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第八章 戦いの先にある未来
21話 死人使い
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【死人使い】ルード・フェレス、ぼく達が栄花騎士団の人達と関わりを持つきっかけになった少年。
亡くなった両親を一つに繋ぎ合わせた異形のアンデッドを使役していて、当時戦闘になった時は五人でやっと無力化して捕らえる事が出来た記憶は今でも鮮明に思い出す事が出来る。
その後に起きた事に関しても色々と思う事が多いけど、あの出来事がきっかけで変わる事が出来たから、色んな意味でぼくの中では印象に残っていた。
「見つけたよ、ダートお姉ちゃん……」
「え?私……?」
「うん、マスカレイドさんと――に言われたんだ、ダートお姉ちゃんを連れて来たらぼくの願いを叶えてくれるって、この国にいたらあっちから来てくれるって」
「……あっちから来てくれる?」
「ケイスニルが言ってた、この国で暴れていれば栄花騎士団の偉い人達と一緒に来るかもしれないって、だからぼくはずっとこの国でアンデッドを増やして待ってた、そうしたらね?一部の地域で大量にアンデッドとぼくとの間にある魔力の繋がりが途切れて、もしかして本当に来たのかなと思って探しに来たら、ここにダートお姉ちゃんがいたんだ」
ルードが濁った瞳で微笑みかけながらそう言葉にする。
そこには何の感情も浮かんでおらず、本当に生きているのかすら分からない不気味さがあるが、彼の言う事が本当ならぼく達がここに来るのは、マスカレイド達の予測の範囲内だったのだろう。
「後はそこのぼくの大嫌いなレースお兄ちゃんも連れて来いって――が言ってた」
「おい、さっきからてめぇよぉ、誰が言ってたのか分からねぇからちゃんと人の名前言って説明しろよ」
「――さんの名前が分からない何てかわいそう、でもぼくだけが分かってれば大丈夫、だって二人以外はここで死んでぼくの友達になってくれるんだからっ!」
「友達になるのなら生きている方が良いと思うんじゃがのぅ、余は命無き者を友と呼びたくないのじゃ」
「――が言ってた、友達は何も言わなくても言う事を分かってくれて、何かをする前に察してくれて、寂しい時は話し相手になってくれるって、それってアンデッドも同じでしょ?ぼくの作ったアンデットも、ぼくの事を分かってくれて、何かをする前に率先して動いてくれるし、一人が寂しい時も側にいて支えてくれるから、ぼくの友達はアンデッドなんだ……、だからぼくと年齢が変わらないように見える他の人達は友達にする、そして願いを叶えて貰ってお父さんとお母さんが戻って来てくれたら紹介するんだ、ぼくに友達が出来たよって、だからぼくはぼくはね?」
早口で何を言ってるのか聞き取り辛いけど、とりあえず分かるのはルードはもう正気では無いという事だ。
マスカレイドの事だから彼の事は実験動物のように見ていただろうけど、シャルネによる精神汚染の効果のせいで心が歪んでしまったのかもしれない。
「これは話が通じないみたいだ……」
「困ったのぅこんな幼子を手にかけたくないのじゃがなぁ、むー……あっ!そうじゃレース殿っ!余はおぬしらが負けそうになるまで手出しはせんから渡した薬を使って、戦って見るのじゃ!」
「見るのじゃって、それで殺しちゃったらどうするの?」
「どうするも何もあやつは指名手配犯で討伐対象なのじゃろ?、子供とはいえ容赦をする必要はないのじゃ、容赦せず殺すのが世の為人の為、そしておぬしらの為じゃな、何の因縁があるのかは分からぬが、あれは死なん限りは何処までも追ってくると思うのはじゃ」
「だろうなぁ、父さんメイメイの言う通りだと思うぜ?、あいつはどう見てももう正気じゃねぇ、俺達が終わらせてやらねぇと被害が増え続けるぞ」
確かに被害が増える前に止めるべきなんだ。
アンデッドを増やして待ってたという事は少なからず、この国の人達も犠牲になっている可能性がある、特に人型のスケルトンやゾンビが大量に出て来たという事は間違いない筈だ。
ただそれだと一つ疑問が浮かぶ、少なからず信用はできないけど、この国で自身の正義を貫いている焔の炎姫が見逃す筈がないと思う。
「戦う前にルード、聞きたい事があるんだけどいいかな」
「……いいよ、変わりにダートお姉んちゃんをぼくにくれる?」
「それは出来ない、彼女はぼくの大事な人だし、それにダートは物では無いから」
「……ごめんね?私はレースと一緒にこれから先も生きて行きたいからルードくんの者にはなれないけど、生きてお話したり遊んだり出来る友達にはなってあげる、だから戦うのを止めて話をしよう?」
「やだ、ぼくの物にならないならいらない、ダートお姉ちゃんはぼくを分かってくれると思ったのに、あの時優しくしてくれたのは嘘だったんだっ!」
……ルードの全身からどす黒い色の魔力があふれ出すと同時に森の中に流れて行った灰が舞い上がり……『これはぼくがこの国で、ケイスニルに倒して貰って手に入れた友達……』と呟くと、何処からか翼の生えたドラゴンの死体を取り出すと、灰が全体を覆って行く。
そこに自身の手首を傷付けて大量の血を流し始めたルードが、笑顔でドラゴンの死体を抱きしめると、命を失った絶対強者が雄たけびを上げるのだった。
亡くなった両親を一つに繋ぎ合わせた異形のアンデッドを使役していて、当時戦闘になった時は五人でやっと無力化して捕らえる事が出来た記憶は今でも鮮明に思い出す事が出来る。
その後に起きた事に関しても色々と思う事が多いけど、あの出来事がきっかけで変わる事が出来たから、色んな意味でぼくの中では印象に残っていた。
「見つけたよ、ダートお姉ちゃん……」
「え?私……?」
「うん、マスカレイドさんと――に言われたんだ、ダートお姉ちゃんを連れて来たらぼくの願いを叶えてくれるって、この国にいたらあっちから来てくれるって」
「……あっちから来てくれる?」
「ケイスニルが言ってた、この国で暴れていれば栄花騎士団の偉い人達と一緒に来るかもしれないって、だからぼくはずっとこの国でアンデッドを増やして待ってた、そうしたらね?一部の地域で大量にアンデッドとぼくとの間にある魔力の繋がりが途切れて、もしかして本当に来たのかなと思って探しに来たら、ここにダートお姉ちゃんがいたんだ」
ルードが濁った瞳で微笑みかけながらそう言葉にする。
そこには何の感情も浮かんでおらず、本当に生きているのかすら分からない不気味さがあるが、彼の言う事が本当ならぼく達がここに来るのは、マスカレイド達の予測の範囲内だったのだろう。
「後はそこのぼくの大嫌いなレースお兄ちゃんも連れて来いって――が言ってた」
「おい、さっきからてめぇよぉ、誰が言ってたのか分からねぇからちゃんと人の名前言って説明しろよ」
「――さんの名前が分からない何てかわいそう、でもぼくだけが分かってれば大丈夫、だって二人以外はここで死んでぼくの友達になってくれるんだからっ!」
「友達になるのなら生きている方が良いと思うんじゃがのぅ、余は命無き者を友と呼びたくないのじゃ」
「――が言ってた、友達は何も言わなくても言う事を分かってくれて、何かをする前に察してくれて、寂しい時は話し相手になってくれるって、それってアンデッドも同じでしょ?ぼくの作ったアンデットも、ぼくの事を分かってくれて、何かをする前に率先して動いてくれるし、一人が寂しい時も側にいて支えてくれるから、ぼくの友達はアンデッドなんだ……、だからぼくと年齢が変わらないように見える他の人達は友達にする、そして願いを叶えて貰ってお父さんとお母さんが戻って来てくれたら紹介するんだ、ぼくに友達が出来たよって、だからぼくはぼくはね?」
早口で何を言ってるのか聞き取り辛いけど、とりあえず分かるのはルードはもう正気では無いという事だ。
マスカレイドの事だから彼の事は実験動物のように見ていただろうけど、シャルネによる精神汚染の効果のせいで心が歪んでしまったのかもしれない。
「これは話が通じないみたいだ……」
「困ったのぅこんな幼子を手にかけたくないのじゃがなぁ、むー……あっ!そうじゃレース殿っ!余はおぬしらが負けそうになるまで手出しはせんから渡した薬を使って、戦って見るのじゃ!」
「見るのじゃって、それで殺しちゃったらどうするの?」
「どうするも何もあやつは指名手配犯で討伐対象なのじゃろ?、子供とはいえ容赦をする必要はないのじゃ、容赦せず殺すのが世の為人の為、そしておぬしらの為じゃな、何の因縁があるのかは分からぬが、あれは死なん限りは何処までも追ってくると思うのはじゃ」
「だろうなぁ、父さんメイメイの言う通りだと思うぜ?、あいつはどう見てももう正気じゃねぇ、俺達が終わらせてやらねぇと被害が増え続けるぞ」
確かに被害が増える前に止めるべきなんだ。
アンデッドを増やして待ってたという事は少なからず、この国の人達も犠牲になっている可能性がある、特に人型のスケルトンやゾンビが大量に出て来たという事は間違いない筈だ。
ただそれだと一つ疑問が浮かぶ、少なからず信用はできないけど、この国で自身の正義を貫いている焔の炎姫が見逃す筈がないと思う。
「戦う前にルード、聞きたい事があるんだけどいいかな」
「……いいよ、変わりにダートお姉んちゃんをぼくにくれる?」
「それは出来ない、彼女はぼくの大事な人だし、それにダートは物では無いから」
「……ごめんね?私はレースと一緒にこれから先も生きて行きたいからルードくんの者にはなれないけど、生きてお話したり遊んだり出来る友達にはなってあげる、だから戦うのを止めて話をしよう?」
「やだ、ぼくの物にならないならいらない、ダートお姉ちゃんはぼくを分かってくれると思ったのに、あの時優しくしてくれたのは嘘だったんだっ!」
……ルードの全身からどす黒い色の魔力があふれ出すと同時に森の中に流れて行った灰が舞い上がり……『これはぼくがこの国で、ケイスニルに倒して貰って手に入れた友達……』と呟くと、何処からか翼の生えたドラゴンの死体を取り出すと、灰が全体を覆って行く。
そこに自身の手首を傷付けて大量の血を流し始めたルードが、笑顔でドラゴンの死体を抱きしめると、命を失った絶対強者が雄たけびを上げるのだった。
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