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子猫の雨月と男の子の雨月
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子猫の雨月が熟睡しているのを見計らってちょっとの間出掛けることにした。
雨月を見つけた日に汚してしまったスーツを未だクリーニングに出していない。
バタバタしていて完全に忘れていたのだ。
春物のスーツは四着しか持っていない。一着欠けるとかなり辛い。
独り暮らしで上京してからいろんな事情で親との縁は切っている。
だから……私はいろんなモノにお金はかけていられないのです。
クリーニング代も馬鹿にならない。でも今回は…そのまま放置した私が悪い。
ぐっすり寝ている子猫の雨月にそっと耳元で「行ってきます」と言い、頭にキスをした。
スーツが入っている紙袋を持って徒歩五分の馴染みのクリーニング屋さんへ。
お店の扉をスライドさせると来客のチャイムが鳴る。
「よ!いらっしゃい、星野ちゃん」
今日のお店番はおじさんである。
「おじさんが店番なんて珍しいですね。おばさんは?」
「ああ、かあちゃんなら今日はサークルの食事会に行ってるんだ」
「へぇー土曜日がサークル?」
土曜日…いつもいたような?
「ああ、お食事会がたまたま土曜日の今日になったんだ」
「なるほど……」
ちょっとした世間話をして私は本題のスーツを取り出した。
「すぐ持ってきたかったのですが……胸元の泥汚れ、綺麗になりますか?」
そう言って汚れたスーツを取り出してみせた。
「おじちゃんプロだからね!お任せあれ!綺麗にしてあげるよ。ところで……」
おじさんは繁々とスーツを丹念に見ている。
「星野ちゃん、ペット飼ってる?」
雨月を見つけた日に汚してしまったスーツを未だクリーニングに出していない。
バタバタしていて完全に忘れていたのだ。
春物のスーツは四着しか持っていない。一着欠けるとかなり辛い。
独り暮らしで上京してからいろんな事情で親との縁は切っている。
だから……私はいろんなモノにお金はかけていられないのです。
クリーニング代も馬鹿にならない。でも今回は…そのまま放置した私が悪い。
ぐっすり寝ている子猫の雨月にそっと耳元で「行ってきます」と言い、頭にキスをした。
スーツが入っている紙袋を持って徒歩五分の馴染みのクリーニング屋さんへ。
お店の扉をスライドさせると来客のチャイムが鳴る。
「よ!いらっしゃい、星野ちゃん」
今日のお店番はおじさんである。
「おじさんが店番なんて珍しいですね。おばさんは?」
「ああ、かあちゃんなら今日はサークルの食事会に行ってるんだ」
「へぇー土曜日がサークル?」
土曜日…いつもいたような?
「ああ、お食事会がたまたま土曜日の今日になったんだ」
「なるほど……」
ちょっとした世間話をして私は本題のスーツを取り出した。
「すぐ持ってきたかったのですが……胸元の泥汚れ、綺麗になりますか?」
そう言って汚れたスーツを取り出してみせた。
「おじちゃんプロだからね!お任せあれ!綺麗にしてあげるよ。ところで……」
おじさんは繁々とスーツを丹念に見ている。
「星野ちゃん、ペット飼ってる?」
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