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第七章 変わりすぎた日常
39話 未開拓地域と異形の化物
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フィリアがこっちに向かって歩いてくるけどぼくはどんな反応をすればいいのだろうか。
正直師匠、いや母さんって呼んだ方がいいか……、あの人にビンタをした時はびっくりしたけど、それで仲直りで出来たのなら良いのかもしれない。
「ミオ……、私仲直りできたみたい」
「何を話していたか分からないけど、見てましたわよフィー」
「ふふ、これも全部ミオのおかげ、ありがとう……、それに」
「それに?何ですの?」
「ミオとの関係を話したら認めてくれたのが嬉しかった」
フィリアが頬を朱に染めてミオラームの方を見ると、その姿はまるで恋する少女のようで……、ここまで来ると流石のぼくでも察するというか何ていうか、ここに来るまでのやり取りを見て何となく勘づいてはいたけど、違かったら嫌だから触れないではいた。
でもこれは間違いなく……、義姉はこの子に対して恋愛感情を持っている事が理解出来るけど、未成年の少女に惹かれる何て良い事なのだろうか。
倫理観的におかしい気がするけど……
「フィリア……、君はもしかして」
「道中話していたでしょ、私はミオを愛しているしそういう風に見てるって」
「もしかしてですけど、レース様気付いてなかったんですの?」
「何となく勘づいてはいたけど違かったら嫌だなって思ったから知らないふりしてたけど……」
「それもレース様の優しさですわよね」
……これは本当に優しさと言えるのだろうか。
正直ぼくには分からないけど、良い方向に感じていてくれるならそれで今はいいのかもしれない。
そう思っているとスイが戻って来てミオラームの前に立つ。
「……仲直り出来たのは分かったけど、現地に全員集まったのならさっさと行かない?」
「あら?スイ様、お話しの方はもう終わったんですの?」
「えぇ、親戚が偶々いたから話を聞いていたけど、急用が出来たとかでどっか行ったから戻って来たわ」
「あの虹色の髪の方、お忙しそうでしたものね……、それにマーシェンス製の古い義肢を腕に着けておりましたけど、駆動音的に長い間メンテナンスをしていないみたいですし、今度個人的にお会いしたいですわね……」
「……それなら、私が会えるように頑張るから任せてミオ」
確かにフィリアも、サリアとは親戚だから条件さえ合えば個人的に会う事が出来るだろうけど、少し前にお互いに不干渉でいたいと言っていた筈だから良いのだろうか。
「私もその時は連れて行ってちょうだい……、色々と聞きたい事があるから」
「良いですわよ?、何が聞きたいのかは分かりませんが、その時は知らせますから一緒に行きましょう」
「ありがとう……、で?行くの?行かないの?」
「まだ大分時間がありますけど、どう致しましょう……レース様、ダート様はどう思いますこと?」
「ぼくはミオラームが行こうと決めたならそれでいいけど……」
「私も護衛対象のミオラーム様に従うから大丈夫ですよ?」
ぼく達は冒険者ギルドから直接国の依頼を受けて同行しているから、こういう時は護衛対象の意見を聞いて動かないと行けない。
だから、ミオラームが決めたならそれに従う事しか出来ないけど……
「私が決めてしまった良いんですの?」
「ミオ、レース達は冒険者として今ここにいるから、あなたが判断しないと勝手に動けない、だから指示を出しなさい」
「……うん、では皆様方っ!少しだけ早いですけど行きますわよっ!着いて来てくださいましっ!」
「という事だから行く、私が最後尾に行くからあなた達は前」
「レース様とダート様は私の隣でっ!、スイ様はぁ……確か前衛が得意でしたわよね?場所は指示致しますので私の前を宜しくお願い致しますわっ!」
スイが無言で頷いてぼく達の眼を歩き出すと……、それにぼく達が続いて行く。
道中、開拓の護衛に就いている冒険者達が倒したのか、モンスターの死体が整地された道の隅に置かれたりしているけど、衛生的に問題無いのだろうか。
その場に放置する事で何らかの疫病が発生したら、それこそ危険だし状況次第では治癒術での治療では間に合わなくなってしまうかもしれない。
「スイ様、この付近が目的の場所ですわ……、魔王ソフィア様が言うにはここから先が現在未開拓で開拓に参加している領民の皆様が頑張っている場所らしいですわよ?」
「その割には誰の姿も周囲に見えないけど?」
「ですわね……、これでは視察の意味がありませんわ?、レース様達は何か分かりまして?」
「いや、分からないかな」
「私も分からないです、でも何だろう森の奥から血の匂いが……」
ダートがそう言って指を差したその時だった。
森の奥から、獅子と山羊の顔を持ち、手足は爬虫類の鋭い鉤爪、そして前脚の部分から人のような上半身が生えている見た事の無い異形な生物が姿を現す。
「な……、なにあれ……」
「あ、あぁっ!?何ですのあれ!?あれは何ですのっ!?」
「……ミオ、顔の付け根を見てあそこ」
「あ、あぁ!?あれはマスカレイドが生み出した生物兵器っ!でもこんなの、知らないですわ」
「ミオ、あなたは私達の後ろにいて……、前衛はスイが、中衛は魔術師のダート、後衛は私とレースがやる、配置についてっ」
「前衛ならぼくがやる、スイは皆に魔力の糸を通して治癒術をお願いっ!」
……そう言って前に出るとフィリアが『あなたっ!勝手な事しないでっ!』と怒るけど、トレーディアスで戦うのが得意ではないと、スイが言っていた記憶があるから幾ら前衛が出来るとは言えここはアキラさんに武器の扱いを教わったぼくが出た方がいいだろう。
そう思ってフィリアの指示に反して前に出ながら、心器の大剣を左手に長杖を右手に顕現させると……、皆を守る為に気を引き締めるのだった。
正直師匠、いや母さんって呼んだ方がいいか……、あの人にビンタをした時はびっくりしたけど、それで仲直りで出来たのなら良いのかもしれない。
「ミオ……、私仲直りできたみたい」
「何を話していたか分からないけど、見てましたわよフィー」
「ふふ、これも全部ミオのおかげ、ありがとう……、それに」
「それに?何ですの?」
「ミオとの関係を話したら認めてくれたのが嬉しかった」
フィリアが頬を朱に染めてミオラームの方を見ると、その姿はまるで恋する少女のようで……、ここまで来ると流石のぼくでも察するというか何ていうか、ここに来るまでのやり取りを見て何となく勘づいてはいたけど、違かったら嫌だから触れないではいた。
でもこれは間違いなく……、義姉はこの子に対して恋愛感情を持っている事が理解出来るけど、未成年の少女に惹かれる何て良い事なのだろうか。
倫理観的におかしい気がするけど……
「フィリア……、君はもしかして」
「道中話していたでしょ、私はミオを愛しているしそういう風に見てるって」
「もしかしてですけど、レース様気付いてなかったんですの?」
「何となく勘づいてはいたけど違かったら嫌だなって思ったから知らないふりしてたけど……」
「それもレース様の優しさですわよね」
……これは本当に優しさと言えるのだろうか。
正直ぼくには分からないけど、良い方向に感じていてくれるならそれで今はいいのかもしれない。
そう思っているとスイが戻って来てミオラームの前に立つ。
「……仲直り出来たのは分かったけど、現地に全員集まったのならさっさと行かない?」
「あら?スイ様、お話しの方はもう終わったんですの?」
「えぇ、親戚が偶々いたから話を聞いていたけど、急用が出来たとかでどっか行ったから戻って来たわ」
「あの虹色の髪の方、お忙しそうでしたものね……、それにマーシェンス製の古い義肢を腕に着けておりましたけど、駆動音的に長い間メンテナンスをしていないみたいですし、今度個人的にお会いしたいですわね……」
「……それなら、私が会えるように頑張るから任せてミオ」
確かにフィリアも、サリアとは親戚だから条件さえ合えば個人的に会う事が出来るだろうけど、少し前にお互いに不干渉でいたいと言っていた筈だから良いのだろうか。
「私もその時は連れて行ってちょうだい……、色々と聞きたい事があるから」
「良いですわよ?、何が聞きたいのかは分かりませんが、その時は知らせますから一緒に行きましょう」
「ありがとう……、で?行くの?行かないの?」
「まだ大分時間がありますけど、どう致しましょう……レース様、ダート様はどう思いますこと?」
「ぼくはミオラームが行こうと決めたならそれでいいけど……」
「私も護衛対象のミオラーム様に従うから大丈夫ですよ?」
ぼく達は冒険者ギルドから直接国の依頼を受けて同行しているから、こういう時は護衛対象の意見を聞いて動かないと行けない。
だから、ミオラームが決めたならそれに従う事しか出来ないけど……
「私が決めてしまった良いんですの?」
「ミオ、レース達は冒険者として今ここにいるから、あなたが判断しないと勝手に動けない、だから指示を出しなさい」
「……うん、では皆様方っ!少しだけ早いですけど行きますわよっ!着いて来てくださいましっ!」
「という事だから行く、私が最後尾に行くからあなた達は前」
「レース様とダート様は私の隣でっ!、スイ様はぁ……確か前衛が得意でしたわよね?場所は指示致しますので私の前を宜しくお願い致しますわっ!」
スイが無言で頷いてぼく達の眼を歩き出すと……、それにぼく達が続いて行く。
道中、開拓の護衛に就いている冒険者達が倒したのか、モンスターの死体が整地された道の隅に置かれたりしているけど、衛生的に問題無いのだろうか。
その場に放置する事で何らかの疫病が発生したら、それこそ危険だし状況次第では治癒術での治療では間に合わなくなってしまうかもしれない。
「スイ様、この付近が目的の場所ですわ……、魔王ソフィア様が言うにはここから先が現在未開拓で開拓に参加している領民の皆様が頑張っている場所らしいですわよ?」
「その割には誰の姿も周囲に見えないけど?」
「ですわね……、これでは視察の意味がありませんわ?、レース様達は何か分かりまして?」
「いや、分からないかな」
「私も分からないです、でも何だろう森の奥から血の匂いが……」
ダートがそう言って指を差したその時だった。
森の奥から、獅子と山羊の顔を持ち、手足は爬虫類の鋭い鉤爪、そして前脚の部分から人のような上半身が生えている見た事の無い異形な生物が姿を現す。
「な……、なにあれ……」
「あ、あぁっ!?何ですのあれ!?あれは何ですのっ!?」
「……ミオ、顔の付け根を見てあそこ」
「あ、あぁ!?あれはマスカレイドが生み出した生物兵器っ!でもこんなの、知らないですわ」
「ミオ、あなたは私達の後ろにいて……、前衛はスイが、中衛は魔術師のダート、後衛は私とレースがやる、配置についてっ」
「前衛ならぼくがやる、スイは皆に魔力の糸を通して治癒術をお願いっ!」
……そう言って前に出るとフィリアが『あなたっ!勝手な事しないでっ!』と怒るけど、トレーディアスで戦うのが得意ではないと、スイが言っていた記憶があるから幾ら前衛が出来るとは言えここはアキラさんに武器の扱いを教わったぼくが出た方がいいだろう。
そう思ってフィリアの指示に反して前に出ながら、心器の大剣を左手に長杖を右手に顕現させると……、皆を守る為に気を引き締めるのだった。
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