私が拾ったのは子猫なんですけど！そして私は男じゃない！

※2020年……X'mas Eve

　クリスマスイブは誰と一緒に過ごすのだろう？

　父と二人だけになってからはクリスマスという行事は他所様の行事で友達とクリパーなんかすることもなく、お呼ばれされることもなく大人になった。
　高校時代唯一彼氏が存在した頃もあったけど、クリスマスまではもたなかった。

　社会人になって周辺がクリスマスモードになっても関係なく淡々と仕事をこなして飲み会等のお誘いも断りさっさと家に帰ったかな？

　飲み会はもちろん大好きでお誘いは嬉しいことなんだけど、お開きになった後の帰り道ってクリスマスの雰囲気が溢れた街中で歩くのは寂しさを一際増してしまうのよね。
　自分の足音と聞こえてくる足音の差がどうしてももの悲しくさせるのでその音を聞きたくなくってどうしても断ってしまってた私。


　でも、今年は違うの！

　今年は雨月が一緒なのよねー。

　どの雨月と一緒にいられるんだろう？
　
　ちょっとドキドキしちゃったけど、たぶん、たぶんだけど……
　予想は子猫の雨月なんだよねー！

　二、三日前から何故かずーっと子猫の雨月のまんまなの！

　もう！
　嬉しすぎてはしゃぎたくなっちゃう！

　最初の頃は……っていっても一日未満だったけど、ずーっと子猫の雨月と一緒に過ごすって決めてたんだもの。

　仕事が終わったら真っ直ぐ帰宅して、じゃない！
　子猫用のごはん……いつもよりちょっと高めのを購入して私用にイチゴのショートケーキを購入してから帰宅するの。

　玄関を開けたらいつものように飛び付く雨月をさっと避けて中に入るの。
　飛び出た雨月は渋々私の後ろを歩いて足に顔を擦り付けて甘えてくる。

　……うん！想像できる！
　なんて可愛いんだろう！

　抱き締めたいのを我慢して机に鞄から雨月のごはんを取り出してケーキが入った紙袋を置いた。鞄は椅子に。

　一緒にごはんを食べて、一緒にお風呂に入って、一緒に眠る。

　沢山雨月の背中を撫でて、お腹も撫でて、頭も首も撫でまくって、雨月にゴロゴロいわせちゃう！

　毛並みの感触をたっぷり楽しんで今日は一緒のお布団に。

　横になって胸元に包み込むようにして雨月と眠るの！

　これって……幸せの極み、だよね！


　明日の朝もこんな姿で起きる予定なんだけど……。



　やっぱりうまくいかないのはお約束？……なのかな？

　やっぱりこうなっちゃうんだよね……。
　
　雨月のばかぁ！