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子猫の雨月と男の子の雨月
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落ち込んでいる私に男の子の雨月は立ち上がって私の方へおもむろにやって来て、
「おにーさん、すきっ!」
って言いながら私の泣きそうな顔の目尻にチュッとキスをしてもう一つの方にも同じことをした。
「すきっ!すきっ!すきっ!」
私をギュッと抱きしめたと思ったら直ぐに離れてくれた。
驚いた私を放置して男の子の雨月は寝室の方に入っていった。
ガサゴソガサゴソ
男の子の雨月が入っていった寝室からなにかをしている音がしてくる。
な、何をしているの?
さすがに気になって立ち上がろうとした時、男の子の雨月は両手になにかを持ってこっちに戻って来た。
右手には私がいつも着ている就寝用のロングTシャツ。私は今も着ている。
左手には……子猫の雨月の真っ赤な首輪だった。
「いっしょ!いっしょ!すきっ!すきっ!」
そう言って私に右手にあるTシャツを私に差し出した。
「雨月、これなら……着てくれるの?」
「んー」
大きく頷く男の子の雨月。
「一緒の服なら着てくれるの?」
「んー!」
もう一度大きく頷く男の子の雨月。
あ……
なんか、嬉しい!
同じのがいいだなんて……。
じゃあ、私とお揃いの服なら着てくれるのかも……。
私は今日の男の子の雨月に買ってあげる服を想像しながら、ロングTシャツを男の子の雨月に着せた。雨月は抵抗することもなく、すんなり服を着てくれてちょっぴり胸があたたかくなった。
男の子の雨月は今度は首を伸ばして左手に持っている子猫の雨月の真っ赤な首輪を私に差し出した。
「すきっ!してっ!してっ!すきっ!してっ!してっ!」
あ……。
言葉が一つ増えたことに感動すべきなんだけど……。
私の思考はちょっと静止してしまった。
え?
もう一度、冷静に考えてみる。
これって……どうみても
「首輪、つけて!」
って言ってるよね?
首輪は子猫の雨月のだから、男の子の雨月にはしないよって……言った筈なのに?
覚えてないの?
男の子の雨月はからだを揺らしておしりをフリフリさせて、まだかな?まだかな?と私が首輪をつけてくれるのを待っている様子。
どうしよう?
どっちの雨月もこの真っ赤な首輪が大切だと示してくれた。
それって、肌身放さずつけていたいってこと?
持っていたいってこと?
それなら……首にしなくても、いいんじゃないかな?
「雨月、お手手だしてくれる?」
それを聞いた男の子の雨月は素直に両腕を伸ばして私に両手を出してくれた。
私は邪魔にならないだろうとそう考えて左側の方の手を持ち、その手首に子猫の雨月の真っ赤な首輪をつけてあげた。落ちないように、ぴったりサイズの穴で留めてあげる。
男の子の雨月はとっても嬉しそうにパッと花が開くような満面の笑顔で私に近づいてきて
「すきっ!すきっ!すきっ!」
そう言ってから私の口と鼻先にチュッと口付けたのでした。
「おにーさん、すきっ!」
って言いながら私の泣きそうな顔の目尻にチュッとキスをしてもう一つの方にも同じことをした。
「すきっ!すきっ!すきっ!」
私をギュッと抱きしめたと思ったら直ぐに離れてくれた。
驚いた私を放置して男の子の雨月は寝室の方に入っていった。
ガサゴソガサゴソ
男の子の雨月が入っていった寝室からなにかをしている音がしてくる。
な、何をしているの?
さすがに気になって立ち上がろうとした時、男の子の雨月は両手になにかを持ってこっちに戻って来た。
右手には私がいつも着ている就寝用のロングTシャツ。私は今も着ている。
左手には……子猫の雨月の真っ赤な首輪だった。
「いっしょ!いっしょ!すきっ!すきっ!」
そう言って私に右手にあるTシャツを私に差し出した。
「雨月、これなら……着てくれるの?」
「んー」
大きく頷く男の子の雨月。
「一緒の服なら着てくれるの?」
「んー!」
もう一度大きく頷く男の子の雨月。
あ……
なんか、嬉しい!
同じのがいいだなんて……。
じゃあ、私とお揃いの服なら着てくれるのかも……。
私は今日の男の子の雨月に買ってあげる服を想像しながら、ロングTシャツを男の子の雨月に着せた。雨月は抵抗することもなく、すんなり服を着てくれてちょっぴり胸があたたかくなった。
男の子の雨月は今度は首を伸ばして左手に持っている子猫の雨月の真っ赤な首輪を私に差し出した。
「すきっ!してっ!してっ!すきっ!してっ!してっ!」
あ……。
言葉が一つ増えたことに感動すべきなんだけど……。
私の思考はちょっと静止してしまった。
え?
もう一度、冷静に考えてみる。
これって……どうみても
「首輪、つけて!」
って言ってるよね?
首輪は子猫の雨月のだから、男の子の雨月にはしないよって……言った筈なのに?
覚えてないの?
男の子の雨月はからだを揺らしておしりをフリフリさせて、まだかな?まだかな?と私が首輪をつけてくれるのを待っている様子。
どうしよう?
どっちの雨月もこの真っ赤な首輪が大切だと示してくれた。
それって、肌身放さずつけていたいってこと?
持っていたいってこと?
それなら……首にしなくても、いいんじゃないかな?
「雨月、お手手だしてくれる?」
それを聞いた男の子の雨月は素直に両腕を伸ばして私に両手を出してくれた。
私は邪魔にならないだろうとそう考えて左側の方の手を持ち、その手首に子猫の雨月の真っ赤な首輪をつけてあげた。落ちないように、ぴったりサイズの穴で留めてあげる。
男の子の雨月はとっても嬉しそうにパッと花が開くような満面の笑顔で私に近づいてきて
「すきっ!すきっ!すきっ!」
そう言ってから私の口と鼻先にチュッと口付けたのでした。
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