S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず

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2章

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「がはっ……」
(やられた……これは深い……)
「アレス君!!」

馬車に乗って移動をしていた所を盗賊団ゲビアに襲撃されてしまったアレスたち。
馬車を降りて現れた盗賊団たちを迎え撃とうとしたアレスだったのだが、直後現れた謎の男によりアレスは深く背中を切り裂かれてしまったのだ。

「……んの野郎がッ!!」
「おっと!その傷で即座に反撃できるなんて。やっぱり凄いね君」

背中を切り裂かれたアレスだったが、更なる追撃を避けるべく背後に張り付いた男めがけ鋭く剣を振るう。
その一撃はふわりと宙を舞うように男に回避されてしまったが、何とか間合いを確保することには成功する。

「アレスさん!!」
「嫌ぁああ!!アレス君、私の……私のせいで!!」
「気にすんな……初めから奴の狙いは俺だった……」
「アレス!!……ッ!!」
「隙ありだねぇ!!」
「ぐッ!?」

深々と刃が喰い込んだアレスの背からはドクドクと大量の血が流れ落ちる。
その光景にソシアたちは動揺を隠しきれなかったが、盗賊団ゲビアから視線を切ってしまったティナに不意打ちの一撃が襲いかかった。

「ぐっ……しまった……」

ティナを襲ったのはダミアンの陰から飛び出た女の一撃。
女はティナの意識がアレスに向けられたのを見逃さず、離れた位置から鎖鎌でティナの脇腹を深く抉ったのだ。

「ティナさん!!」
「大丈夫だ……私はかすり傷だ」
「舐めんなよ……俺も軽傷だ……ぐふっ……」
「やせ我慢はよしなよ。即死は避けたようだけど手応えは確かにあったよ」
「よくやったぞエスケラ。だがあの黒衣の剣士、何者だ?」
「さあ?だけど相当な使い手なのは確かですね」
(この剣士……奴らとは別勢力か。くそ、完全にやられた……)

アレスたちに深手を与えた彼らだったが、盗賊団ゲビアとアレスの背を斬った剣士に繋がりはないようで、安易に踏み込むことが出来ず膠着状態に陥る。

「アレス君!今すぐに回復を……」
「いや、ソシア。今すぐ離脱だ」
「え?でもその傷は早く治さないと……」
「いいから言うこと聞け!!」
「ッ!!……わかった!」

ダミアンらと黒衣の剣士に挟まれる形となっていたこの状況に、アレスはこのまま戦わずに離脱を選択したのだった。
重傷を負わされたアレスにソシアは震える声で回復魔法を施そうと歩み寄ったが、アレスの強い指示に涙を堪え離脱の判断に従う。

「皆走って!!」
「ぬぅ!?煙幕か!?」

直後、ソシアはポーチから煙球を取り出すとそれを勢いよく地面へと投げつける。
煙球が爆ぜると当たりは一瞬で白煙に包まれる。

「俺から逃げられると……」
「分かりやすいなお前」
「ぐおぉ!?」

それを見たダミアンはアレスたちを逃がすまいと、白煙で視界が一切ないまま前方に向け突進した。
だがそれを読み切っていたアレスは素直に逃げるのではなく向かってくるダミアンを迎え撃つべく剣を振り上げていたのだ。
ダミアンが攻撃の気配を感じ取ったその直後、アレスの鋭い銀閃が走る。
全力で後方へ飛んだダミアンだったがその攻撃を躱しきれず胸を薄く切り裂かれたのだった。

「ステラちゃん!私に掴まって!」
「うん!」
「2人とも!私とアレスから離れないように!!」
「わかりました!!」

前傾姿勢になっていたダミアンは出鼻をくじかれたことで大きく体勢を崩してしまう。
その隙にアレスは地面を強く蹴りその場を離脱し、ダミアンらから逃げるべく全速力で走り出した。

「待ちなアンタら!!」
「焦る必要はない。重傷者2人に竜人族のガキを抱えたあいつらはすぐには逃げられん。それよりもあの剣士は……」
「もう居ないようですね。一時離脱したようです」
「油断するなよ。奴も竜人族のガキを狙ってるなら俺たちの敵でもある。警戒しながらガキどもを追うぞ」
「でも煙でどこへ行ったのか……」
「地面を見ればわかるさ」
「地面を?……なるほど!」

煙幕により一時的にアレスたちの姿を見失ってしまったダミアンたち。
だがダミアンは地面にアレスたちへと繋がる道しるべがあることに気が付いていたのだ。

「血が垂れて……どこに行ったかはっきりわかるね!」
「ああ。奴らはアレス、そしてティナと呼ばれた剣士2人以外は大した戦闘能力はねえだろう。その2人が血の道しるべで行く先が分かるなら、竜人族のガキもそこにいるってことだ」
「なるほど!流石ダミアン様!」
「回復されると厄介だ。すぐに追いかけて一瞬で決着をつけるぞ!」

地面に垂れた血の道しるべを辿り、ダミアンたちはすぐさまアレスたちの後を追いかけたのだ。
ダミアンたちの推察は大方間違ってはない。
重傷を負わされたアレスとティナは出血が酷くどこへ行ったのかすぐに突き止められる。
だが誤算があるとすれば……

「なんだと?」
「よう。待ってたぜ。盗賊団ゲビアの皆様」
「ここなら開けていて幾分か戦いやすいな」

アレスとティナはそれを承知で盗賊団ゲビアを待ち構えており、その傍にステラの姿は見当たらないということであった。

「貴様ら……他の仲間はどこへ行った?」
「はっ!そんなこと正直に話すわけがないだろう?」
「馬鹿だねアンタら!これでアタシ達を嵌めたつもりみたいだけど、その傷でアタシらに勝てるわけないだろう!?」
「エスケラ姉さんの言う通りだぜ!!手負いの貴様らならダミアン様の手を煩わせるまでもねぇ!!」
「やっちまえぇ!!!」

ソシアたちと行動を共にしていては戦いにくいと判断したアレスとティナは、ソシアたちと別れて盗賊団ゲビアの連中と戦うことを選択したのだ。
だが確かに作戦は上手く言ったアレスたちだが、先程負った傷が深手なことは間違いない事実。
負傷したアレスたちにゲビアの下っ端たちは調子づいて手柄をあげるべくアレスたちになだれ込む。

「ふぅー……炎灼・斬!!」
「爆凍・アイスフレア!!」
「ギャアアアアア!!」

しかし有象無象がいくら来たところで無意味だと言わんばかりに、アレスとティナは迫りくる下っ端たちを一瞬で蹴散らしてしまったのだ。

「言っただろう?てめえら相手なら、この程度軽症だって」
「使えん雑魚共だ……と、言いたいところだが。その出血はずいぶん辛そうだな?」
「血を流しすぎればお前らすぐに動けなくなるよ!」
「それなら試してみればいい。貴様らが全滅するのが先か、私たちが失血で力尽きるのが先か」

ソシアとジョージにほとんど戦闘能力がないことを見抜いていたダミアンは後は深手を負ったアレスとティナを楽に始末するだけだと考えていたが、目の奥の光が一切衰えない2人を見てまだ勝利を確信するには早いと気を引き締め直した。
だがアレスたちに余裕が一切ないことは事実。
アレスとティナは自分たちの限界がそう遠くないことをダミアンたちに覚られぬよう注意を払いながら、できる限り勝負を急ぐべく構えるのだった。



「はぁ……はぁ……。ソシアさん、追手は来てますか!?」

一方そのころアレスたちと別れ、盗賊団ゲビアからできるだけ距離を取ろうとジョージとソシアはステラを連れて森の中を走っていた。

「多分来てないと思うけど……うぅ……」
「ソシアさん?」
「アレス君が私のせいで……それにティナさんまで……う、ぐぅ……」

地面に残った血の痕跡を追ってゲビアのメンバーはアレスたちの元に釘付けにされていたためソシアたちに追手が迫ることはなかった。
だが敵が遠ざかり少し気が緩んでしまったせいか、ソシアは自分のせいでアレスとティナが深手を負ってしまったと深く自分を責めていたのだ。

「アレス君は危ないから来るなって言ったのに……それでもわがまま言ってついてきたせいで……」
(僕らの認識が甘かった……自分の命が危険にさらされる覚悟は出来ていたつもりだった。でも……自分たちのせいでアレスさんたちを危険にさらすんだって言う認識が足りてなかった……)
「……でも今は後悔してる場合じゃないはずです!あとでアレスさんとティナさんにはきちんと謝りましょう。それよりも今はステラさんを奴らから遠ざけることに注力しましょう!」
「うん……」
「きっと奴らはアレスさんたちが引きつけていてくれるはずですから、僕らはどこかに身を隠して……あれは!?」
「どうしたのジョージ君!?」
「ソシアさん!ステラさんを連れて茂みの中に隠れてください!」
「え……ジョージ君は……」
「いいから早く!!」
「わ、わかった!」

奴らの狙いはあくまでステラ。
ジョージ達はステラを安全な場所に逃がそうと懸命に走り続けていたのだが、突然ジョージは立ちどまりソシアとステラに近くの茂みに隠れるよう指示を出したのだ。
ソシアはジョージも一緒に隠れようとしないことに疑問を覚えたが、ジョージの表情から時間的猶予がなさそうだと判断しステラを抱えて茂みに飛び込んだ。

(ジョージ君はなんで隠れないの?)
「君!こんなところで何をしているんだ!?」
(っ!?あれは……)

ソシアが茂みに隠れたそのすぐ後、ジョージの目の前に3人組の女性が姿を現したのだ。
先程茂みの隙間からその女性たちと目が合ってしまったジョージはソシアたちが彼女たちの視界に入っていなかったことに賭けたのだ。

「いえ、実は……盗賊団ゲビアに襲われて逃げていた所だったんです」
「その制服……ハズヴァルド学園の生徒ね?」
「私たちは冒険者ギルドに所属する”星の舞”です。この付近で竜人族の少女が目撃されたとの通報を受け、王国軍からの要請で捜索しています」
(嘘っ……国にステラちゃんのことがバレてる!?)
「君……こんな森の中で何をしていたの?誰か一緒に居たりしない?」

ジョージの前に現れたのは冒険者ギルドに所属する”星の舞”のメンバー。
なんと彼女たちは王国軍からの要請で竜人族の少女を確保するためにこの付近を捜索していたのだった。
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