S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず

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2章

大空に羽ばたく

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アレスとティナがジョージと合流する5分ほど前のこと。
上空、カンパニー・ネスタークの拠点である飛行船内ではソシアがとある薬の調合を終えていた。

「ごめんねステラちゃん!ようやく完成したから!」
「ぐすっ……ぐすっ……」

ソシアは研究室に備えられていた器具や薬品を、自身の持ち前の調合技術を用いとある薬を作り出していた。
その薬をソシアお得意の調合玉に仕上げ、ポーチにしまい脱出に移ろうとする。
だがその時ステラは研究台に乗せられていた母親の亡骸の前で涙を流し続けていた。

「ステラちゃん……ちょっと失礼します!!」
「えっ?ソシアねえね?」

そんなステラを見たソシアは近くの机に積み上げられていた清潔な白い布を持ち出すと、おもむろにステラの母親の亡骸をくるみ始めたのだ。

「ステラちゃん、お母さんも一緒に連れていこう。こんなところにお母さんだけ置いていけないもんね」
「……っ!」
「私が責任を持って連れていくから……うっ、思ったより重い……早く行こう!」

竜人族の異質な筋繊維により想定以上の重さに驚いたソシアだが、それでも布に包んだステラの母親の亡骸を背負うと長い布を用い自身の体に固定した。
ソシアはそのまままっすぐな眼差しでステラを見つめる。
そんなソシアの瞳に泣きじゃくっていたステラは涙を堪えソシアの手を取る。

「おらぁ!!早く出てきやがれ!!」
「おい、まだ開かねえのか!?」
「すみやせん。扉が頑丈過ぎて……」
「あっちからは出られないよね。ステラちゃん、壁を爆破してそこから出るよ!」

この研究室の扉はネスタークの人員が集まってきており無事に出ることは困難であった。
そのためソシアはポーチの中にあった火薬玉を用い別の場所からの脱出を図ったのだった。
研究室内にある危険な薬品に誘爆しないよう慎重に爆破する場所を探すソシア。

「ソシアねえね……っ!」

そんなソシアの後をついて回っていたステラであったが、その時彼女は近くにあった棚に置かれていたある薬に目を止めたのだ。
この研究室には多種多様な薬やその材料などが揃えられていた。
だがステラの傍にあったのは他とは明らかに様子が異なる、ある1種類の薬だけが集められた奇妙な棚だった。

「どうしたのステラちゃん?うわ……この棚、これ全部老化薬じゃない?」
「老化?」
「うん。これを飲むとすぐに年を取っちゃう薬なんだけど、使いどころはないし薬というよりは毒だって言われてるの。……そんな使い道のない老化薬がなんでこんなにあるんだろ?」
「……」

若返るという事象に比べて老化というものは非常に使い勝手が悪い。
簡単に言ってしまえば死に近づく薬でありそんな薬を研究、多数取り揃える理由がソシアにはわからなかった。
だがその説明を聞いたステラは何か考え込むように黙ってしまう。

「それより早くここから出ないと!あっちの試験器具置き場なら爆破して危なそうなものは少なそうだし、あそこからでるよ!」
「う、うん……」
ドンッ!!
「ッ!?と、扉が!?」
ドンドンッ……バキッ!!

爆破する場所の目星をつけたソシアが早速脱出に移ろうとしたその時、先程まで扉の外で騒いでいたネスタークの面々の声が聞こえなくなったかと思うと、突如もの凄い力で扉が叩かれたのだ。
それは分厚い鉄の扉ですら数発も耐えることは出来ず、へし曲がった鉄の扉は音を立てて倒れてしまう。

「やってくれたな、小娘。だがもう終わりだ」
(あいつは!!アレス君を吹き飛ばした!!)
「あ、ああ……ああ!!」

ソシアたちの前に姿を現したのは先程まで地上に居たはずのネスタークのボス、ベルジューク。
大きな入り口にその巨体を捻じ込むようにして部屋の中に入ってきたベルジュークはステラを連れたソシアを鋭く睨んだ。

「そこに置いてあった親竜人族の死体まで盗むつもりか」
「そ、ソシアねえね!あ、あいつが……あいつが私のお母さんを……」
「きゃああ!!来ないでぇ!!」
「……え?」

自身の母親の仇が現れたことに酷く動揺してソシアにつけを求めるステラ。
しかしその時ソシアはそんなステラ以上に取り乱し、情けなく悲鳴をあげていたのだ。
頼りになると考えていたソシアの突然の豹変っぷりにステラは言葉を失い立ち尽くしてしまう。

「やだ……あっち行って!!」
「ふんっ。見苦しいにもほどがある」

ソシアは悲鳴をあげながら周囲にあった小物を手当たり次第にベルジュークに投げつけた。
だがそんなものは文字通り無駄な抵抗。
強靭な肉体を持つベルジュークは避けることすらせず、ゆっくりとソシアに歩み寄る。

「大人しく地上で震えていればよかったものを。ここに来てしまったからにはもはや死ぬしかないな」
「嫌ぁああああ!!……なんてね」
「ッ!?ぬっ!!」

手当たり次第に周囲の物を投げることしかできない情けないソシアに、ベルジュークは呆れ果てごみを見るような目でソシアを見下す。
しかしそうしてベルジュークがなんの警戒心もなくソシアに近づいたその時、ソシアはベルジュークから見えないようにポーチから取り出した薬球をベルジュークの顔面に投げつけた。

「なんだこれは?目くらましのつもりか!?……うッ!?」
「ベルジューク様!?」
「ステラちゃんこっち!!」
「え?ソシアねえね……?」

ソシアが投げた薬球はベルジュークの顔面にあたると、その中に詰まっていた薬品が煙のように彼の顔の前で漂った。
少し驚くも構わずソシアを捕らえようとするベルジュークだったが、その煙を吸った途端に彼の体に大きな異変が起こったのだ。

「う、ぐぉおお……がぁああああ!!」
「ボス!!」
「いったい何事です!?」
「ごめんねステラちゃん。急に情けない悲鳴をあげたから驚いちゃったよね。でも大丈夫、必ずあなたを守ってあげるから」

ソシアが先程作っていた薬。
それは研究室に資料として残されていた筋力増強ポーションと超速再生ポーションのレシピを見て作成したその2つの薬の効果を打ち消す薬だったのだ。

(周りの人たちなら何とか逃げ切れるかもだけど、アレス君でも苦戦する相手じゃ私は逃げきれない。だからもしあの人と鉢合わせた時用にあの薬球を作ったけどまさかこんなに早く使うことになるなんて)
「今のうち!壁を壊すからステラちゃんちょっと隠れてて!」
「う、うん!」

筋力増強ポーションと超速再生ポーションの効果を強制的に解除させられたベルジュークはその2つのポーションの副作用か、頭を抱え痛々しい悲鳴をあげる。
そんなボスの姿に動揺する部下の隙を付いてソシアはステラを連れてこの部屋から脱出しようとした。
……しかし。

「ッ!!ソシアねえね、来る!!」
「えっ?来るって、一体何が……」
「うがぁああああああああああああ!!!」
「ッ!?」

ソシアのドーピング解除薬の影響で苦しんでいたベルジュークであったが、その時突如尋常じゃないほどの叫びと共にその肉体が膨張を始めたのだ。
体から不気味なオーラを垂れ流し、ベルジュークの体はどんどん人間から遠ざかっていく。

「ぼ、ボス!?一体何が……」
「ああああああああああああ!!!」
ドゴォオオオン!!!
「きゃあ!?」
「うわぁあああ!!」
バキバキッ!!バキッ……バガァアアアン!!!

異様な姿に変貌しつつあったベルジュークは、その苦痛が極限に達し肥大化した腕を思い切り振り降ろした。
それは一撃で研究室の床を叩き割り、それどころか巨大飛行船の船底を粉々に砕いてしまったのだ。

「ベルジューク様ぁああ!!」
「お、落ちるぞぉおおお!!」

ベルジュークの一撃によってばっくりと2つに割れてしまった巨大飛行船は、彼のスキルの効果が消えたこともあって浮力を失い真っ逆さまに落下を始める。
さらに彼が開けた巨大なひび割れから研究室内に居た人間は例外なく空中へ投げ出された。

「うそでしょ!?高……落ちてる!?ステラちゃん!!!」
「……っ!」

ベルジュークの傍に居たソシアたちはその一撃の直撃は免れたものの、船外に放り出されてしまった。
ソシアに空を飛ぶ術はない。
上昇を始めていた巨大飛行船はかなりの高度まで達しており、そこから放り出されたソシアたちに生存の方法は残されていなかった。

(そうだ、川に落ちれば何とか……いやだめ!この高さじゃどのみち即死!なんとか……なんとか助かる方法は……)
「……くッ!!ステラちゃん!!」
(だめだ……ステラちゃんはまだ空を飛べないんだ……このままじゃ、本当に……)

重力に引かれ加速を続けるソシアはその中で必死に生存への可能性を探る。
だがソシアに助かる術はなく、竜人族であるステラもまだ空を飛べる年齢に達していないため地面との衝突は免れなかった。

『お母さん!私もお母さんみたいにお空を飛びたい!』
『うふふ。まだステラには早いわ。あなたが大人になったら一緒に飛びましょう?』
「私が、大人になったら……」

生存への道が閉ざされたソシアは絶望から思考が止まり、彼女の顔から血の気が引いていく。
しかしそんな中、ステラはかつての母との会話を思い出し先程手にしていた1本の薬品に口を付けたのだ。

「うッ!!あああ!!」
「えっ?ステラちゃん……?」

迷うことなくその薬を飲んだステラは苦しみだし、その体を目に見えて大きくさせていった。
メキメキと骨が軋む音と体の膨張によって彼女が着ていた服がびりびりと破れる音が聞こえる。

「ソシアねえね!掴まって!」
「ステラちゃん!!」

そうして想像を絶するような苦痛を耐え抜いたステラは今までとは比にならない大きさの翼を広げ、ソシアに手を伸ばす。
なんとステラは100歳ほど成長し、成熟した竜人族の翼を広げ大空に羽ばたいたのだ。
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