言葉遊び

桜もち

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言葉遊び

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雨あがりの放課後。
いつまでも、ベンチに座って喋っている子供がいた。
「うちらもいつか大人になるんだね。」
笑みながら、でも少し憂いを持ったようにその少女は語っていた。
同じように傍らの少年も笑っていた。
彼らは何を思っているのだろうか。
「君はどうするんだい?」
朽ちていく世界で、彼女は、彼は。
「結局、君の未来も僕の未来も見えなかった。」
「この世界はこれで終わり。うちはまた蘇るけどね。」
寂しそうな顔をしながらも、強気な言葉を言う。
「死にたくない……。」
すまない、もう私にできることはない。
せめて、君たちは……。
それでも世界は美しい。
太陽の光、静かな風。
「……血みたいな色。」
「強気な発言はどこに行ったんだよ……。」
手を握りしめ、少年は少女を慰める。
とうとう、この時が来てしまった。
何故世界はこうなってしまったのか、それは……
賑やかだったあの商店街も、なくなってしまった。
抜けだせない絶望に打ちひしがれる人はもういない。
眠るように、沢山の人は死んでいった。
のみこまれてしまった。
初めから、そこには何も無かったかのように。
人はいつか死んでしまう。
不幸なことに、もう誰も生きることは出来ない。
「……変なの。」
「ほんとだね。」
「まだ生きていたかったな。」
「みんないるさ。怖くないよ。」
目を覚ました時、彼らがいるのはきっと幸せな世界だろう。
「もし、離れてもまた私を見つけてね。」
「約束するよ。」
ゆっくりと、実にゆっくりと世界は沈んでいった。
ようやく世界も眠りについたのだ。
楽園へと彼らを導くために。
理由などなく、世界は無くなった。

『ルール:世界はいずれ崩壊する。』

「連絡ぐらいしろよ。先始めちゃったじゃん。」
「ログインしてたから気づいてたと思ってた。つかまたバットエンドじゃん。ちゃんと装備してけよ。」
「わかったよ。次こそはちゃんとトゥルーエンドにいってやる!」

『……を通して……私……存…………』

「ん?なんか言ったか?……気のせいか…。よっしゃ頑張るぞ!」

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