子宮が疼く愛が欲しい

環流 虹向

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Fake Love

打明

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仕事が忙しいココくんに合わせて無子は時間がある日だけ会えるか聞くけど、会えないと言われ続けて1ヶ月経った。

しかも、1週間近くメッセージアプリの既読もつかなくなっていた。

…彼氏って何?

こんな哲学的な疑問を持つはずがない関係性なはずなのに、ココくんはそういうことを平気でやってのけちゃう人。

それを気づけないこの時の無子は会えたらプレゼントしようと思い、好きと言っていたウイスキーを酒屋さんで買い、ココくんがよくいたBARに向かうとその前にはココくんのキッチンカーがあった。

「ココくん、いますか?」

無子はそのキッチンカーで仕事をしていた見知らぬ人に声をかけてココくんが今日ここにいるのか聞いてみる。

「ココならBARで呑んでる。」

「…そうですか。」

無子はそのままBAR行ってココくんに会いにいくか、それともこのキッチンカーの前で待っているか悩んでいると、お兄さんが行ってこいと日本人特有と言われる消極的な仕草をする無子にイラつきながら背中を押してお店に入れた。

すると、BARの中心にある席にココくんがあの友達と一緒にお酒を飲んでいるところを見つけた。

無子は恐る恐る近づき、ココくんに声をかけるとココくんはびっくりした表情をして会えてよかったと言ってくれた。

私が会いに来なかったらそれで終わりだったのかな。

無子はそう思ってしまう自分が嫌でココくんに連絡が取れなくなった理由を聞くと、携帯を無くして元のアカウントには入れなくなったと説明してくれた。

すると、ココくんは無子に携帯を出すように促し、携帯番号を教えた。

「これで大丈夫だね。」

「…うん。そうだね。」

無子はお守り代わりに持っていたウイスキーをココくんに渡し、帰ろうとするとココくんが店の外まで送ると言って外まで出てきてくれた。

「ウイスキーありがとう。今度一緒に飲もうね。」

「うん。じゃあまたね。」

無子はココくんに首と唇にキスしてもらい、ちょっとだけ寂しいのを取り除いてもらった後、終電近い電車に乗り込む。

その電車に揺られる無子が思ったのは、ココくんはそんなに自分に対して本気じゃないんだということ。

だから自分も本気になっちゃダメだ。

別れる前提でお付き合いしている軽い関係なんだ。

うん。
そう思って付き合っていこう。

無子はそう決めた時、ぎゅっと子宮が震えたけど温めるのは難しくてやっぱりココくんに温もりをもらうとしたけど、次に会えた時は2ヶ月後の専門生2年目の春を超えた後だった。

その日は研修先の顔合わせが終わった後で無子はちょっときつくなってきたスーツを着てココくんに会った。

けど、お外デートじゃなくてコンビニで好きなお酒とおつまみを買ってホテルデート。

それでもココくんは会ってくれるから無子は嬉しい気持ちと寂しさを、口にナッツを詰め込まれながら埋めてもらった。

するとココくんは元彼もとかのさんに無子が似てるんだと話し出した。

ちょっと太めで背が高くて声も落ち着いてる感じ。

無子は、

「…そうなんだね。」

と昔の女の話をするココくんがだんだんと嫌になってきたけど、今は私が彼女で一緒にいてくれるんだと自分に言い聞かせて自分のご機嫌を取る。

すると、ココくんは新しい自分の情報をため息混じりに漏らした。

「俺、バツイチなんだ。その元彼もとかのと結婚して別れた。」

「え…?そう…、なんだ…。」

無子は思ってたのと違う過去をぽろっと出されて驚くと、もっと驚くことを言い出すココくん。

その元彼もとかのさんはまだ日本に来て浅いココくんに意味を説明せずに婚姻届に名前を書かせたこと。

結婚して元彼もとかのさんとの生活費を稼ぐココくんに浮気してるのかと毎日のように問いただしてくること。

嫉妬深い元彼もとかのさんは自分のストーカーをしていたという事実を結婚してから伝えてきたこと。

浮気なんかしていないココくんの言葉を信じられなくなった元彼もとかのさんがよく分からない宗教にハマりココくんにも勧めてきたこと。

ココくんは自分なりにその元彼もとかのさんのことを思って仕事をしてきたけれど、ストーカーと宗教のことがあったから離婚を決めたとだいぶヘビーな過去を教えてくれた。

それでもココくんはその元彼もとかのさんとご両親とは関係を持っていてたまに会ったりするという。

まあ、ココくんが会いたいと思うなら会えばいいと思うし、それを無子が止める権利はないと無子はココくんに伝えると、ココくんは結婚は怖いんだと無子に伝えた。

じゃあ、なんで無子と付き合ってそばに置くの?

付き合うから結婚、ってことではないけどその道もちょっと考えたりしない?

自由がいいって言うのは勝手だけど、それは結婚したら鎖をつけられるって固定概念出来上がってない?

無子はただココくんと一緒の家でご飯を食べたり、TVを見たり、同じベッドで眠りにつけるだけで嬉しいと思えるのに。

それはココくんの中で縛りになっちゃうのかな。

なっちゃうんだろうね。

だから無子にこの話をしたんだろう。

だからそれを言い訳にして無子と別れたんだよね。

けど、その話を打ち明けてくれたココくんが辛そうな顔をするもんだから、当時の無子はココくんの優しくて広い心はそういう経験があるからこそなんだなと呑気に思い、抱きしめた。


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