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2章
光芒神聖教会の陰謀
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エトナの奴隷の刻印の解呪を目的として、アレスたちは緑聖国シャムザロールの首都であるテスクトーラの街にやってきていた。
ここには魔物や呪いに対するスペシャリストである聖職者が集まる光芒神聖教会がある。
その組織の中にエトナを奴隷にしていた人物がいるということで完全に頼り切ることはできないが、光芒神聖教会以外にエトナの奴隷の刻印をなんとかできる当てもないためアレスたちは光芒神聖教会を目指すことにしていた。
「あっちが街の中心だ、光芒神聖教会の本部はそこにある」
「……っ」
「ちょっと待ってアレス君!エトナさんが!」
「っ!すまんエトナ、大丈夫か?」
「ごめんなさい……少し、体が痛んできて……」
「無理はしなくていいからね!少し休んでポーションを飲もう?」
光芒神聖教会の本部を目指して街の中を進んでいたアレスたちだったが、その途中でエトナが刻印の痛みを訴えその足を止めてしまったのだ。
それに気づいた2人はすぐに近くにあったベンチへ向かい、持ってきていた痛み止めポーションをエトナに飲ませることにしたのだった。
「んぐっ……んぐっ……ぷはぁ」
「どうエトナさん、気分は」
「はい。もう大丈夫です」
「よかった……」
「だが思ったよりポーションの消費が激しいな。ソシア、あと何本残ってる?」
「……あと3本。たぶん明日のお昼くらいにはなくなっちゃうかも」
「くそ……急がないとまずいな」
今ポーションを1本飲んだことで、残りのポーションはあと3本となってしまった。
大体の目安として1日に朝昼夕夜の計4本飲まないと奴隷の刻印の激痛を凌げないため、今日の夕方と夜に明日の朝と飲んでしまえば明日の昼には再びあの激痛がエトナと襲うことになる。
それまでに何とか刻印を消さなければいけないとアレスとソシアは焦りの色を滲ませたのだ。
「なんだろうあそこ。もの凄い人が集まってるけど……」
「あの建物は……あれだ!あそこが光芒神聖教会の本部だ!」
エトナの症状が収まったのを見て、アレスたちは再び光芒神聖教会の本部を目指した。
光芒神聖教会の本部の建物は巨大で街の中心部の目立つところにあるためすぐに辿り着くことが出来たのだが、そこでアレスたちは大勢の人が教会の入り口に集まっている光景を目撃したのだ。
「なんでこんなに人が集まってるの!?」
「中に入れないのか?とにかく俺が様子を見て来る!」
教会の入り口に集まり騒いでいる群衆を少し離れたところから発見したアレスは、ソシアとエトナをその場に待機させ状況を探るべくその人の波の中へ突っ込んでいったのだ。
「うちの村でも大勢呪いにかかっちまったんだ!早く助けてくれ!」
「まだ6歳の娘が呪いのせいで目を覚まさないの!こっちを優先してちょうだい!」
「横入りするな!!こっちの村は作物が全滅しそうなんだ!!もしそうなったら何人飢え死するかわかったもんじゃねえ!!」
(おいおいどうなってんだ?いくら何でも呪いの被害が多すぎだろ……)
教会本部入り口に集まった人たちの大半は呪いの被害に遭い聖職者に助けを求めるものだった。
しかしその数はあまりにも異常で聖職者が多く出払っている状況とはいえここまで呪いの被害者が溢れかえるのは明らかに普通ではなかった。
「お願い答えて!ヴィルハートさんはどうなったの!?」
「そうだ!あの人は帰って来てるんだろ!?だったら会わせてくれ!!」
しかしその中にはアレスたちが探し求めていた若き聖職者、ヴィルハートの安否を心配する人の声も混ざっていたのだ。
そんな中アレスは多少強引に人の間を通り抜け敷地の入り口の鉄柵の前に立って群衆の対応にあたっていた1人の教会職員の前までたどり着いたのだ。
「現在動ける聖職者の数が限られているのです。人員が確保でき次第対応いたしますので解呪依頼書を提出してお待ちください。それと聖職者個人の質問にはお答えできません」
「すみませんどいてください!この……ほんとに、ぷはぁ!あの、ヴィルハートさんいませんか!?」
「こら貴様!話を聞いていなかったのか。聖職者個人の質問には答えられんのだ」
「ふざけるなー!あの人が何日も俺たちに顔を出さないなんて普通じゃないだろー!」
「そうよそうよ!お願いだからヴィルハートさんに会わせて!」
「ええいしつこい……」
「おいなにをやっている。そこに集まられると通行の邪魔だから早くおかえりいただけと言ってるだろう」
「も、申し訳ありません!」
その時、職員の背後の鉄柵越しに現れた上司にみえる男性が早く人だかりを解消しろと文句を言いに来たのだ。
「貴様らもいい加減にしろ。我々も忙しいのだ」
「お願いです!ヴィルハートさんがどこにいるのかだけでも教えていただけないでしょうか!?」
「まったく。彼なら現在解呪の反動で意識を失い本部内の医務室で療養中だ」
「なんだって……」
「そんな、ヴィルハートさんが……」
「……」
その男はヴィルハートの安否を知りたいと食い下がる民衆を退かせるためにヴィルハートの現状について明かしたのだ。
それを聞いてショックを受ける民衆たち。
しかしアレスはその発言を聞きながらじっと男の瞳の奥を見つめていたのだ。
「なあおっさん……」
「おっさんだと!?失礼だぞ小僧!」
「ヴィルハートさんは本当に解呪の反動で倒れて療養中なのか?」
「そうだと言ってるだろう!!まったく、分かったら早くここからどきたまえ!通行人の邪魔になるだろうが!」
「……」
ねっとりと絡みつくようにその男の瞳の奥を眺めていたアレスは、その男の発言に強い違和感を覚えたのだ。
これ以上ここに居ても無駄だと悟ったのか集まっていた民主たちは徐々にこの場から離れていく。
そしてあの男がゆっくりと建物内に戻っていく後姿を見届けたアレスはソシアとエトナの元にゆっくりと戻っていったのだ。
「どうだったアレス君!?」
「ヴィルハートさんは解呪のし過ぎで意識不明で療養中らしい」
「えっ!?そんな……」
「だがそれはたぶん嘘だ。奴……いや、奴ら何か企んでやがる」
「そ、そうなの?でもどうすれば……」
「ここからはもう正攻法じゃ情報は出てこないだろう。だから今夜、あの建物に侵入してみるよ。それでヴィルハートさんの行方を突き止める」
「それは、あまりにも危険じゃないですか?もし見つかればあなたは……」
「わかってる。でもこれで何もせずにお前を見殺しにするなんざ俺には到底出来ねえ。ソシアとエトナはどこか宿にでも泊まって部屋で待機だ。これは俺1人の方が動きやすい」
「……うん、わかった。でもアレス君、絶対に無茶だけはしないでね?」
「わかってるさ」
アレスは先程の男の発言から光芒神聖教会がヴィルハートに関する何かしらの情報を隠しているのだと確信を持ったのだ。
しかし今から地道に情報を集めて行ってはエトナの命が危ない。
そう考えたアレスは今夜教会内部に侵入してヴィルハートに関する情報を手に入れることを決意したのだった。
ここには魔物や呪いに対するスペシャリストである聖職者が集まる光芒神聖教会がある。
その組織の中にエトナを奴隷にしていた人物がいるということで完全に頼り切ることはできないが、光芒神聖教会以外にエトナの奴隷の刻印をなんとかできる当てもないためアレスたちは光芒神聖教会を目指すことにしていた。
「あっちが街の中心だ、光芒神聖教会の本部はそこにある」
「……っ」
「ちょっと待ってアレス君!エトナさんが!」
「っ!すまんエトナ、大丈夫か?」
「ごめんなさい……少し、体が痛んできて……」
「無理はしなくていいからね!少し休んでポーションを飲もう?」
光芒神聖教会の本部を目指して街の中を進んでいたアレスたちだったが、その途中でエトナが刻印の痛みを訴えその足を止めてしまったのだ。
それに気づいた2人はすぐに近くにあったベンチへ向かい、持ってきていた痛み止めポーションをエトナに飲ませることにしたのだった。
「んぐっ……んぐっ……ぷはぁ」
「どうエトナさん、気分は」
「はい。もう大丈夫です」
「よかった……」
「だが思ったよりポーションの消費が激しいな。ソシア、あと何本残ってる?」
「……あと3本。たぶん明日のお昼くらいにはなくなっちゃうかも」
「くそ……急がないとまずいな」
今ポーションを1本飲んだことで、残りのポーションはあと3本となってしまった。
大体の目安として1日に朝昼夕夜の計4本飲まないと奴隷の刻印の激痛を凌げないため、今日の夕方と夜に明日の朝と飲んでしまえば明日の昼には再びあの激痛がエトナと襲うことになる。
それまでに何とか刻印を消さなければいけないとアレスとソシアは焦りの色を滲ませたのだ。
「なんだろうあそこ。もの凄い人が集まってるけど……」
「あの建物は……あれだ!あそこが光芒神聖教会の本部だ!」
エトナの症状が収まったのを見て、アレスたちは再び光芒神聖教会の本部を目指した。
光芒神聖教会の本部の建物は巨大で街の中心部の目立つところにあるためすぐに辿り着くことが出来たのだが、そこでアレスたちは大勢の人が教会の入り口に集まっている光景を目撃したのだ。
「なんでこんなに人が集まってるの!?」
「中に入れないのか?とにかく俺が様子を見て来る!」
教会の入り口に集まり騒いでいる群衆を少し離れたところから発見したアレスは、ソシアとエトナをその場に待機させ状況を探るべくその人の波の中へ突っ込んでいったのだ。
「うちの村でも大勢呪いにかかっちまったんだ!早く助けてくれ!」
「まだ6歳の娘が呪いのせいで目を覚まさないの!こっちを優先してちょうだい!」
「横入りするな!!こっちの村は作物が全滅しそうなんだ!!もしそうなったら何人飢え死するかわかったもんじゃねえ!!」
(おいおいどうなってんだ?いくら何でも呪いの被害が多すぎだろ……)
教会本部入り口に集まった人たちの大半は呪いの被害に遭い聖職者に助けを求めるものだった。
しかしその数はあまりにも異常で聖職者が多く出払っている状況とはいえここまで呪いの被害者が溢れかえるのは明らかに普通ではなかった。
「お願い答えて!ヴィルハートさんはどうなったの!?」
「そうだ!あの人は帰って来てるんだろ!?だったら会わせてくれ!!」
しかしその中にはアレスたちが探し求めていた若き聖職者、ヴィルハートの安否を心配する人の声も混ざっていたのだ。
そんな中アレスは多少強引に人の間を通り抜け敷地の入り口の鉄柵の前に立って群衆の対応にあたっていた1人の教会職員の前までたどり着いたのだ。
「現在動ける聖職者の数が限られているのです。人員が確保でき次第対応いたしますので解呪依頼書を提出してお待ちください。それと聖職者個人の質問にはお答えできません」
「すみませんどいてください!この……ほんとに、ぷはぁ!あの、ヴィルハートさんいませんか!?」
「こら貴様!話を聞いていなかったのか。聖職者個人の質問には答えられんのだ」
「ふざけるなー!あの人が何日も俺たちに顔を出さないなんて普通じゃないだろー!」
「そうよそうよ!お願いだからヴィルハートさんに会わせて!」
「ええいしつこい……」
「おいなにをやっている。そこに集まられると通行の邪魔だから早くおかえりいただけと言ってるだろう」
「も、申し訳ありません!」
その時、職員の背後の鉄柵越しに現れた上司にみえる男性が早く人だかりを解消しろと文句を言いに来たのだ。
「貴様らもいい加減にしろ。我々も忙しいのだ」
「お願いです!ヴィルハートさんがどこにいるのかだけでも教えていただけないでしょうか!?」
「まったく。彼なら現在解呪の反動で意識を失い本部内の医務室で療養中だ」
「なんだって……」
「そんな、ヴィルハートさんが……」
「……」
その男はヴィルハートの安否を知りたいと食い下がる民衆を退かせるためにヴィルハートの現状について明かしたのだ。
それを聞いてショックを受ける民衆たち。
しかしアレスはその発言を聞きながらじっと男の瞳の奥を見つめていたのだ。
「なあおっさん……」
「おっさんだと!?失礼だぞ小僧!」
「ヴィルハートさんは本当に解呪の反動で倒れて療養中なのか?」
「そうだと言ってるだろう!!まったく、分かったら早くここからどきたまえ!通行人の邪魔になるだろうが!」
「……」
ねっとりと絡みつくようにその男の瞳の奥を眺めていたアレスは、その男の発言に強い違和感を覚えたのだ。
これ以上ここに居ても無駄だと悟ったのか集まっていた民主たちは徐々にこの場から離れていく。
そしてあの男がゆっくりと建物内に戻っていく後姿を見届けたアレスはソシアとエトナの元にゆっくりと戻っていったのだ。
「どうだったアレス君!?」
「ヴィルハートさんは解呪のし過ぎで意識不明で療養中らしい」
「えっ!?そんな……」
「だがそれはたぶん嘘だ。奴……いや、奴ら何か企んでやがる」
「そ、そうなの?でもどうすれば……」
「ここからはもう正攻法じゃ情報は出てこないだろう。だから今夜、あの建物に侵入してみるよ。それでヴィルハートさんの行方を突き止める」
「それは、あまりにも危険じゃないですか?もし見つかればあなたは……」
「わかってる。でもこれで何もせずにお前を見殺しにするなんざ俺には到底出来ねえ。ソシアとエトナはどこか宿にでも泊まって部屋で待機だ。これは俺1人の方が動きやすい」
「……うん、わかった。でもアレス君、絶対に無茶だけはしないでね?」
「わかってるさ」
アレスは先程の男の発言から光芒神聖教会がヴィルハートに関する何かしらの情報を隠しているのだと確信を持ったのだ。
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