……」
「なに?知り合い?」
「ちょっとだけ、お世話になった事ある人がいるんだけど……、ほらあそこにいる虹色の髪の人で確か名前はサリアだったかな」
「サリア……?、サリ、ん?あの人も私の親戚ね」
サリアがこっちに気付いたのか、笑顔で手を振ってこっちに来ようとするが、フィリアの方を見て驚いた顔をする。
そして集落の代表に対して頭を下げると……
「あなたもしかして血縁ですかっ!?」
「そうみたい、あなたも感じた?」
「勿論っ!でも僕がそれである事は秘密にしてるんで内緒にしてねぇっ!」
「私も、そちらに関わる気は無いからお互い不干渉で宜しく」
「分かりましたっ!それで行きましょうっ!……あ、後レースさんお久しぶりですっ!メセリーに無事戻れたみたいで何よりでっ!今ここでお話しをしたい気持ちはあるけど、今集落の代表さんと僕達が周囲のモンスター達を狩った分の報酬のやり取りと、後で護衛役の冒険者の代表を交えたお互いにぶつからない為の話し合いを三人でしなきゃいけないから……落ち着いたら傭兵団を代表して家を探して訪ねに行くから都市で待っててねぇっ!、って事でごめん代表話の続きをしようか」
……そう言ってサリアが集落の代表とのやり取りを再開すると、『さて、そろそろ皆が来るまで待ちましょうレース様?、でもただ待つだけですと暇になりますからあなたの事いっぱい、いーっぱい教えてくださいましね?』とミオラームがぼくに対して満面を笑みを向けて来る。
教えてと言われても何をどう話せばいいのかと思っていると、ぼく達の目の前に先程別れたばかりのダートとスイ、そして師匠の姿が現れて、二人はその場に尻もちを付いて倒れ師匠に関しては……、驚いたような顔をしてフィリアを見つめ、彼女の方も気まずそうな顔をするのだった。
通って来た道も人の手で整えられたのか、足の裏から感じられた感覚はとても歩きやすくて安心する程で、……ぼくがこの都市を離れてトレーディアスへ、そしてストラフィリアに行っている間に大分変わったんだなぁって思う。
「レース様っ!到着致しましたわぁっ!ここが集合場所の集落ですのっ!何でも……魔王ソフィア様が開拓に参加した平民に対してそこに人の住む事が出来る環境を作る事が出来れば、一年間の税を免除する約束をした結果、生まれたらしいですわよ?ただ……」
「ただ?」
「近くに有名な傭兵団の方達が拠点を築いてしまったらしくて、実質的に彼等の管理地みたいになってるみたいですわよ?」
「有名な傭兵団って……」
「死絶傭兵団、この世界で最も多くの子孫を残した事で有名なSランク冒険者【死絶】カーティス・ハルサー率いる組織ね、私もその家系で父マスカレイドの祖父ね」
マスカレイドの祖父って事は……、あの人の姓であるハルサーってそういう事だったのか。
それに世界で最も多くの子孫をって事はもしかしてだけど身近に探せばもっといるのかもしれない。
「もしかしてぼくの知り合いにもいたりする?」
「いる、Aランク冒険者【死滅の霧】スイ、あの人族の女性も私の遠い親戚、これは直接聞いたし、父から血縁同士は会ったら本能的に分かるようにハルサーの血筋は出来ていると言われていて、実際にあなたの寮でお互いに感じ取ったから間違いないわ、……現に今も傭兵団の拠点の方から複数人の気配がして嫌な感じ、理由は分からないけど何を考えて子孫を沢山作ったのか分からないし、子孫を残す事が出来ない私からしたら理解が出来ない」
「フィリア……、子孫が残せないって?」
「当然、私が人族とエルフ族の間で造られたハーフエルフだから、人族との交配は確率が低すぎて無理、エルフ相手となっても確率は同じだし、仮にどっちの種族の間で出来たとしても誕生するのは父親の種族になるから、種族としての私はここで終わる」
「もし同じハーフエルフの人が現れたら可能性はあるんじゃないの?」
確か治癒術を学んでいた時に過去に起きた実験が纏められていたから覚えているけど、異なる種族同士を掛け合わして誕生した混血種は、産まれる可能性自体が低いという事もあるが基本的には新たに誕生した同じ種族同士でも子孫が残りづらいという、何でもお互いの種族の遺伝子を受け継いだ割合により、確率が変わると言うけど正直これに関しては体験した事が無いから良く分からない。
でもこれが本当だった場合、他のハーフエルフを探して頑張ればフィリアの言う種族を残す事が出来るのではないだろうか。
「無理、最初は問題無く出来るだろうけどその次からは不可能、同じ種族の間から産まれるのに誕生するのは複数の種族が合わさった別種、あなたが思っている以上に難しいからこそ、触れるべきではないし、私にはもうミオがいるから男はいらない」
「それってどういう……」
「私はミオを愛している、同性でも構わない、私にはこの子が必要」
「だ、大好きってそういう意味でしたのねっ!?でも……その気持ちは嬉しいですわ?、でも私は王族として他の人と結婚し子を作るという責務があるのですわよ?、ですからそういう関係にはなれません事よ?」
「大丈夫、覚悟は出来てるから」
……えっとぼくは何を見せられているのだろうか。
そんな事を思いながら集落の様子を見渡すと、これから開拓に行くのか護衛の冒険者を連れて森の奥地へと入って行く人や……、見覚えのある虹色に染め上げた髪色の傭兵団の人物と集落の代表らしき人物が計算用の道具を使って金銭のやり取りをしてるのが見える。
「あれは確か……」
「なに?知り合い?」
「ちょっとだけ、お世話になった事ある人がいるんだけど……、ほらあそこにいる虹色の髪の人で確か名前はサリアだったかな」
「サリア……?、サリ、ん?あの人も私の親戚ね」
サリアがこっちに気付いたのか、笑顔で手を振ってこっちに来ようとするが、フィリアの方を見て驚いた顔をする。
そして集落の代表に対して頭を下げると……
「あなたもしかして血縁ですかっ!?」
「そうみたい、あなたも感じた?」
「勿論っ!でも僕がそれである事は秘密にしてるんで内緒にしてねぇっ!」
「私も、そちらに関わる気は無いからお互い不干渉で宜しく」
「分かりましたっ!それで行きましょうっ!……あ、後レースさんお久しぶりですっ!メセリーに無事戻れたみたいで何よりでっ!今ここでお話しをしたい気持ちはあるけど、今集落の代表さんと僕達が周囲のモンスター達を狩った分の報酬のやり取りと、後で護衛役の冒険者の代表を交えたお互いにぶつからない為の話し合いを三人でしなきゃいけないから……落ち着いたら傭兵団を代表して家を探して訪ねに行くから都市で待っててねぇっ!、って事でごめん代表話の続きをしようか」
……そう言ってサリアが集落の代表とのやり取りを再開すると、『さて、そろそろ皆が来るまで待ちましょうレース様?、でもただ待つだけですと暇になりますからあなたの事いっぱい、いーっぱい教えてくださいましね?』とミオラームがぼくに対して満面を笑みを向けて来る。
教えてと言われても何をどう話せばいいのかと思っていると、ぼく達の目の前に先程別れたばかりのダートとスイ、そして師匠の姿が現れて、二人はその場に尻もちを付いて倒れ師匠に関しては……、驚いたような顔をしてフィリアを見つめ、彼女の方も気まずそうな顔をするのだった。
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