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第九章 戦いの中で……
28話 合流、そして……
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メイメイがいるという事はダリアも当然近くにいるだろう。
ただ……ハスからしたら凄い気まずい所を見られてしまった気がする。
でも何ていうか、ここまで楽しそうに笑う彼女を初めて見た気がするのは気のせいだろうか……。
「それにしても父からおぬし等が帰って来たから迎えに行けと言われて、探しに行ってみたらここまで面白い物が見れるとはのぅ……満足なのじゃ」
「……満足ってやられる方はたまったもんじゃねぇぞ」
「そんな変な話してるのが悪いのじゃよ、このヘタレめ」
「ヘタレって……ダリアもなんか言ってくれよ、これじゃ俺があほみてぇじゃねぇか」
「ふふ、ま、まぁいいと思うぜ?男らしいっていうか元気が過ぎるよりも……可愛げがあっていいと思うぜ?」
最近思う事が多いけど、ぼくは何を見せられているのだろうか。
こういうのは二人きりの時だけにして欲しい、正直目の前で見せられると気まずさしかない。
……ただこのやり取りを見てこう感じるという事は、ぼくも無意識のうちにダートと同じ事をしている可能性があるから、次に生かす為の反面教師にするべきだろう。
「メイメイ、ショウソクから迎えに行けって言われたらしいけど……もしかしてそこにダート達はいるの?」
「……おるぞ?、おぬしの大事な人はちゃんと安全な場所に保護しておるからの、安心するのじゃ!くふふ、どうせおぬしの事じゃからダートがおらんくて焦って狼狽しておったのじゃろ?容易に想像が出来るのじゃよ」
「確かに焦りはしたけどそこまでは……」
「こいつ、面白い位に焦ってたぞ?」
ハスが壁に手をついて立ち上がると、お前も道連れだと言いたげな顔をしてこっちを見るけど、どうせダートを見た瞬間に顔に出てバレるだろうし……それが遅いか早いかの違いだからそこまでダメージは無い。
「まぁ父さんだからな……、焦らない方がおかしいだろ」
「あそこまで常に近くにいたらそりゃ心配して当然じゃろ……、ヘタレは何を言うとるんじゃ?」
「え?は……?これって俺が悪いのか?」
「いや、誰も悪くないと思うよ……、そんな事より早くショウソクの所に行った方がいいんじゃないかな」
「それもそうじゃな……着いてくるのじゃよ!ほれヘタレ、おぬしはダリアの隣を歩くのじゃよ?迷子になったら困るからのぅ、くふふ」
メイメイが楽しそうに笑うと何故かぼくの手を掴んで歩き出す。
「……一応確認なんだけど何処に行くの?」
「何処って書庫の奥にある隠し部屋じゃな、本来は王族しか入ってはいけないのじゃが……レースはストラフィリアの王族でダートも婚姻関係にある以上は同じようなものじゃからな……特別じゃよ」
「あ?それだと俺はどうすんだ?」
「ヘタレは書庫で獣人族の娘と共に待機じゃ!」
「……あ?俺だってダリアを嫁に貰う予定だから権利があるんじゃねぇの?」
権利って言うけど、実際の所どうなんだろうか。
ダリアはぼくとダートの血を引いているから王族である事には間違いないし、神をその身に封じる事が出来る器にも慣れはするけど……、認めたくはないけどハスの所に嫁ぐとなった場合、王族じゃなくて立場は平民になる気がする。
ただ……もし二人の間に将来子供が産まれた場合、その子はどうなるのだろう。
王族の一員になるのか、それかライさんのように遠い血縁だけど自由に生きる事が出来る可能性があるのかもしれない。
「……それは余じゃなくて、ストラフィリアの現【覇王】ミュラッカ・ストラフィリアに聞けば良かろう」
「あぁ……確かにミュラッカなら答えを出してくれるだろうけど、彼女の事だから子供が出来てその子が男の子だったら血を絶やさない為によこせって言いそうだなぁ」
「それ位別にいいんじゃね?、ただ覇王ミュラッカは男児を身籠ってんだろ?ならどっちかというと俺とダリアの場合は女児が生まれた場合じゃねぇのか?」
「女児……確かにそれはあり得るかも、治癒術師としての立場で考えると血が濃すぎると色んな障害が出やすくなってしまうけど、ミュラッカとダリアの子共だったら大分世代的にも問題ないと思うし」
「おめぇ等勝手に話進めるんじゃねぇよ……特にヘタレ、俺はまだガキを産む気はねぇし……そもそもまだ作れる身体じゃねぇぞ?」
いや、親の前で将来の子供の話をされるだけでも気まずいから止めて欲しいんだけど……、それに産まれた孫がミュラッカから産まれた甥っ子と結婚するとか、王族として必要な事だとしてもあんまり考えたくはない。
けどハスはどうやら、娘を渡す事に抵抗はないみたいだし……ダリアに関してもそこまで深く考えてないみたいで気持ちとしては複雑過ぎる。
「まぁ……、余としては娘を渡す渡さないに限らずダリアが友であるのなら、どのような立場だろうが問題無いがの」
「どんな立場だろうが俺はメイメイのダチだから問題ねぇよ」
「なら安心じゃな……取り合えずヘタレよ、先程はあぁ言うたがのぅおぬしは実際に婚姻してダリアとの間に子が出来るまでは、平民のままじゃろうから今回は諦めて大人しくしておくのじゃな」
「……しょうがねぇな、今回だけは我慢してやるよ」
……そんなやり取りをしている内に、書庫へと続く長い階段の前に着きゆっくりと昇り始める。
そして扉の前に立つと『んじゃ……ヘタレはここで待機、余はレースとダリアを連れて奥へと行くからの、くれぐれも着いてくるのではないぞ?』と言ってぼく達の手を力強く掴むのだった。
ただ……ハスからしたら凄い気まずい所を見られてしまった気がする。
でも何ていうか、ここまで楽しそうに笑う彼女を初めて見た気がするのは気のせいだろうか……。
「それにしても父からおぬし等が帰って来たから迎えに行けと言われて、探しに行ってみたらここまで面白い物が見れるとはのぅ……満足なのじゃ」
「……満足ってやられる方はたまったもんじゃねぇぞ」
「そんな変な話してるのが悪いのじゃよ、このヘタレめ」
「ヘタレって……ダリアもなんか言ってくれよ、これじゃ俺があほみてぇじゃねぇか」
「ふふ、ま、まぁいいと思うぜ?男らしいっていうか元気が過ぎるよりも……可愛げがあっていいと思うぜ?」
最近思う事が多いけど、ぼくは何を見せられているのだろうか。
こういうのは二人きりの時だけにして欲しい、正直目の前で見せられると気まずさしかない。
……ただこのやり取りを見てこう感じるという事は、ぼくも無意識のうちにダートと同じ事をしている可能性があるから、次に生かす為の反面教師にするべきだろう。
「メイメイ、ショウソクから迎えに行けって言われたらしいけど……もしかしてそこにダート達はいるの?」
「……おるぞ?、おぬしの大事な人はちゃんと安全な場所に保護しておるからの、安心するのじゃ!くふふ、どうせおぬしの事じゃからダートがおらんくて焦って狼狽しておったのじゃろ?容易に想像が出来るのじゃよ」
「確かに焦りはしたけどそこまでは……」
「こいつ、面白い位に焦ってたぞ?」
ハスが壁に手をついて立ち上がると、お前も道連れだと言いたげな顔をしてこっちを見るけど、どうせダートを見た瞬間に顔に出てバレるだろうし……それが遅いか早いかの違いだからそこまでダメージは無い。
「まぁ父さんだからな……、焦らない方がおかしいだろ」
「あそこまで常に近くにいたらそりゃ心配して当然じゃろ……、ヘタレは何を言うとるんじゃ?」
「え?は……?これって俺が悪いのか?」
「いや、誰も悪くないと思うよ……、そんな事より早くショウソクの所に行った方がいいんじゃないかな」
「それもそうじゃな……着いてくるのじゃよ!ほれヘタレ、おぬしはダリアの隣を歩くのじゃよ?迷子になったら困るからのぅ、くふふ」
メイメイが楽しそうに笑うと何故かぼくの手を掴んで歩き出す。
「……一応確認なんだけど何処に行くの?」
「何処って書庫の奥にある隠し部屋じゃな、本来は王族しか入ってはいけないのじゃが……レースはストラフィリアの王族でダートも婚姻関係にある以上は同じようなものじゃからな……特別じゃよ」
「あ?それだと俺はどうすんだ?」
「ヘタレは書庫で獣人族の娘と共に待機じゃ!」
「……あ?俺だってダリアを嫁に貰う予定だから権利があるんじゃねぇの?」
権利って言うけど、実際の所どうなんだろうか。
ダリアはぼくとダートの血を引いているから王族である事には間違いないし、神をその身に封じる事が出来る器にも慣れはするけど……、認めたくはないけどハスの所に嫁ぐとなった場合、王族じゃなくて立場は平民になる気がする。
ただ……もし二人の間に将来子供が産まれた場合、その子はどうなるのだろう。
王族の一員になるのか、それかライさんのように遠い血縁だけど自由に生きる事が出来る可能性があるのかもしれない。
「……それは余じゃなくて、ストラフィリアの現【覇王】ミュラッカ・ストラフィリアに聞けば良かろう」
「あぁ……確かにミュラッカなら答えを出してくれるだろうけど、彼女の事だから子供が出来てその子が男の子だったら血を絶やさない為によこせって言いそうだなぁ」
「それ位別にいいんじゃね?、ただ覇王ミュラッカは男児を身籠ってんだろ?ならどっちかというと俺とダリアの場合は女児が生まれた場合じゃねぇのか?」
「女児……確かにそれはあり得るかも、治癒術師としての立場で考えると血が濃すぎると色んな障害が出やすくなってしまうけど、ミュラッカとダリアの子共だったら大分世代的にも問題ないと思うし」
「おめぇ等勝手に話進めるんじゃねぇよ……特にヘタレ、俺はまだガキを産む気はねぇし……そもそもまだ作れる身体じゃねぇぞ?」
いや、親の前で将来の子供の話をされるだけでも気まずいから止めて欲しいんだけど……、それに産まれた孫がミュラッカから産まれた甥っ子と結婚するとか、王族として必要な事だとしてもあんまり考えたくはない。
けどハスはどうやら、娘を渡す事に抵抗はないみたいだし……ダリアに関してもそこまで深く考えてないみたいで気持ちとしては複雑過ぎる。
「まぁ……、余としては娘を渡す渡さないに限らずダリアが友であるのなら、どのような立場だろうが問題無いがの」
「どんな立場だろうが俺はメイメイのダチだから問題ねぇよ」
「なら安心じゃな……取り合えずヘタレよ、先程はあぁ言うたがのぅおぬしは実際に婚姻してダリアとの間に子が出来るまでは、平民のままじゃろうから今回は諦めて大人しくしておくのじゃな」
「……しょうがねぇな、今回だけは我慢してやるよ」
……そんなやり取りをしている内に、書庫へと続く長い階段の前に着きゆっくりと昇り始める。
そして扉の前に立つと『んじゃ……ヘタレはここで待機、余はレースとダリアを連れて奥へと行くからの、くれぐれも着いてくるのではないぞ?』と言ってぼく達の手を力強く掴むのだった。
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