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第十一章 盗賊王と機械の国
38話 死絶の試練
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唖然としているぼくの事を気にしていないかのように、周囲の土をひっくり返して大きな壁を作り上げると四方が高い壁に囲われる。
「これで準備は出来た……、レース君良く逃げなかったね」
「……逃げなかったねって言われても、逃がす気は無いでしょ?」
「良く分かってるね」
とは言っても、以前カーティスの能力を見た事を思い出すと、余りにも差が大きすぎて普通にやったら抵抗すら出来ずに殺されてしまうだろう。
でも試練とは言っていたから死ぬような事は無いとは思うけど……もしもの事があるから、気を引くしめた方がいい。
「レース君、君は残された者に届けたい言葉はあるかい?」
「……え?」
「もしかしてだけど、君はこの戦いで死なないと思っているのかい?」
優し気な声で話しかけながら、徐々に下半身が蛇へと変割っていく。
その姿を見て、以前ダートからナーガというモンスターに似たすでしょ?」
「良く分かってるね」
とは言っても、以前カーティスの能力を見た事を思い出すと、余りにも差が大きすぎて普通にやったら抵抗すら出来ずに殺されてしまうだろう。
でも試練とは言っていたから死ぬような事は無いとは思うけど……もしもの事があるから、気を引くしめた方がいい。
「レース君、君は残された者に届けたい言葉はあるかい?」
「……え?」
「もしかしてだけど、君はこの戦いで死なないと思っているのかい?」
優し気な声で話しかけながら、徐々に下半身が蛇へと変割っていく。
その姿を見て、以前ダートからナーガというモンスターに似ていたという話を聞いたのを思い出すけど、そもそも見た事が無いからそれが何か分からない。
「そういう油断は止めた方がいい、君の前にいる存在は容易に君を滅ぼせる存在なのだから」
蛇の身体を使い一瞬で距離を詰めると、両手に持った農具を振るうが……【自動迎撃】で生成された雪の壁で受け止める。
「……スノーホワイトの能力だね、だけどその能力の弱点は使用する魔力量の多さ、だからこうすればいい」
下半身を使い器用に周囲を囲うと、反応が追い付かないぼくの事を無視して締め付けるように隙間を狭めていく。
そうして強引に自動迎撃を発動させると、破壊されないぎりぎりの圧力で締め付け。
「……っ!?」
「心器の能力に頼り過ぎだよ、そもそも俺達が戦っていた時代では心器はあくまで素材を補う物だったからね」
「おぎ……なう?」
「そうさ、当時は武器を作るにも素材に限りがあったからね、その中でこの世界の人達が生み出した独自の魔力を使って技術が心器さ、強力な反面、術者の精神状況によって性能が変わるというデメリットがあまりに大きすぎて、ゼンも必要な時以外は使わなかったくらいだよ、まぁそれも能力を自由に使えるようになってからは滅多に使わなくなったけどね」
心器を必要な時以外は使わない?それに能力が使えるようになってからは更に?、能力に関しては使い続ける事で最終的に顕現させていなくても使えるようになるのは勿論知っている。
現にぼくも【怪力】なら使う事が出来るようになった……、でもそれと使わなくなったに何の繋がりがあるのだろうか。
「分からないようだね、ならいい事を教えてあげるよ、シャルネの魔力特性【暴食と施し】は相手の魔力と生命力を吸収して奪い、そして譲渡する事が出来る……つまり、君や栄花騎士団最高幹部達や、一部の生まれながらに使う事が出来る才能に恵まれた人達が使う【心器】は彼女にとって餌でしかないって事さ」
その言葉が本当なら、心器を使っている限りシャルネには勝てないという事になる。
けど色々と考えようとするけど、恐ろしい勢いで体の外へと流れて行く魔力に耐え切れず膝をついてしまう。
「黎明の力で戦えるんじゃなかったのかい?ただ自分が強くなったと勘違いしてイキっただけかな?」
そんな事を言われても、こんな状況でどうしろというのか。
ただそこまで言われて悔しい気持ちにならない方が無理だ、けどここで自動迎撃を解除してしまったら、いや……怪力を使うなら?それならこの状態から脱する事が出来るかもしれない。
「……へぇ、考えたね」
【怪力】を発動させて身体能力を上昇させると同時に雪の壁が砕けちる。
けど、それに合わせて長杖と大剣を力任せに下半身へと叩きつけようとすると、蛇の身体が魔力の光へと変換されて消失し、頭上からカマとスキを構えながらカーティスが落ちて来て、振り上げた武器と当たり甲高い金属音を鳴らし衝撃に身体がよろめく。
「……っ!?農具なのに、なんだこの衝撃」
「農具だってね、使えば充分に凶器になるんだよ」
……ナタとスキを投げすてたかと思うと今度は両手にスコップを持ち接近してくる。
大剣と長杖を振って近づかせないように牽制をしようとするけれど、綺麗に受け流されてしまってカーティスの接近を許してしまうが『……どうして君は魔術を使おうとしないんだい?それとも使わなくても俺を倒せると思ってる?』という声と共に勢いよく蹴り飛ばされるのだった。
「これで準備は出来た……、レース君良く逃げなかったね」
「……逃げなかったねって言われても、逃がす気は無いでしょ?」
「良く分かってるね」
とは言っても、以前カーティスの能力を見た事を思い出すと、余りにも差が大きすぎて普通にやったら抵抗すら出来ずに殺されてしまうだろう。
でも試練とは言っていたから死ぬような事は無いとは思うけど……もしもの事があるから、気を引くしめた方がいい。
「レース君、君は残された者に届けたい言葉はあるかい?」
「……え?」
「もしかしてだけど、君はこの戦いで死なないと思っているのかい?」
優し気な声で話しかけながら、徐々に下半身が蛇へと変割っていく。
その姿を見て、以前ダートからナーガというモンスターに似たすでしょ?」
「良く分かってるね」
とは言っても、以前カーティスの能力を見た事を思い出すと、余りにも差が大きすぎて普通にやったら抵抗すら出来ずに殺されてしまうだろう。
でも試練とは言っていたから死ぬような事は無いとは思うけど……もしもの事があるから、気を引くしめた方がいい。
「レース君、君は残された者に届けたい言葉はあるかい?」
「……え?」
「もしかしてだけど、君はこの戦いで死なないと思っているのかい?」
優し気な声で話しかけながら、徐々に下半身が蛇へと変割っていく。
その姿を見て、以前ダートからナーガというモンスターに似ていたという話を聞いたのを思い出すけど、そもそも見た事が無いからそれが何か分からない。
「そういう油断は止めた方がいい、君の前にいる存在は容易に君を滅ぼせる存在なのだから」
蛇の身体を使い一瞬で距離を詰めると、両手に持った農具を振るうが……【自動迎撃】で生成された雪の壁で受け止める。
「……スノーホワイトの能力だね、だけどその能力の弱点は使用する魔力量の多さ、だからこうすればいい」
下半身を使い器用に周囲を囲うと、反応が追い付かないぼくの事を無視して締め付けるように隙間を狭めていく。
そうして強引に自動迎撃を発動させると、破壊されないぎりぎりの圧力で締め付け。
「……っ!?」
「心器の能力に頼り過ぎだよ、そもそも俺達が戦っていた時代では心器はあくまで素材を補う物だったからね」
「おぎ……なう?」
「そうさ、当時は武器を作るにも素材に限りがあったからね、その中でこの世界の人達が生み出した独自の魔力を使って技術が心器さ、強力な反面、術者の精神状況によって性能が変わるというデメリットがあまりに大きすぎて、ゼンも必要な時以外は使わなかったくらいだよ、まぁそれも能力を自由に使えるようになってからは滅多に使わなくなったけどね」
心器を必要な時以外は使わない?それに能力が使えるようになってからは更に?、能力に関しては使い続ける事で最終的に顕現させていなくても使えるようになるのは勿論知っている。
現にぼくも【怪力】なら使う事が出来るようになった……、でもそれと使わなくなったに何の繋がりがあるのだろうか。
「分からないようだね、ならいい事を教えてあげるよ、シャルネの魔力特性【暴食と施し】は相手の魔力と生命力を吸収して奪い、そして譲渡する事が出来る……つまり、君や栄花騎士団最高幹部達や、一部の生まれながらに使う事が出来る才能に恵まれた人達が使う【心器】は彼女にとって餌でしかないって事さ」
その言葉が本当なら、心器を使っている限りシャルネには勝てないという事になる。
けど色々と考えようとするけど、恐ろしい勢いで体の外へと流れて行く魔力に耐え切れず膝をついてしまう。
「黎明の力で戦えるんじゃなかったのかい?ただ自分が強くなったと勘違いしてイキっただけかな?」
そんな事を言われても、こんな状況でどうしろというのか。
ただそこまで言われて悔しい気持ちにならない方が無理だ、けどここで自動迎撃を解除してしまったら、いや……怪力を使うなら?それならこの状態から脱する事が出来るかもしれない。
「……へぇ、考えたね」
【怪力】を発動させて身体能力を上昇させると同時に雪の壁が砕けちる。
けど、それに合わせて長杖と大剣を力任せに下半身へと叩きつけようとすると、蛇の身体が魔力の光へと変換されて消失し、頭上からカマとスキを構えながらカーティスが落ちて来て、振り上げた武器と当たり甲高い金属音を鳴らし衝撃に身体がよろめく。
「……っ!?農具なのに、なんだこの衝撃」
「農具だってね、使えば充分に凶器になるんだよ」
……ナタとスキを投げすてたかと思うと今度は両手にスコップを持ち接近してくる。
大剣と長杖を振って近づかせないように牽制をしようとするけれど、綺麗に受け流されてしまってカーティスの接近を許してしまうが『……どうして君は魔術を使おうとしないんだい?それとも使わなくても俺を倒せると思ってる?』という声と共に勢いよく蹴り飛ばされるのだった。
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