私が拾ったのは子猫なんですけど!そして私は男じゃない!

わらいしなみだし

文字の大きさ
51 / 280
子猫の雨月と男の子の雨月

46

しおりを挟む
 子猫の雨月が熟睡しているのを見計らってちょっとの間出掛けることにした。
 雨月を見つけた日に汚してしまったスーツを未だクリーニングに出していない。
 バタバタしていて完全に忘れていたのだ。
 春物のスーツは四着しか持っていない。一着欠けるとかなり辛い。
 独り暮らしで上京してからいろんな事情で親との縁は切っている。
 だから……私はいろんなモノにお金はかけていられないのです。
 クリーニング代も馬鹿にならない。でも今回は…そのまま放置した私が悪い。

 ぐっすり寝ている子猫の雨月にそっと耳元で「行ってきます」と言い、頭にキスをした。

 スーツが入っている紙袋を持って徒歩五分の馴染みのクリーニング屋さんへ。
 お店の扉をスライドさせると来客のチャイムが鳴る。

「よ!いらっしゃい、星野ちゃん」

 今日のお店番はおじさんである。

「おじさんが店番なんて珍しいですね。おばさんは?」
「ああ、かあちゃんなら今日はサークルの食事会に行ってるんだ」
「へぇー土曜日がサークル?」

 土曜日…いつもいたような?

「ああ、お食事会がたまたま土曜日の今日になったんだ」
「なるほど……」

 ちょっとした世間話をして私は本題のスーツを取り出した。

「すぐ持ってきたかったのですが……胸元の泥汚れ、綺麗になりますか?」

 そう言って汚れたスーツを取り出してみせた。

「おじちゃんプロだからね!お任せあれ!綺麗にしてあげるよ。ところで……」

 おじさんは繁々とスーツを丹念に見ている。

「星野ちゃん、ペット飼ってる?」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...