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第九章 戦いの中で……
67話 精神汚染
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メイメイが迎撃した後、マスカレイドは衝撃を逃がす事無くその場に踏みとどまると彼女に向かって手を伸ばす。
そして手を広げるとそこから小さな銃口のような物が現れ……
「あぶねぇぞ馬鹿!」
「んん!?おぉっ!?な、なんじゃとぉ!?」
ダリアが目の前に現れたかと思うとメイメイに抱き着いて消える。
そして再び姿を現したかと思うと、ぼくの隣に尻もちを付いて全身でゆっくりと呼吸を繰り返しすと、先程まで二人がいた場所を先程マスカレイドが使っていた切り札と同じ色の閃光が通過していく。
「……なんだ今のは、何処から現れた?」
「なんじゃも何も、いきなり来てなんて事をしとるんじゃ!余の家がボロボロじゃぞ!」
「余の家?まさかお前が……【薬姫】メイメイか、名前や特徴は聞いた事はあるがこうして会うのは初めてだな」
「そういうおぬしは、父が良く言うとった幼少期を共に過ごしたクソガキ【黎明】マスカレイド・ハルサーじゃろ?……良く褒めておったから覚えとるよ、祖母の意思を継ぎエルフの為に立ち上がった強い意思のある男じゃったとな」
「……あいつが俺を褒めていた?ほぅ、ハイネの意思を継ぐのは当然だろう、恩を受けた相手の事は大事にするべきだからな」
……どうしてそういう考えが出来るのに、初代薬王ハイネ・メイディを魔導人形にしてしまうのか。
ぼくには少しも気持ちが理解できない。
「なら……何故こんな事をする?余の父を殺し、祖母である初代薬王の死体を弄び、何故このような事をっ!」
「ん?何を言う……、俺はただ目的の為に必要な事をしているだけだ、それに協力者のおかげで若い頃に【黎明】の使い方を理解する事が出来たからな、分かるか?過去に飛ばされた俺の気持ちが、理解出来るか?生まれつき他の者よりも知能が優れている苦しみが、知らないだろうな……過ぎたる力を得て能力に振り回される苦痛が」
「マスカレイド……、君はいったい何を言って?」
「小僧……貴様なら理解できるだろう?俺と同じように生まれつき心器を使う事が出来た意味が、俺とルディーの意思でお前には平凡な人生を生きて欲しいと願い、小僧の物心がつく前に使えなくする為の術式を屋敷に施した意味を」
「……本当に何を言ってるの?」
ぼくが生まれつき心器が使えたのに使えなくした?。
それはいったいどういう事なのか……、こんな便利な能力を使えなくする必要があるのだろうか。
「分からないとは実に愚かだ、どうしても知りたいならルディーに直接聞けばいい……、まぁただあの時は驚いたがな俺とルディーが魔術と治癒術の研究を行っていた時に当時俺の使っていた杖を心器として顕現させるのだからな、あの時のお前はまだ可愛げがあ……ん?何だこれは俺の知らない感情や記憶がある?」
臨戦態勢を取っているぼくたちの無視して急に頭を抑え始める。
そして何やら苦しんだような顔をしたかと思うと……
「俺が作った新しい技術や発明はまさか、過去に飛ばされた時に当時出会った金髪の少女に聞いていた?そんな訳が……けど仮にそうだったとしても、機械と魔術を組み合わせて作った魔導具や兵器、医療器具は俺の生み出した発明だ、なのに何故……?そんな凄い能力あるなら私の知識にある物が作れる?だと、当然だ……俺なら出来て当然……だ?」
「……マスカレイド?」
「ん?あ、いや……ここは?あぁそうか、今の俺は戦場でこいつらと戦っているのだったな、この疑問に関しては目的を果たしてからにしよう」
マスカレイドが再びぼく達の方を見ると、背中に接続された心器に白と黒の光が吸い込まれていく。
そして胸部が開き空になったガラス瓶が飛び出すと、再び中に何らかの薬液を補充して差し込む。
「良いかレース、ダリア……これが【天魔】シャルネ・ヘイルーンの持つ【精神汚染】の効果じゃ、心に迷いのある物が奴に長く関わるとこのように精神に異常を来たしたり、記憶の混濁が起きる……そして最後には奴の都合の良い人形になるのじゃよ」
「それって……凄いまずくねぇか?」
「奴が若い頃は……【精神汚染】をうまくコントロール出来なかったせいで、メイディに来て余を討伐しようとした時に恐ろしい目にあったものじゃよ」
メイメイが何か話をしているけど、今は戦闘に集中するべきだ。
シャルネの能力は確かに強力だと思うけど、未来に倒すべき相手よりも今やるべきことをやった方がいい。
けど……試しに狼達に指示を出して攻撃をさせては見るけど、微動だにすらしない辺りこんな化け物をどうやって倒せばいいのか分からなくなる。
「いや、話すのはいいけどさ、マスカレイドが準備が終わるのを待つ必要ある?」
「とはいえこんな化物どうやって倒せと言うんじゃ?心器と一体化してるのは【福音】ゴスペルが余達Sランクの間では有名じゃが、奴の場合は肉体が強靭な変わりに毒に弱いという弱点がある、けどのぅ……こやつの場合身体を魔導具に作り替えておるし、ほぼ弱点なんぞないに等しいぞ?」
「はぁ?そんなの反則じゃねぇかよ」
……そうしている間に準備が終わったのか、マスカレイドの背中から【カタストロフ】の光が溢れると凄まじい速度でこちらへと飛び込んでくる。
それを見たメイメイが『何をやっとるんじゃ!倒せないとは言え、ボケーっとしとらんでやれることはやるのじゃよ!』と言葉にして、小さな体でマスカレイドを受け止めるとその勢いを利用してぼくの方へと投げるのだった。
そして手を広げるとそこから小さな銃口のような物が現れ……
「あぶねぇぞ馬鹿!」
「んん!?おぉっ!?な、なんじゃとぉ!?」
ダリアが目の前に現れたかと思うとメイメイに抱き着いて消える。
そして再び姿を現したかと思うと、ぼくの隣に尻もちを付いて全身でゆっくりと呼吸を繰り返しすと、先程まで二人がいた場所を先程マスカレイドが使っていた切り札と同じ色の閃光が通過していく。
「……なんだ今のは、何処から現れた?」
「なんじゃも何も、いきなり来てなんて事をしとるんじゃ!余の家がボロボロじゃぞ!」
「余の家?まさかお前が……【薬姫】メイメイか、名前や特徴は聞いた事はあるがこうして会うのは初めてだな」
「そういうおぬしは、父が良く言うとった幼少期を共に過ごしたクソガキ【黎明】マスカレイド・ハルサーじゃろ?……良く褒めておったから覚えとるよ、祖母の意思を継ぎエルフの為に立ち上がった強い意思のある男じゃったとな」
「……あいつが俺を褒めていた?ほぅ、ハイネの意思を継ぐのは当然だろう、恩を受けた相手の事は大事にするべきだからな」
……どうしてそういう考えが出来るのに、初代薬王ハイネ・メイディを魔導人形にしてしまうのか。
ぼくには少しも気持ちが理解できない。
「なら……何故こんな事をする?余の父を殺し、祖母である初代薬王の死体を弄び、何故このような事をっ!」
「ん?何を言う……、俺はただ目的の為に必要な事をしているだけだ、それに協力者のおかげで若い頃に【黎明】の使い方を理解する事が出来たからな、分かるか?過去に飛ばされた俺の気持ちが、理解出来るか?生まれつき他の者よりも知能が優れている苦しみが、知らないだろうな……過ぎたる力を得て能力に振り回される苦痛が」
「マスカレイド……、君はいったい何を言って?」
「小僧……貴様なら理解できるだろう?俺と同じように生まれつき心器を使う事が出来た意味が、俺とルディーの意思でお前には平凡な人生を生きて欲しいと願い、小僧の物心がつく前に使えなくする為の術式を屋敷に施した意味を」
「……本当に何を言ってるの?」
ぼくが生まれつき心器が使えたのに使えなくした?。
それはいったいどういう事なのか……、こんな便利な能力を使えなくする必要があるのだろうか。
「分からないとは実に愚かだ、どうしても知りたいならルディーに直接聞けばいい……、まぁただあの時は驚いたがな俺とルディーが魔術と治癒術の研究を行っていた時に当時俺の使っていた杖を心器として顕現させるのだからな、あの時のお前はまだ可愛げがあ……ん?何だこれは俺の知らない感情や記憶がある?」
臨戦態勢を取っているぼくたちの無視して急に頭を抑え始める。
そして何やら苦しんだような顔をしたかと思うと……
「俺が作った新しい技術や発明はまさか、過去に飛ばされた時に当時出会った金髪の少女に聞いていた?そんな訳が……けど仮にそうだったとしても、機械と魔術を組み合わせて作った魔導具や兵器、医療器具は俺の生み出した発明だ、なのに何故……?そんな凄い能力あるなら私の知識にある物が作れる?だと、当然だ……俺なら出来て当然……だ?」
「……マスカレイド?」
「ん?あ、いや……ここは?あぁそうか、今の俺は戦場でこいつらと戦っているのだったな、この疑問に関しては目的を果たしてからにしよう」
マスカレイドが再びぼく達の方を見ると、背中に接続された心器に白と黒の光が吸い込まれていく。
そして胸部が開き空になったガラス瓶が飛び出すと、再び中に何らかの薬液を補充して差し込む。
「良いかレース、ダリア……これが【天魔】シャルネ・ヘイルーンの持つ【精神汚染】の効果じゃ、心に迷いのある物が奴に長く関わるとこのように精神に異常を来たしたり、記憶の混濁が起きる……そして最後には奴の都合の良い人形になるのじゃよ」
「それって……凄いまずくねぇか?」
「奴が若い頃は……【精神汚染】をうまくコントロール出来なかったせいで、メイディに来て余を討伐しようとした時に恐ろしい目にあったものじゃよ」
メイメイが何か話をしているけど、今は戦闘に集中するべきだ。
シャルネの能力は確かに強力だと思うけど、未来に倒すべき相手よりも今やるべきことをやった方がいい。
けど……試しに狼達に指示を出して攻撃をさせては見るけど、微動だにすらしない辺りこんな化け物をどうやって倒せばいいのか分からなくなる。
「いや、話すのはいいけどさ、マスカレイドが準備が終わるのを待つ必要ある?」
「とはいえこんな化物どうやって倒せと言うんじゃ?心器と一体化してるのは【福音】ゴスペルが余達Sランクの間では有名じゃが、奴の場合は肉体が強靭な変わりに毒に弱いという弱点がある、けどのぅ……こやつの場合身体を魔導具に作り替えておるし、ほぼ弱点なんぞないに等しいぞ?」
「はぁ?そんなの反則じゃねぇかよ」
……そうしている間に準備が終わったのか、マスカレイドの背中から【カタストロフ】の光が溢れると凄まじい速度でこちらへと飛び込んでくる。
それを見たメイメイが『何をやっとるんじゃ!倒せないとは言え、ボケーっとしとらんでやれることはやるのじゃよ!』と言葉にして、小さな体でマスカレイドを受け止めるとその勢いを利用してぼくの方へと投げるのだった。
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