私が拾ったのは子猫なんですけど！そして私は男じゃない！

子猫の雨月と男の子の雨月２

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　自宅に帰って真っ先にしたのは子猫の雨月をケージから出して座布団の上にそーっと置くこと。
　触ると子猫の雨月の体温が私の手に伝わってきて、ちゃんと生きてることがわかるの。
　お腹がちゃんと膨らんだりへっこんだり、息をしてることだってわかるの。
　お腹を撫でたらくるっと回転して背中も撫でて！ってしてくれるし、ちゃんと反応してくれてるの。

　それなのに、それなのに……。
　……子猫の雨月は、まだ目を開けてくれない。

　泣いてくれない。
　ごはん欲しがってくれない。
　抱きついてくれない。
　私に笑顔を見せてくれない。

　私は子猫の雨月にタオルを体にかけてあげて、お風呂場へむかった。
　一日の疲れをとるためにもゆったりバスタイムをとっているのに、そんな気にさえなることもなく。
　私は手っ取り早くシャワーで全身を洗って簡単に済ませた。
　子猫の雨月はドライヤーの音を嫌がっていたのでバスタオルで髪の毛を包んだ状態にした。さっさと着替えて子猫の雨月のもとへ……。

　座布団の中央で眠っている子猫の雨月は、寝姿を見るだけなら幸せそうな顔をしているの。

　私だけ？
　私だけなの？

　涙が溢れそうになるのは……。

　木曜日に出合ってからまだ五日しか経過していないけど、濃密な楽しい毎日だった……。

　過去形なんて……、嫌なのに……！

「ね、いつになったら目を覚ましてくれる？何をしたら起きてくれるの？」

　子猫の雨月の頭を撫でながら私はそう呟いてから……諦めて台所へ向かって晩御飯を作り始めたのでした。