259 / 280
泣いてばかりいられない!
223 拾った……?
しおりを挟む
私はいてもたってもいられず、社長を問い詰めようとした。
「昨日も言ったよね?それは言えないって……」
「そ、そんな……でも、私が、私が会いに行かなくっちゃ……」
私は目に溜まっていたものが頬を伝うのを止められなかった。
どうしたら会えるの……?
だって、あんなに顔色が悪いんだもの……。
なんとかしなきゃ!
私が雨月を守らなきゃ!
どんな様子なのか、もっと詳しく知りたい!
雨月を抱きしめたい!
思いっきり抱きしめて雨月を腕の中で感じたい!
私にだって出来ることがある筈なのに!
「冷静になって。今、君は会社にいる。仕事をして給料をもらってる身だよね?」
簡単に制されて、何でもないようにさらっと言われてしまった。
そんなことを言われてしまったら何も出来ない。
でも……心配なんだもん。
この不安を払拭出来ない限り、どうしようもない。
きっと……仕事だって手につかないよ……。
「落ち着きなさい。そうじゃないと、話の続きは出来ないんだけど?」
「続き……何か……教えてくれるのですか?」
すがるような目で社長を見上げた。
「もちろん。此処にいる小さい男の子は……訳有りだよね?星野さん」
「え?」
突然の言葉に頭が真っ白になってしまった。
訳ありって……雨月が訳ありって……
どう答えたらいいの?
「夏川さんも訳ありだったし、その夏川さんが血相を変えて伯父さんの元へ行ったのなら何かある筈だからね」
「血相を変えて……ですか?」
「そう……夏川さんは血相を変えて早退したんだよ。だからきっとこの子の異変に気がついたんじゃないかな?」
「異変……」
私にはわからないことばかりだった。
「この画像は伯父さんに送ってもらったものだよ。そう、星野さんが探している男の子は夏川さんと一緒に伯父さんの所へ行った。そして男の子の状況を君に見せるために送ってもらったものだよ。安心してもらう為にね。でも、逆効果だったかな?」
「あ……でも……」
雨月の姿を久々に見られて本当は嬉しい。
嬉しいけど、素直には喜べない。
だって……私の腕の中に雨月はいないんだもの。
そばにいないんだもの。
声が聞けない、あたたかい温もりを肌のぬくもりを感じられないんだもの。
「夏川さんはね、実は伯父さんが拾ったんだよね……」
……拾った?
拾ったって?どういうこと?
「詳しくは伯父さんは教えてくれなかったけど、言葉も何も覚えていない、記憶喪失の状態だった夏川さんを拾ったんだって。だから……彼は名前だってなかったんだよ」
名前もなかった?
言葉も何も覚えてなかった?
なにか……なにかがピタリとあてはまる?
そんなこと……ないよね?
そんな訳……ある筈が……ないよね?
私の鼓動が……血管に流れる血が……ドクドクと大きく私の心を騒がせた。
「昨日も言ったよね?それは言えないって……」
「そ、そんな……でも、私が、私が会いに行かなくっちゃ……」
私は目に溜まっていたものが頬を伝うのを止められなかった。
どうしたら会えるの……?
だって、あんなに顔色が悪いんだもの……。
なんとかしなきゃ!
私が雨月を守らなきゃ!
どんな様子なのか、もっと詳しく知りたい!
雨月を抱きしめたい!
思いっきり抱きしめて雨月を腕の中で感じたい!
私にだって出来ることがある筈なのに!
「冷静になって。今、君は会社にいる。仕事をして給料をもらってる身だよね?」
簡単に制されて、何でもないようにさらっと言われてしまった。
そんなことを言われてしまったら何も出来ない。
でも……心配なんだもん。
この不安を払拭出来ない限り、どうしようもない。
きっと……仕事だって手につかないよ……。
「落ち着きなさい。そうじゃないと、話の続きは出来ないんだけど?」
「続き……何か……教えてくれるのですか?」
すがるような目で社長を見上げた。
「もちろん。此処にいる小さい男の子は……訳有りだよね?星野さん」
「え?」
突然の言葉に頭が真っ白になってしまった。
訳ありって……雨月が訳ありって……
どう答えたらいいの?
「夏川さんも訳ありだったし、その夏川さんが血相を変えて伯父さんの元へ行ったのなら何かある筈だからね」
「血相を変えて……ですか?」
「そう……夏川さんは血相を変えて早退したんだよ。だからきっとこの子の異変に気がついたんじゃないかな?」
「異変……」
私にはわからないことばかりだった。
「この画像は伯父さんに送ってもらったものだよ。そう、星野さんが探している男の子は夏川さんと一緒に伯父さんの所へ行った。そして男の子の状況を君に見せるために送ってもらったものだよ。安心してもらう為にね。でも、逆効果だったかな?」
「あ……でも……」
雨月の姿を久々に見られて本当は嬉しい。
嬉しいけど、素直には喜べない。
だって……私の腕の中に雨月はいないんだもの。
そばにいないんだもの。
声が聞けない、あたたかい温もりを肌のぬくもりを感じられないんだもの。
「夏川さんはね、実は伯父さんが拾ったんだよね……」
……拾った?
拾ったって?どういうこと?
「詳しくは伯父さんは教えてくれなかったけど、言葉も何も覚えていない、記憶喪失の状態だった夏川さんを拾ったんだって。だから……彼は名前だってなかったんだよ」
名前もなかった?
言葉も何も覚えてなかった?
なにか……なにかがピタリとあてはまる?
そんなこと……ないよね?
そんな訳……ある筈が……ないよね?
私の鼓動が……血管に流れる血が……ドクドクと大きく私の心を騒がせた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる