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第十一章 盗賊王と機械の国
40話 謁見の間で カエデ視点
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会議室から出た私達はミオラーム様に謁見する為に王城に向かうけれど……騎士達に謁見の間に通された後、そこで思いもよらぬ問題が起きてしまう。
「……来て貰って悪いのだけれど、帰ってくれないかしら?」
「……え?」
ミオラーム様を待っていた筈が何時まで経っても来ず、これはどうするべきかライさん達に相談をしようとした時だった。
この国のSランク冒険者、【宵闇】フィリアが玉座の前に現れると感情が読み取れない声と表情で私達の方を見ると、帰るように促して来る。
「あの、私達は騎士達にここで待ってるように言われたのですが?」
「帰りなさい、今のミオラームは誰かと話が出来る状態では無いわ」
「それだけじゃ……何を言ってるのか──」
動揺している私の言葉を手で遮りながらライさんが立つと、マーシェンスの貴族が行うまるで機械の人形のように完成された美しく優雅なお辞儀をする。
「副団長、ここで無理に食い下がるのは良くない、申し訳ございません【賢王】ミオラーム・マーシェンス様の状況は理解出来ましたので、後日フィリア様からお伝え頂いても宜しいでしょうか」
姿勢を正してからフィリアへと告げると、無言で頷いたと同時にまるで初めからそこにいなかったかのように姿が消える。
たぶん、彼女の魔力特性【宵闇】によるものだろうけれど、気配も何もなく消えてしまうのを見ると、栄花騎士団最高幹部の一人でお調子者のケイが持つ【闇渡】の上位互換に近い能力だと思う。
「……消えてしまいましたね」
「いや、姿を消しているだけで玉座の近くにいるよ」
「ライさん良く気付けますね、私なんて眼鏡越しに見ても何も分かりませんよ?」
アキさんが困惑をした表情を浮かべながら玉座の方を見るけど、私と同じように分からないみたいで首を傾げてしまう。
そんな私達の姿を見たライさんが、小さく笑うと目を閉じて魔術の雷を発生させ玉座の方へと向けて放つのと同時に銃声が聞こえると、私達の間を何かが通過して扉に突き刺さる。
「まさか本当に私の存在に気付いてる何て、あなた面白いわね」
「栄花騎士団で三番目に偉い立場にいると、君のような能力者に狙われる事は良くあるからね、慣れているんだよ」
「……嫌な人生を送ってるようね」
「貴族何て立場はそんなものさ、いくら表面上は平和な国でも裏はドロドロとしているものだよ、君も元は有名な暗殺者だったから分かるんじゃないかな?」
誰もいない玉座を見ながら話している最中に背後から風を切る音と共に氷のように冷めきった殺意が迫ってくる。
咄嗟に身をひるがえして避けようとするけど、見えない攻撃をどう避けようというのか。
もしかしたらここでダートお姉様とレースさんと死に別れて……
「あなたのそれ……態とですよね?」
「え……?あっ」
衝撃に備えて眼を閉じようとした時だった。
避けようとして態勢を崩した私の身体を片手で支えながら、水の魔術で壁が作られると同時にホルスターから本が飛び出すと、白い粉が溶け煙を上げながら壁を生成して不可視の攻撃を受け止める鈍い音が響く。
「……どうやらあなた達ならまともな会話が出来そうね、けど栄花騎士団の副団長で私の可愛い義弟の婚約者としては減点ね」
「減点って、もしかして私達の事を試したのですか?」
「当然でしょう?栄花騎士団の実力は聞いてはいるけれど、実際にこの目で見ないと信用出来ないわ……、だって私のミオラームに危険が及ぶかもしれないでしょう?」
……ミオラーム様に会わせてくれないのかの理由を話してくれるけど、内容に余りにも私的な感情が入り過ぎていて言葉に詰まる。
上に立つ以上は私情を優先するのではなくて、立場を優先するべきだと思うのは私の考えが固いのだろうか、それともこの人がおかしいのか。
考えれば考える程、私の常識とは違い過ぎて思考がこんがらがってしまいそうになる。
「……ならこの前はどうして、我らの副団長と会ってくれたんだい?」
「それは簡単よ、レースとその娘、つまり可愛い姪っ子が居たからに決まってるじゃない、私はね?ダートの事は人柄も含めて認めてあげたけど、カエデさんの事は良く知らないから信用していないの、だから見極めさせて貰おうと思ったの……けど、守られて当然と言うように部下に守られ、レースにも支えられてあなたは何が出来るの?」
「……私は、その」
「栄花のキリサキ家は特殊な剣術を使う家系で、現団長キリサキ・ガイは元Sランク冒険者で剣術と独自の魔術を得意とし、副団長は不思議な魔術を使うというけれど実際は戦いにおいては守られてばかり、唯一秀でているところは策略を練るれる事と義弟から教わった治癒術位じゃない」
「……フィリアさん、余り俺達の副団長を虐めるのは止めてくれないかな?彼女は確かに役職と実力がまだ噛み合っていないところがあるのは確かだ……けれど、その中で真面目で心優しい気質と、文句を言わずどんな事があっても健気に努力を続けている事を俺達栄花騎士団の最高幹部は見て来たから知っている」
……ライさんが私を庇うように、そう言葉にするとフィリアが小さく笑いながら姿を現し『それは悪かったわね、けどそう、そこまでは知らなかったわ、この事については謝罪するし、特別に話も聞いてあげる……、けどカエデさんの事は数日ばかり預からせて貰うわ?だって、どんな事があっても健気に努力を続けることが出来るんでしょう?ならレースに相応しくなるように育ててあげる』と言いながら私を無理矢理抱きかかえると、呆気に取られている二人に向かって着いてくるように促すのだった。
「……来て貰って悪いのだけれど、帰ってくれないかしら?」
「……え?」
ミオラーム様を待っていた筈が何時まで経っても来ず、これはどうするべきかライさん達に相談をしようとした時だった。
この国のSランク冒険者、【宵闇】フィリアが玉座の前に現れると感情が読み取れない声と表情で私達の方を見ると、帰るように促して来る。
「あの、私達は騎士達にここで待ってるように言われたのですが?」
「帰りなさい、今のミオラームは誰かと話が出来る状態では無いわ」
「それだけじゃ……何を言ってるのか──」
動揺している私の言葉を手で遮りながらライさんが立つと、マーシェンスの貴族が行うまるで機械の人形のように完成された美しく優雅なお辞儀をする。
「副団長、ここで無理に食い下がるのは良くない、申し訳ございません【賢王】ミオラーム・マーシェンス様の状況は理解出来ましたので、後日フィリア様からお伝え頂いても宜しいでしょうか」
姿勢を正してからフィリアへと告げると、無言で頷いたと同時にまるで初めからそこにいなかったかのように姿が消える。
たぶん、彼女の魔力特性【宵闇】によるものだろうけれど、気配も何もなく消えてしまうのを見ると、栄花騎士団最高幹部の一人でお調子者のケイが持つ【闇渡】の上位互換に近い能力だと思う。
「……消えてしまいましたね」
「いや、姿を消しているだけで玉座の近くにいるよ」
「ライさん良く気付けますね、私なんて眼鏡越しに見ても何も分かりませんよ?」
アキさんが困惑をした表情を浮かべながら玉座の方を見るけど、私と同じように分からないみたいで首を傾げてしまう。
そんな私達の姿を見たライさんが、小さく笑うと目を閉じて魔術の雷を発生させ玉座の方へと向けて放つのと同時に銃声が聞こえると、私達の間を何かが通過して扉に突き刺さる。
「まさか本当に私の存在に気付いてる何て、あなた面白いわね」
「栄花騎士団で三番目に偉い立場にいると、君のような能力者に狙われる事は良くあるからね、慣れているんだよ」
「……嫌な人生を送ってるようね」
「貴族何て立場はそんなものさ、いくら表面上は平和な国でも裏はドロドロとしているものだよ、君も元は有名な暗殺者だったから分かるんじゃないかな?」
誰もいない玉座を見ながら話している最中に背後から風を切る音と共に氷のように冷めきった殺意が迫ってくる。
咄嗟に身をひるがえして避けようとするけど、見えない攻撃をどう避けようというのか。
もしかしたらここでダートお姉様とレースさんと死に別れて……
「あなたのそれ……態とですよね?」
「え……?あっ」
衝撃に備えて眼を閉じようとした時だった。
避けようとして態勢を崩した私の身体を片手で支えながら、水の魔術で壁が作られると同時にホルスターから本が飛び出すと、白い粉が溶け煙を上げながら壁を生成して不可視の攻撃を受け止める鈍い音が響く。
「……どうやらあなた達ならまともな会話が出来そうね、けど栄花騎士団の副団長で私の可愛い義弟の婚約者としては減点ね」
「減点って、もしかして私達の事を試したのですか?」
「当然でしょう?栄花騎士団の実力は聞いてはいるけれど、実際にこの目で見ないと信用出来ないわ……、だって私のミオラームに危険が及ぶかもしれないでしょう?」
……ミオラーム様に会わせてくれないのかの理由を話してくれるけど、内容に余りにも私的な感情が入り過ぎていて言葉に詰まる。
上に立つ以上は私情を優先するのではなくて、立場を優先するべきだと思うのは私の考えが固いのだろうか、それともこの人がおかしいのか。
考えれば考える程、私の常識とは違い過ぎて思考がこんがらがってしまいそうになる。
「……ならこの前はどうして、我らの副団長と会ってくれたんだい?」
「それは簡単よ、レースとその娘、つまり可愛い姪っ子が居たからに決まってるじゃない、私はね?ダートの事は人柄も含めて認めてあげたけど、カエデさんの事は良く知らないから信用していないの、だから見極めさせて貰おうと思ったの……けど、守られて当然と言うように部下に守られ、レースにも支えられてあなたは何が出来るの?」
「……私は、その」
「栄花のキリサキ家は特殊な剣術を使う家系で、現団長キリサキ・ガイは元Sランク冒険者で剣術と独自の魔術を得意とし、副団長は不思議な魔術を使うというけれど実際は戦いにおいては守られてばかり、唯一秀でているところは策略を練るれる事と義弟から教わった治癒術位じゃない」
「……フィリアさん、余り俺達の副団長を虐めるのは止めてくれないかな?彼女は確かに役職と実力がまだ噛み合っていないところがあるのは確かだ……けれど、その中で真面目で心優しい気質と、文句を言わずどんな事があっても健気に努力を続けている事を俺達栄花騎士団の最高幹部は見て来たから知っている」
……ライさんが私を庇うように、そう言葉にするとフィリアが小さく笑いながら姿を現し『それは悪かったわね、けどそう、そこまでは知らなかったわ、この事については謝罪するし、特別に話も聞いてあげる……、けどカエデさんの事は数日ばかり預からせて貰うわ?だって、どんな事があっても健気に努力を続けることが出来るんでしょう?ならレースに相応しくなるように育ててあげる』と言いながら私を無理矢理抱きかかえると、呆気に取られている二人に向かって着いてくるように促すのだった。
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