遠距離関係〜寂しがり屋の少女の物語〜

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おまけ

卒業

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 #卒業

 流行の影響で長らく休校があって30日ちょい経ち広がりは衰え再び登校する事になるがこれが最後の学校の日だ
「もう卒業の式がおわったんやなぁ…あんた。バレンタインデーの時からパンデミックの影響で部屋にこもりきりやけど進路決まったん?」
 瑠花ちゃんは長らく離れてたにも関わらずまるで昨日会ったときのように私に話しかける。
 「うん…音楽大学に行こうかとと思って。受験は卒業後だし引きこもってる間は勉強してたし。」

 「ふーん。うちはのんびりバイトしながら事務所を建てるようにするわ」

 「事務所!? 瑠花ちゃん…ヤクザになるの!」
瑠花ちゃんは私の頭に軽くチョップを入れた。

「なんでやねん。うちがあんなん怖い連中の仲間入りするわけないやん!アイドルの事務所をするんや!」
私は少しホッとし私も音大に行く理由を話し始める。

「私はいつか音楽に関することで色々成し遂げて瑠花ちゃんやお姉ちゃんやお母さんやお父さんに恩返ししたい。」

「おっきい夢を語るやん! 恩返しって何するんや?」

「立派な人になってみんなの自慢になりたいのよ。」
瑠花ちゃんはそれを聞いて爆笑し始めた。

「八重ちゃんはほんとおっきい夢を持ったな!最初の頃のあんたとは違ってうちはそんな大袈裟な夢を持った八重ちゃんの方が輝いて見えるで。うちとしばらく離れてももう問題ないんやね。」
瑠花ちゃんは少し涙を流し私の頭を撫で私の目を見つめる。

 「瑠花ちゃん?」
 
「実は泉市に引っ越す事になったんや。」
瑠花ちゃんは微笑んでるが少し泣くのを我慢したような表情で私に告げるのを聞くと大泣きしそうになるが瑠花ちゃんは私の腕を引っ張って行く。私は戸惑う。

「泣くのはまだ早いで! まだこの1日は終わってないで!最後に学校を探検するのがうちのこだわりや!」

まず私達は図書館に立ち寄る。そこにはいるのはメガネをかけたポニーテールの女の子だけで本を黙って読んでる。

「…卒業おめでとう。私の親友で恩人の妹。」
そう女の子は私に言う。もちろん私はこの女の子とは一切話した事ない。もしかしたらお姉ちゃんの知り合いかもしれない。

「せっかくやしこの女の子に話しかけようで!」
瑠花ちゃんは早速女の子に話しかけに行く。最後だし私もこの子のことが気になっていたから私もついていく。

 「おーい!」

「何?」
女の子は本に目を向けたまま瑠花ちゃんに反応する。

「うち、気になったんやけどあんたって実はこの学校の生徒じゃなかったりするやろ?」

「瑠花ちゃん!? 失礼だよ!」

女の子はこくりと頷く。

 「ご名答。この学校にはもう20年になるかしらね。よくわかったわね。」

「だって!制服が昔のデザインやから!」
瑠花ちゃんはドヤ顔で女の子の制服のことを突っ込む。しかし女の子は黙って本を読んでいる。

「なんか…うち寂しいよ…」

「図書館は静かにするところよ。」

「もう卒業式終わったしのここら辺の階はうちらだけしかいないやろ! 最後にはおしゃべりしようで!」
瑠花ちゃんが誘った途端女の子は本を閉じる。

「付き合ってあげるわ。 たまにはお喋りもしようかしらね。 最後に校舎を回ってるのでしょう? 同行するわ。」
女の子はそういうと重い腰を「よいっしょ」っと起こして立ち上がる。

 私達は次に各クラスを見て回るがそこはもう騒がしかったクラスメイトたちはいない。まるで別の世界に来たような気分になる。

「寂しくなるな。明日はもうここには来れへんからな…。」

「そうね。図書館にこもってたから見た事ないがとても騒がしかったのはわかるから風景が異質に見えるわね。」

「あ…あの!君の名前はなんて言うんですか?」
 私は2人の会話を遮ってつい女の子に名前を尋ねてしまった。

「ココア・ホワイト。」
ココアさんは名前を名乗るとそれ以上は言わなかった。
そのあとしばらく沈黙が続いたので気を使ったのかココアさんはまた口を開く。

「この学校はとても面白かった生徒とたくさん出会えたわ。坂本レオン、佐倉由紀、バニラ・ホワイト、三澤真琴、宇治宮あずき、セーヌ、七瀬、そしてあなた達。この学校も世代がだんだんと変わっていって生徒達も変わっていくけどただ一つ。みんな笑ったり泣いたり時には暴れたり、馬鹿騒ぎしたり、告白されたり、告白したり、振られたり、付き合ったりそんな事があって単純に勉強するところだったはずの学校はいつの間にか沢山もらえるものが出来ていつの間にかたくさんの思い出が詰まっていくから学校というのは飽きないし変わらないところだと思うわ。」
 私達とお姉ちゃんとあずき先輩とセーヌ先輩以外は誰かは私は知らなかったがココアさんの話を聞くとここに長くいることとココアさんなりに学校の意味の解釈に私と瑠花ちゃんは思わず頷く。

「……ココアさんはお姉ちゃんの事知ってるみたいですけど! 三年前は……お姉ちゃんは私の事を話してましたか?」

「わからないわ。ただ彼女は当初帰る家も分からず何も覚えてなかった状態で私の家で居候をしていてあなた達が平凡な生活をしてる間に色んなものと戦ってきたわ。そして一年後……何かを思い出したように「謝って来ないといけないや」と私の家から出たわ。」

「……ありがとうございます。」
お姉ちゃんの話を聞くと私はお姉ちゃんを責めた時の自分を憎む。

「すまへん……話に入れへん……非日常な出来事に巻き込まれたという解釈でええやろ?」

「大体合ってるわ。ま、私も久しぶりにお姉ちゃんのところに帰るとするわ。後は2人で楽しんできて。」
ココアさんは先に学校から外に出ていった。
それにしてもココアさんと話してる間に学校の立ち入り禁止以外の場所全部を私達は回り終わっていた。

 「もう終わったんやな。」

「もうちょっと広かったら良かったのに」
私は声を抑えてるが自分の思ってることを口から滲み出てくる。

「また、いつか会えるやろ。ネットでもまた話そうな。」

「…………」
私は黙って頷くことしかできなかった。「またお姉ちゃんみたいに何も言わずに別れるのか。でもこれ以上近づいたら嫌われる……」
何者かが私の背中を押す。押したのは一体誰かはわからないまま瑠花ちゃんにハグする。

「どうしたんや!?」
瑠花ちゃんは当然びっくりする。

「……私、瑠花ちゃんとまた実際に会って話せなくなってネ友の状態に戻るの嫌……せっかく………会えたのに………お姉ちゃんも瑠花ちゃんも離れてしまうなんてやだよ……!」

「せやけど、うちはブロックするわけでもあらへんで……死ぬわけでもあらへんのに……」

「……わかってるよ……! でも寂しいよ……ネ友の時から仲良かったけど……私は実際に会ってお互いの壁が無くなったと思ったから友達としてまた距離が縮んで行ったし……! 瑠花ちゃんがツッコミ上手い事もわかったし……!」
私は卒業式の影響かいつもよりも涙が溢れ出す。

「瑠花ちゃんの声を実際に聞きたいし……ネットの友達はいくらでも出来るし慰め合う関係とかもいくらでも出来るけど……! それじゃ心の中は虚しいだけです。喧嘩する時もSNSだけで済んだりSNSだけで友達が出来たりと便利な世の中になりました。」

「せやな。」
瑠花ちゃんは真剣な表情で聞く。

「私はそんな世の中に生まれなければ良かったと思ってました。実際に会ってみんなでワイワイ出来るような話がしたような時代に生まれたかった。」

「あんたの言いたいことは分かった。要するにうちにやっと心を開いてくれたってことやろ?」
私は核心を突かれて黙り始める。

「うちは今の世の中は好きや。元々は全然知らない人に話しかけたりするのが苦手なうちやけどほなあんたみたいな人と出会えたのもSNSのおかげやろ。それにSNSが無くとも文通友達という文化は昔にもあった事やからそんなに変わらへん。うちはSNSでも八重ちゃんと話せて楽しいで……」
私は必死に首を振る。そんな八重を瑠花ちゃんは悩むがすぐにこう告げた。

「なら。次は泉市で再会しようや! お互いに夢を叶えたら絶対に泉市で再会してお互いに自慢しあおうや!! 待ってるで!あんたがかわいそうだから絶対にさよならとは言わへん! 音大頑張るんやで~!」

「うん……!」
仲の良い2人は約束を交わし2人はお互いに別の道へと歩んでいった。
 そして私のスマホを見ると瑠花ちゃんから「頑張ろう」とスタンプが送られるのであった。
 この瞬間、私は全ての満たされない気持ちの苦しみが消えたことが分かった。たとえどれだけ時間が掛かろうともいつか、私は泉市にて再会すると決めた。

本当におしまい
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