ブラックドラゴン

青香

文字の大きさ
3 / 28
第一章 別れと出会い

第二話 異変

しおりを挟む
 翌日の朝、ミリアはベッドから起き上がり身支度を始める。
 太陽の刺繍が入ったいつものローブを身に纏い、寝る時も外さずに付けていたネックレスをローブの上に出す。
 白を基調とした服が、ネックレスの結晶石が持つ黄色を際立たせる。
 金色の長い髪を軽くとかして、広がらぬように結って束にすると、ストールを肩に掛けて自室を出た。

 今日は神殿へ行く日。

 祈り場の部屋に入ると、壇上手前で歩みを止めて聖杯に向かい一礼する。
 一段高い壇上に上がり、聖杯が置かれた台座に近づいていく。
 聖杯の器からは暖かみのある黄色の光が漏れ、強く輝いている。
 魔法の力が集約し、何の変哲も無い小川の水が、聖水へと変化している証だった。
 聖杯は片手で持てる大きさだが、台座から大事そうに両手で抱えた。
 その行動に、彼女の慎重さが伺える。
 実際、溢してしまっては取り返しがつかないから当然だろう。

 部屋を出て、教会の出入り口に向かう。
 すると、両開きの扉を開けてドルフが待っていた。
 彼は聖水を持っていく際、必ず護衛として神殿の入り口まで付き添うのが習わしだった。
 そんな彼に挨拶をする。
 「おはようございます、ドルフさん」
 にこやかな笑顔でしたが、彼は相変わらずの無表情。
 だが、応えるように小さく頷いた。

 教会の外に出ると、暖かな日差しがミリアを照らした。
 ーー今日も温かいなぁ。
 心地良い暖かさを受け、ミリアが外の新鮮な空気を大きく吸い込み、体に取り入れていると、ドルフは教会の扉を優しく閉めた。
 「ありがとうございます、いい天気ですね」
 扉を閉めてくれたお礼を言いながら彼の顔を見ると、少しだけ口元を緩ませながら小さく頷いていた。

 神殿への入り口は、教会の出入り口とは反対方向にある。
 つまり、教会の裏手を進んだその先に位置しているのだ。
 「では、行きましょうか」
 ミリアが声を掛けると、ドルフはエスコートする様に先に歩いた。
 二人は教会を壁沿いに、ゆっくりと歩いて行く。

 教会の裏手に、神殿に通ずる道が見え始める。
 道といっても綺麗に舗装された物では無く、長年歩いた事で踏み固まった土の道だ。
 だが、獣道とは違い、大人二人は並んで歩ける広さがある。
 その道を、二人は並んで進んで行った。

 神殿への入り口とは、昨日ミリアが見ていた岩壁に開いた洞窟の事だ。
 岩壁は、教会より十分程歩いた場所にある。
 ゆっくりと歩く中、心地よい風が木々の枝を抜けていき、サワサワと音を立てながら、気持ち良さそうに揺れている。
 木々の枝にいたリスや小鳥達、草むらにいるウサギが、ミリアの姿に気付く。
 ミリアも気付いて微笑みを見せると、遊んで欲しそうに、こちらを見つめていた。
 しかし、ドルフが近くにいたからだろう。
 多少は歩み寄って来たが、それ以上は警戒して、近づいて来る事はなかった。

 岩壁に近づいていく。
 三十メートルは隆起した岩壁は、この辺りの地層が隆起して出来たと伝えられている。
 岩肌はゴツゴツしており、他を寄せ付けぬ荒々しさを感じさせた。
 岩壁のふもとには大きな洞窟の穴があり、奥の方は光が届かず、暗闇が続いている。
 この洞窟の奥に、目指す神殿があった。

 二人は洞窟の入り口で立ち止まり、暗い洞窟内を見つめた。
 ミリアからは、先程まで見せていた笑顔が立ち消え、緊張で強張った顔をしている。
 「では、行ってきますね」
 彼女がそう告げると、ドルフは頷きながら、手にした袋から小さな木槌を取り出して差し出した。
 木槌を受け取ると、ミリアは一人で、洞窟に足を踏み入れていった。
 なぜなら、ドルフは洞窟には入る事が出来ない。
 洞窟の入り口には、堅固な結界が張られており、神の加護を持つ者しか入ることが出来なかった。
 ゆえに、ミリアが神殿に聖水を捧げに行った際は、洞窟の入り口で周囲の警戒をしながら、彼女の務めが終わるのを待つのが常だった。

 ミリアは、洞窟をゆっくりと同じ歩調で進んだ。
 聖水が溢れない様に、慎重に歩いていた。
 この洞窟は、人間が削り出して作ったことが容易にわかる。
 洞窟内部の壁は、綺麗なアーチ状に整えられているからだ。
 静かな洞窟に、彼女の足音だけが響いた。

 奥に進んで行くと、段々と太陽の光が届かなくなる。
 足元を照らす明かりを確保する為に、壁へ金具で固定されている鉱石を、持ってきた木槌で軽く叩いた。
 そうすると、鉱石を中心として黄色の光が放射状に広がっていく。
 この鉱石は、照明として広く重宝されている。
 軽い衝撃を与えると光を放出する物で、鉱石の種類によって、様々な色の光を出す事ができる代物だ。
 洞窟内に設置されている鉱石は、『神』の色とされる黄色で統一されている。
 彼女のローブに刺繍されたモチーフが黄色いのも、その影響だ。

 壁に設置されている鉱石を叩き、光を灯しながら少しずつ進んでいく。
 奥に行く程、次第に冷気が強くなり寒くなってくる。
 寒さから体温を守る為に、肩に掛けたストールを、隙間ができないようにきつく巻いた。

 しばらく進むと開けた空間に出る。
 それほど広くはなく、奥行き十五メートル程で天井も三メートル位と低い。
 手始めに、明かりを確保する為、四隅に設置してある鉱石を叩いて回る。
 明かりが灯されると、神殿内の様子が露わになる。
 中央に大きい泉があり、枠組みは石で作られている。
 煉瓦のような形のブロックで整えられており、泉の左右にある二体の石像が、向かい合わせで設置されている。
 細やかな部分まで手の込んだ石像は、四百年前にドラゴンの封印に尽力した人物を模している。
 クレスタ国の英雄として讃えられる、『理の賢者』バイスと、『知の賢者』リーニッヒだ。
 石像の瞳が見つめる泉は、水面が揺らぐ事なく静寂を保っている。
 鉱石の光を反射して、まるで鏡の様だ。

 ミリアは聖水を捧げる前に、泉の水面を覗き込んだ。
 鉱石の明かりに照らされ、水面より、三メートル位は下が見える。
 だが、その先は暗闇が広がり、延々と下に続いている。
 ーーどれくらい深いんだろう。
 そんな疑問を持つ程、泉の中は暗かった。

 水面に自身の姿が写り込む。
 引き込まれる様な闇が囲い、畏怖の感情で背筋が強張るのを感じた。
 水面を覗き込むのをやめ、聖杯を泉の正面にある台座に置くと、その場を少し下がった。
 両膝を地に付け、両手を胸の前で軽く握り合わせ、祈りの言葉を口にする。
 「主の恵みに感謝を。我らの祈りをお受け取り下さい」
 言い終わるとスッと立ち上がり、聖杯を両手で手に取った。
 大事そうに抱え、聖杯をゆっくりと泉へ傾けていく。
 黄色に輝く水が、聖杯を離れて少しずつ泉に流れていく。
 闇が支配する水中に、淡い黄色の光がユラユラと溶け込む様に広がっていく。
 ーー何回見ても神秘的ね。
 フワフワと舞うような、光の帯が織りなす不思議な光景が広がり、魅入られるように、ミリアは暫く眺めていた。

 その後、泉に向かって一礼すると、四隅の明かりを消す為に、木槌を持って鉱石を叩いて回る。
 神殿内は再び暗闇が覆ったが、泉の周りだけ淡く光っていた。
 ーーどれくらい光っているのかな。一週間後には消えてるから六日くらいかしら。
 そんな疑問と共に神殿の広間から出る。

 とりあえず聖水を無事に捧げる事ができて、ミリアの緊張した顔は緩んだ。
 ーー何事も無く、終わる事が出来て良かった。
 そう思いながら、来た道の明かりを消しながら戻っていく。
 緊張から解放された足取りは軽やかに進み、コツコツとリズムの良い足音が響いた。

 暫くすると、洞窟の入り口で、ミリアの帰りを待っているドルフの後ろ姿が見えてきた。
 彼は洞窟内から聞こえる足音に気付き、体の向きを変えて洞窟内部へ顔を向けた。
 その顔がフッと綻んだのを見て、ミリアは笑顔を向けた。
 「お待たせしました。無事に終えることができました」
 洞窟に入っていく際の強張った表情が解け、いつもの笑顔で報告する彼女に対して、ドルフはいつもの様に小さく頷いた。
 「では、帰りましょうか。お腹ぺこぺこです」
 目覚めてから何も食べていなかったミリアは、お腹を手で押さえながら無邪気に笑った。
 その言葉に彼は、口元を少し緩ませながら教会の方へ足を向け、エスコートする様に前を歩き始めた。

 来た時と同じ暖かな日差しが、神殿で冷えた体を温めて行く。
 ーー暖かいなぁ。風も気持ちいい。
 心地良い風がミリアの髪を撫でていくと、達成感が相まり、彼女の気分を弾ませた。
 ーー今日は時間に余裕があるから、難しい料理に挑戦してみようかな。
 ミリアは空腹感から、料理の事を考えながら歩いていた。
 今ある食材で、何が作れるか思考を巡らしていると、視界の端で周囲の違和感を感じる。

 辺りを見回すと、来る時に姿が見えたリスや小鳥、草むらにいたウサギ達の姿が見えない。
 遊んで欲しそうにしていたのに、気配を感じないほど周囲は静まり返っていた。
 ーーさっきまで居たのにな。ご飯の時間なのかな?
 不思議に思ったが、自然界に暮らす動物達だ。
 自分には分からない事もあるのだろう。
 ーーご飯を済ませたら、いつもの様に会いに行こう。
 彼女は気分を切り替えて、教会への帰路を進んで行った。

 森を抜け、教会に辿り着く。
 「付き添いありがとうございました」
 ミリアは笑顔で頭を下げ、ドルフにお礼を言った。
 いつもの様に小さく頷き、責務を果たした彼は、村へ帰ろうと足を向けたる。
 その後ろ姿を見てある事を思い立ち、ミリアは帰ろうとするドルフを呼び止めた。
 「あの、ドルフさん。明日野菜を持って来てくださる時に、お砂糖と玉子を、買って来て下さいませんか?」
 明日持ってきてもらう食材の追加を頼んだ。
 普段ならば迷惑になるだろうと思い、追加で頼む事は無い。
 だが、今日の付き添いも含めて、日頃の感謝を形にする為に、焼き菓子を作ろうとしたからだ。

 突如呼び止められた事で、眉を少し上げて驚いた表情を見せたドルフ。
 しかし、内容を把握すると、了承の意味を込めて大きく頷いた。
 ミリアが初めて見せた自己主張が嬉しく、彼の頬を緩ませた。
 「ありがとうございます」
 彼女は愛くるしい笑顔を見せお礼を言った。
 彼は右手を軽く挙げ、いつもの歩調で去っていく。
 その姿を、ミリアは手を振って見送った。

 教会に入ると、聖杯を手に祈りの部屋に向かった。
 いつもの様に壇上前で一礼してから、台座に聖杯を戻す。
 「さて、と」
 ひと段落した所で、空腹を満たすために台所へ向かった。

 台所に着いて調理を始めようと思ったが、食べ物を視界に入れた事で、彼女の空腹感が強まった。
 ーーお腹空いたなぁ。あ!そういえば、昨日の余りが。
 昨日食べきることが出来なかったパンの存在を思い出す。
 「確かここに。あった!」
 戸棚にしまっていたパンを取り出すと、一口大に毟った。
 「いただきます」
 口に運んだものの、焼いてから一日経過したパンは、乾燥して硬くなっていた。
 口の中の水分が、乾燥したパンに吸い取られる。
 ーーお水!
 慌てた様子で陶器製のコップを手に取り、飲み水が入った樽へと急ぐ。
 樽の中に入った水を、コップですくい取り一気に飲み干した。
 「パサパサだったな。それにしても、先に水を汲みに行かないとなぁ」
 再びパンを口に含みながら、樽の中を見て呟いた。
 樽の中の飲み水が心許ない量に減っていたのだ。
 スープを作るためにも水が必要で、このままでは足りない。

 飲み水として使っていた水は、教会から少し離れた井戸から汲んでいた。
 細身の体で、相応の筋力しか備わっていない彼女にとって、井戸の水を汲みに行くのは重労働だった。
 しかし、教会にはミリアしかいない。
 何事も一人でこなさなければならない生活を始めて、もう半年になる。
 彼女の精神は鍛えられ、今の億劫な気持ちを切り替えて、取手のついた木桶を手にした。
 「頑張ろう!」
 自分自身を応援する様に鼓舞し、外に出て井戸に向かった。

 しばらく歩いていた所で、辺りを包む異変に気付く。
 ーーあれ?音がしない。静かすぎる、よね?
 教会の外の様子が、いつもと明らかに違う。
 まるで、動くものを許さないかのような静寂が訪れている。
 思えば、神殿からの帰り道も静かだった。
 だが、あの時以上の静寂が、辺りを包み静まり返っている。

 違和感を感じ、辺りをキョロキョロと見回す。
 鳥達の囀りや、動物達の発する気配が一切ない。
 明らかに違うのは、草花や木々までも、その存在を隠す様に静まり返っていたことだ。

 ミリアの中で不安が増していき、顔を曇らせていく。
 「こんな事、今まで無かったよね?みんな。どうしたの、かな」
 あまりにも静かな世界に、不気味さを覚え、その場で立ち尽くした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!

月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、 花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。 姻族全員大騒ぎとなった

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。 朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。 「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」 「いや、理不尽!」 初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。 「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」 ※※※ 専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり) ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...