私が拾ったのは子猫なんですけど！そして私は男じゃない！

男の子？の雨月はイチャイチャしたがる

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　冷蔵庫を開けてみたら、じゃこは……もうなかった。

　完全に忘れていたわ。
　毎日じゃこを食べている訳ではないし、そろそろ買い物に行きたいな……とは思っていたんだけど。

　子猫の雨月は全然起きなかったから気が気じゃなかったし……。

　おさない雨月は私の足にピトっとへばりついたまま目をきらんきらんと輝かせている。

　ああ、言いたくないなぁ。

　でも、言わなきゃ……ね、ごめんね。

「雨月ぅ……雨月の好きなおじゃこさんは今日はおやすみなの。だからお仕事が終わったら買い物するから今日は玉子のおじやで我慢してくれるかな？」

　きらんきらんしていた目が、だんだんと大きく目を見開き少しずつ涙目になっていく……。

「おちゃこちゃ……おやちゅみ？」

「そうなの、だからここにはいないんだ……」

「おちゃこちゃ……いな……。ひっく……」

　そんな顔されると罪悪感が湧いちゃうじゃない！
　私も泣きたくなっちゃうよ。もう、凹むわぁ……。

「明日はじゃこと玉子のおじや作るから……ね？」

　目がうるうるで、本当に目から涙が零れそう！

「じゃ、じゃあ、晩ごはんはオムライスにしよっか？雨月大好きでしょ？」

「にいちゃ、おむらいちゅ……ちゅきっ！たーたい！ちゃ……ちゃまんちゅう……」

　ぷるぷる震えてるからだがなんとも愛くるしい！
　もう！キュンなんだけど。

「じゃあ、つくるから雨月はおとなしく座っててくれるかな？」

「ここいちゃ……めなの？」

「危ないから……ね？」

　本当にこの可愛い生き物……いえ、雨月だけど、ぎゅってしてイチャイチャしたい！甘えさせまくってなでなでしてすりすりしたい！

　今週は絶対お仕事休めないし、残業にもなりそうだし……。
　それよりも、おさない雨月を此処に置いて職場に行けない！

　ぷすぅー

　口をいっぱいに膨らませて私を悲しげに見て諦めて離れていき、渋々と雨月はいつもの場所にちょこんと座った。
　そして机の上に顔を横にしてふて腐れているみたいだ。

　おとなしくしている雨月のその様子を眺めて私はひと安心した。　

　私は玉子のおじやにとりかかりながらスマホを取り出し、一時預かりの保育を調べ始めた。