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山南・沖田 後編
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沖田「ところで敬さん、俺が言うのも何ですが…恋人には何か言ってあげましたか?」
山南「いや…何も言うことはないよ」
沖田「えっ?だって恋人でしょ?」
山南「俺はあいつを身請け出来る程、何かをしてやれる訳じゃない。だからだよ。お互い忘れた方がいいんだ。時間が解決してくれる…」
沖田「そんなの、俺、納得できません!彼女だってきっと…」
山南「お前がいうかよ」
沖田「だって…そんなの!」
山南「…そこまでの仲じゃ…ないんだ」
沖田「はぁ?!…彼女、敬さんの恋人でしょ?」
山南「ああ、好きだよ…愛してるさ。だからこそだよ」
沖田「もしかして…手…出してないんですか?」
山南「総司にそんな事わかるのかい?」
沖田「今、聞いてそう思ったんですよ。でも、お互い好きだったら、男なら抱いてあげるもんなのでしょ?」
山南「お前が言うな。女を知らぬお前が…だいたい誰の入れ知恵で『抱いてあげるもん』だとか………」
沖田「あ、わかります?でも、言いませんよ、誰かだなんて」
山南「まぁ、いいか。好きな女と抱き合うだけがすべてではないんだよ。総司、そのうちお前にもわかる時が…」
沖田「わからないですよ。男って皆、女の人抱きたがるでしょ?」
山南「人それぞれだよ…俺はな、酒を呑みながらたわいのない話をして、膝枕してもらうだけで十分だ。好きな女とは大切な時を過ごしたい」
沖田「それだけ?」
山南「ああ、それだけだ。そのひとときが愛おしいんだよ」
沖田「触れてもないんですか?」
山南「野暮なことを聞くな!口づけぐらいなら、抱きしめるくらいなら数えきれぬ程してる」
沖田「なんか、敬さん、すごい…」
山南「からかうな、愛し方は人それぞれだよ、総司」
山南「明日、明後日、いや、この先の未来が約束されるのなら、あいつの為に身を粉にしてでも金を工面してやるだろう。…それ以前に俺は新撰組の総長だった…」
沖田「…?」
山南「俺は新撰組としての役職に誇りを持っていた。俺はあいつより新撰組、この激動の中、志を抱き戦う方が大事だった」
沖田「………」
山南「もう、すべてが過去だよ、総司」
沖田「過去…。」
沖田「敬さん…」
山南「なんだ?」
沖田「嘘っぽい」
山南「ぬ・か・せ…笑いながら言うか」
山南「それより総司、以前俺に言ったこと覚えているか?」
沖田「な、なんでしょう…」
山南「『女を好きにならない』って事だよ」
沖田「ああ…あれですか?…変わりないですよ。変わらなきゃいけないとは思いませんけど」
山南「もう、いいんじゃないか?自分でしがらみを作らなくっても…」
沖田「俺のことなんか、今は関係ないですよね、違いますか?」
山南「いや…俺にはある。総司、どうせお前のことだ。誰にもそのことを言ってないだろ?近藤先生や歳には特に」
沖田「言う理由なんてありません。必要もないですよ」
山南「お前の親・兄弟みたいなものだろう?!何故隠す?」
沖田「だから理由なんてあり…」
山南「沖田家を想ってなんだろ?」
沖田「えっ…?!」
沖田「いやだなぁ…やっぱり敬さんには叶わないですよ」
山南「やはりそうか…お前の姉君の息がかかってる二人にも言えないのなら、もしやと思ってな」
沖田「姉上…義兄には感謝してるんです。いえ、感謝仕切れない…。姉上と一緒に沖田家を守ってくれればそれでいいんです」
山南「姉君は総司に沖田家を継いで欲しいのでは…」
沖田「やめてくださいよ…。俺は試衛館に入った時から決心したんですから…」
沖田「剣で生き、剣で身を立て、沖田家は、姉上は義兄に任せる。だから、本気で女を好きにならない…なっちゃ…いけない…添い遂げたりしない…。俺は、継げない…」
山南「そう頑なにならなくてもいいんだよ。総司」
沖田「いえ、決めた事です」
山南「お前はまだ本気で人を好きになったりした事がないから、そう言いきれるんだよ」
沖田「そんなの…いりませんよ」
山南「人には恋や愛は必要なのだよ、総司」
沖田「だから!!」
山南「本気で恋をしたら…いや、恋に落ちたらわかるよ。自分でもどうすることも出来ない抗う事さえ出来ない感情に驚くだろうよ。お前にも来るさ、そんな日が…」
沖田「わかんないですよ」
沖田「そんなもの…いらない…」
山南「その日が来るまで、そんな決意しまっとけ」
沖田「やだなぁ、だいたい俺のこの気持ち、誰も知らないんですから…。誰にも言う気ないですし…」
山南「総司、お前って奴は…」
山南「笑顔のまま悲しい顔するな」
沖田「してませんから」
沖田「やめましょう。…それより敬さんの恋人、なんて名前でしたか?教えて下さいよ」
山南「聞くなよ」
沖田「いいじゃないですか。」
山南「お前って奴は…」
沖田「ははははは」
後編 了
山南「いや…何も言うことはないよ」
沖田「えっ?だって恋人でしょ?」
山南「俺はあいつを身請け出来る程、何かをしてやれる訳じゃない。だからだよ。お互い忘れた方がいいんだ。時間が解決してくれる…」
沖田「そんなの、俺、納得できません!彼女だってきっと…」
山南「お前がいうかよ」
沖田「だって…そんなの!」
山南「…そこまでの仲じゃ…ないんだ」
沖田「はぁ?!…彼女、敬さんの恋人でしょ?」
山南「ああ、好きだよ…愛してるさ。だからこそだよ」
沖田「もしかして…手…出してないんですか?」
山南「総司にそんな事わかるのかい?」
沖田「今、聞いてそう思ったんですよ。でも、お互い好きだったら、男なら抱いてあげるもんなのでしょ?」
山南「お前が言うな。女を知らぬお前が…だいたい誰の入れ知恵で『抱いてあげるもん』だとか………」
沖田「あ、わかります?でも、言いませんよ、誰かだなんて」
山南「まぁ、いいか。好きな女と抱き合うだけがすべてではないんだよ。総司、そのうちお前にもわかる時が…」
沖田「わからないですよ。男って皆、女の人抱きたがるでしょ?」
山南「人それぞれだよ…俺はな、酒を呑みながらたわいのない話をして、膝枕してもらうだけで十分だ。好きな女とは大切な時を過ごしたい」
沖田「それだけ?」
山南「ああ、それだけだ。そのひとときが愛おしいんだよ」
沖田「触れてもないんですか?」
山南「野暮なことを聞くな!口づけぐらいなら、抱きしめるくらいなら数えきれぬ程してる」
沖田「なんか、敬さん、すごい…」
山南「からかうな、愛し方は人それぞれだよ、総司」
山南「明日、明後日、いや、この先の未来が約束されるのなら、あいつの為に身を粉にしてでも金を工面してやるだろう。…それ以前に俺は新撰組の総長だった…」
沖田「…?」
山南「俺は新撰組としての役職に誇りを持っていた。俺はあいつより新撰組、この激動の中、志を抱き戦う方が大事だった」
沖田「………」
山南「もう、すべてが過去だよ、総司」
沖田「過去…。」
沖田「敬さん…」
山南「なんだ?」
沖田「嘘っぽい」
山南「ぬ・か・せ…笑いながら言うか」
山南「それより総司、以前俺に言ったこと覚えているか?」
沖田「な、なんでしょう…」
山南「『女を好きにならない』って事だよ」
沖田「ああ…あれですか?…変わりないですよ。変わらなきゃいけないとは思いませんけど」
山南「もう、いいんじゃないか?自分でしがらみを作らなくっても…」
沖田「俺のことなんか、今は関係ないですよね、違いますか?」
山南「いや…俺にはある。総司、どうせお前のことだ。誰にもそのことを言ってないだろ?近藤先生や歳には特に」
沖田「言う理由なんてありません。必要もないですよ」
山南「お前の親・兄弟みたいなものだろう?!何故隠す?」
沖田「だから理由なんてあり…」
山南「沖田家を想ってなんだろ?」
沖田「えっ…?!」
沖田「いやだなぁ…やっぱり敬さんには叶わないですよ」
山南「やはりそうか…お前の姉君の息がかかってる二人にも言えないのなら、もしやと思ってな」
沖田「姉上…義兄には感謝してるんです。いえ、感謝仕切れない…。姉上と一緒に沖田家を守ってくれればそれでいいんです」
山南「姉君は総司に沖田家を継いで欲しいのでは…」
沖田「やめてくださいよ…。俺は試衛館に入った時から決心したんですから…」
沖田「剣で生き、剣で身を立て、沖田家は、姉上は義兄に任せる。だから、本気で女を好きにならない…なっちゃ…いけない…添い遂げたりしない…。俺は、継げない…」
山南「そう頑なにならなくてもいいんだよ。総司」
沖田「いえ、決めた事です」
山南「お前はまだ本気で人を好きになったりした事がないから、そう言いきれるんだよ」
沖田「そんなの…いりませんよ」
山南「人には恋や愛は必要なのだよ、総司」
沖田「だから!!」
山南「本気で恋をしたら…いや、恋に落ちたらわかるよ。自分でもどうすることも出来ない抗う事さえ出来ない感情に驚くだろうよ。お前にも来るさ、そんな日が…」
沖田「わかんないですよ」
沖田「そんなもの…いらない…」
山南「その日が来るまで、そんな決意しまっとけ」
沖田「やだなぁ、だいたい俺のこの気持ち、誰も知らないんですから…。誰にも言う気ないですし…」
山南「総司、お前って奴は…」
山南「笑顔のまま悲しい顔するな」
沖田「してませんから」
沖田「やめましょう。…それより敬さんの恋人、なんて名前でしたか?教えて下さいよ」
山南「聞くなよ」
沖田「いいじゃないですか。」
山南「お前って奴は…」
沖田「ははははは」
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