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第三章[裏社会の辿る道]
第六十四話、クカイ和尚と遊ぼう
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魔城に生まれた足音は一人のものだけ。
アーサー達が襲撃作戦へ突入した経路から、一人だけが歩みを進めている。一歩一歩、その音を耳にしながら、天使の如きその男がクカイ和尚の目の前に迫るまで、厳粛な静謐の中でただ待つ。
「コール……」
「ここは僕が引き受けます。皆さんは撤退してください」
「し、しかし!」
「帝都まで振り返らず、撤退してください」
現れたコールは強襲部隊のスーツでもなく、学生服姿だった。どうやら何処から見守っていたらしく、絶対的窮地に駆け付けて早々に、アーサー等へ撤退を促した。
「さあ、早く」
「……すまないっ」
恐ろしく美しい柔和な笑みは、最期の時を確信しているからだろう。自らを犠牲にルーラーを逃がす決意を固め、皆の前に現れたのだ。
苦悶の表情を浮かべるアーサーは、その意志を汲み取り、視線で全体を連れ、バフォメット等を警戒しながら走り去る。
全員が何度もコールへ振り返りながらも、全速力でなり振り構わず逃げていく。
「……大人しく逃がしてくれたのは何故ですか?」
「あなたが……拙僧と遜色ない化け物だから、ですかね」
ルーラーの背中が遠くの車両に消え、急加速にタイヤが空回りしながら逃げゆく頃、二人の会話は始まった。
「初めまして、クカイ和尚」
「……あなたに名を名乗った覚えはありませんが」
「《夜の王》の側近が、このような小物の魔城に何の用ですか?」
「……」
クカイ和尚の笑みが消える。
対してコールの笑みも穏やかなものから、喜悦に混じえて高揚感まで感じさせるようなものに。この状況を心から楽しんでいるような……クカイ和尚を前にこのような人間など、これまで存在しなかった。
いいや、悪魔でもだ。悪魔使いとでも言うべきクカイ和尚を恐れる悪魔が大半だ。
「何者なのかは分かりかねますが、あなたのような得体の知れない人間でも友人は助けるのですね」
「彼等はこれからが肝心なのでね。それに、俺の目当ては初めからあなただ。あなたに会う為にここへ来た」
「……彼等の姿が見えたので、気分で立ち寄った拙僧に会いに来たと?」
「はい」
鳥肌が立つ思いを、まさか人間から強いられるとは思ってもいなかった。逆は数え切れないほどで、発狂して心も体も壊れてしまった者もいる。
だがこのような思いをするならば、次回からは自重しよう。
クカイ和尚の内心など分かる筈もないコールは、懐から無線機を取り出す。
「一件だけ、連絡をしてもいいですか?」
「……どうぞ、拙僧も考えをまとめたいので」
「ありがとうございます」
翳して問いかけ、了解を得てからコールはペンドラゴン代表へと連絡した。
『どうした』
「緊急事態です。拘束具を外してください」
『……アーサーの任務関係か?』
「そうです。詳しくは撤退中のアーサー様から聞いてください。僕は暫く手が離せません」
『博士に言ってすぐに外させる』
クカイ和尚は、酷薄な笑みに反して切羽詰まった口調を取り繕うコールへ冷めた眼差しを送り、無線機を胸ポケットにしまったところへ問うた。
「もしや、先程の集団もあなたが?」
「……先程?」
しかしクカイ和尚の推察は外れる。
問いに返されたのは、心底から不思議そうな態度だった。見当も付かないとばかりに、記憶を探っているように見える。
「コールさん……でいいのですよね」
「はい」
「コールさんに到底及ばないまでも、これまでの人間達とは別格な集団に襲われました。人工精霊を宿す彼等よりも、よほど強い方々でしたね」
「……そんな裏事情もあるのか」
「何か仰いましたか?」
小声で何か呟いたコールだったが、同時に何処か腑に落ちたという様子も見られた。
「いいえ、忘れてください」
「あの人間達はあなたのお仲間ですか?」
「そちらも否定します。まったく別口で、僕にも思い当たるものはありません」
コールは「カチリ」と左手首の腕時計が外れるのを確認。より一層の笑みを深めながらクカイ和尚へ告げる。
「ではそろそろ始めましょうか」
「何をですか?」
「悪魔と人間が出会ったんだ。やる事なんて一つだろ?」
口調も変えて右手に刀を生み出し、眼光と同様の鋭利な光を放つ刃を構える。獣が牙を剥くように、切っ先をクカイ和尚へ向け、昂りを言葉に込めて突き付けた。
「……」
「……」
殺し合いの火蓋が、飾り気もなく切って落とされる。
「バフォメット」
動いたのは、クカイ和尚だ。
外に出していたバフォメット達をコールへ殺到させる。黒色の怪物達が跳躍し、コールひとりへ飛びかかった。溶解の右手、凝固の左手を前に突き出し、矮小な人の身を喰らう。
けれど、赤の稲妻が閃く。
「――!」
赤い線が幾重にも織り込まれる。人影を覆い隠すバフォメット達がほぼ同時に斬り飛ばされた。赤い雷光が奔るとバラバラに斬り刻まれ、尚も襲う端から斬られていく。
「っ!」
斬りながらに新たな攻撃を察知する。クカイ和尚の両方の袖口から大蛇の束が飛び出ており、コールへ噛みつこうとしていた。
一度でも噛まれたなら牙は外れず、悪魔の毒が混入されると共に、何重にも巻きつかれて大蛇の繭となって圧死させられるだろう。
「――」
だがコールは左手を振って【赤雷】を鞭のように飛ばすのみ。
それだけで一筋の赤い雷は蛇の悪魔を打ち、感電させる。悪魔達はベクトルを変えられて四方八方へ、高速で飛ばされてしまう。
更にコールは手に握る刀を【赤雷】を流して投擲。蛇の群れの中心を穿ち、爆散させながら貫いた。
「っ……!?」
クカイ和尚の反応速度さえも超え、左胸へと刃が突き刺さった。
「オラっ!」
『ギャオウッ――!?』
加えて襲ったバフォメットを、【赤雷】を纏った右拳で殴り付け、クカイ和尚へ打ち出した。高速で射出されたバフォメット自身にも雷は感電し、見るも恐ろしい速さで巨体が和尚を襲う。
「クッ……!」
蓄積された経験が、和尚の意識よりも早く高位の悪魔を袖口から吐き出し、巨大な顎門がバフォメットを噛み千切る。
すぐにコールの姿を確認。残りのバフォメット達を殴り殺し終える様を視認し、即座に二体の伯爵級悪魔を吐き出した。
「――グッ!?」
しかし完全に外界へ吐く前に、コールの赤光放つ拳はクカイ和尚の顔を打つ。スピード系と言えども有り得ない速さで迫られ、否応なく殴られながらに悪魔を解放した。
これが功を奏し、飛び出る悪魔はクカイ和尚の意図を察して、コールを派手に打ち飛ばしながら実体を形作る。
「ちぃ……」
「……お強いお人だ」
両者揃って弾丸の速さで地面を転がり、すぐに何事もなかったように立ち上がる。
「あなたは拙僧と違い、ただ強大なだけではない。戦闘に強く、殺し合いに強い。戦士として強く、生物として強い」
レベルはさして変わらないだろう。魔力量も、持っている手札も。
だがクカイ和尚はコールの生物としての強さを認め、惜しみない賞賛を送った。
「申し訳ありませんが、これにて拙僧は帰らせてもらいますよ。あなたは危険だ」
「まあ待ってよ。ホントは和尚を殺すつもりはないんだよ。和尚が吐く悪魔目的で来たんだ。もっとやろうぜ」
「ならば尚更ですよ。あなたにはこれ以上、強くなってもらっては困ります。悪魔を代表して言いますが、あなたという存在が恐ろしくて仕方がない」
クカイ和尚は微笑みながらも、本音を語ったつもりだった。
しかしコールは鼻で笑って和尚の言を切り捨てた。未だ赤い雷が残る刀へ手を伸ばし、和尚の胸から自身へ方向を変えて加速。改めて刀を手に掴み、和尚の嘘を暴く。
「嘘だな。なんたってあんたら悪魔には、あの《夜の王》がいる。悪魔が敗北するなんて、少しも思ってないはずだ」
「……あの方はコールさんが思う程、悪魔思いではないのですよ」
「へぇ……意外だな」
困り顔で言う和尚は考えを変えるつもりはないようで、悪魔二体にコールを任せて逃走を決行した。踵を返して急ぎ早に帰路へ就く。
「それではまた何処かで――」
赤い閃光が背後から弾け、蜘蛛の巣のように稲妻が広がる。一帯にいる生物を直下へ加速させ、桁外れな重力場に晒すように押し潰す。
「――っ!?」
「待てって言ったよな……」
赤く輝く世界の中心で、刀を地面に突き刺すコールは和尚を笑う。地鳴りを生み、地は割け、人を超えた力をまた行使する。
「人工精霊の代わりを務めるには、まだ“もてなし”が足りないだろ?」
「……いいえ」
片やクカイ和尚も困り顔で笑い、下半身から巨大な蜘蛛の足を生やした。衣装を破り、突き出た鋭利な八本の脚で赤い雷の特性に抗い、移動を開始した。
「十二分以上にご挨拶はいただきました」
「やっぱりまだ止められないか……」
赤雷の領域からも飛び出し、蝙蝠のような巨大な翼を生やして飛び去ってしまう。
残されたのは、コールと悪魔が二体。コールが作り上げた赤雷の力場にありながら、辛うじて身動きをし続ける驚異の悪魔達だ。
「それじゃ、残り物も食っちゃおうか」
刀を引き抜いて力場を解消し、代わりに左手へと……極大の炎を巻き上げた。龍の炎はクカイ和尚への未練ごと悪魔を焼き殺し、魔城の魔物達ごと灰に消した。
魔王の右腕と称される悪魔が人間から逃走した事実は、ある人物を動かすキッカケとなるのだった。
アーサー達が襲撃作戦へ突入した経路から、一人だけが歩みを進めている。一歩一歩、その音を耳にしながら、天使の如きその男がクカイ和尚の目の前に迫るまで、厳粛な静謐の中でただ待つ。
「コール……」
「ここは僕が引き受けます。皆さんは撤退してください」
「し、しかし!」
「帝都まで振り返らず、撤退してください」
現れたコールは強襲部隊のスーツでもなく、学生服姿だった。どうやら何処から見守っていたらしく、絶対的窮地に駆け付けて早々に、アーサー等へ撤退を促した。
「さあ、早く」
「……すまないっ」
恐ろしく美しい柔和な笑みは、最期の時を確信しているからだろう。自らを犠牲にルーラーを逃がす決意を固め、皆の前に現れたのだ。
苦悶の表情を浮かべるアーサーは、その意志を汲み取り、視線で全体を連れ、バフォメット等を警戒しながら走り去る。
全員が何度もコールへ振り返りながらも、全速力でなり振り構わず逃げていく。
「……大人しく逃がしてくれたのは何故ですか?」
「あなたが……拙僧と遜色ない化け物だから、ですかね」
ルーラーの背中が遠くの車両に消え、急加速にタイヤが空回りしながら逃げゆく頃、二人の会話は始まった。
「初めまして、クカイ和尚」
「……あなたに名を名乗った覚えはありませんが」
「《夜の王》の側近が、このような小物の魔城に何の用ですか?」
「……」
クカイ和尚の笑みが消える。
対してコールの笑みも穏やかなものから、喜悦に混じえて高揚感まで感じさせるようなものに。この状況を心から楽しんでいるような……クカイ和尚を前にこのような人間など、これまで存在しなかった。
いいや、悪魔でもだ。悪魔使いとでも言うべきクカイ和尚を恐れる悪魔が大半だ。
「何者なのかは分かりかねますが、あなたのような得体の知れない人間でも友人は助けるのですね」
「彼等はこれからが肝心なのでね。それに、俺の目当ては初めからあなただ。あなたに会う為にここへ来た」
「……彼等の姿が見えたので、気分で立ち寄った拙僧に会いに来たと?」
「はい」
鳥肌が立つ思いを、まさか人間から強いられるとは思ってもいなかった。逆は数え切れないほどで、発狂して心も体も壊れてしまった者もいる。
だがこのような思いをするならば、次回からは自重しよう。
クカイ和尚の内心など分かる筈もないコールは、懐から無線機を取り出す。
「一件だけ、連絡をしてもいいですか?」
「……どうぞ、拙僧も考えをまとめたいので」
「ありがとうございます」
翳して問いかけ、了解を得てからコールはペンドラゴン代表へと連絡した。
『どうした』
「緊急事態です。拘束具を外してください」
『……アーサーの任務関係か?』
「そうです。詳しくは撤退中のアーサー様から聞いてください。僕は暫く手が離せません」
『博士に言ってすぐに外させる』
クカイ和尚は、酷薄な笑みに反して切羽詰まった口調を取り繕うコールへ冷めた眼差しを送り、無線機を胸ポケットにしまったところへ問うた。
「もしや、先程の集団もあなたが?」
「……先程?」
しかしクカイ和尚の推察は外れる。
問いに返されたのは、心底から不思議そうな態度だった。見当も付かないとばかりに、記憶を探っているように見える。
「コールさん……でいいのですよね」
「はい」
「コールさんに到底及ばないまでも、これまでの人間達とは別格な集団に襲われました。人工精霊を宿す彼等よりも、よほど強い方々でしたね」
「……そんな裏事情もあるのか」
「何か仰いましたか?」
小声で何か呟いたコールだったが、同時に何処か腑に落ちたという様子も見られた。
「いいえ、忘れてください」
「あの人間達はあなたのお仲間ですか?」
「そちらも否定します。まったく別口で、僕にも思い当たるものはありません」
コールは「カチリ」と左手首の腕時計が外れるのを確認。より一層の笑みを深めながらクカイ和尚へ告げる。
「ではそろそろ始めましょうか」
「何をですか?」
「悪魔と人間が出会ったんだ。やる事なんて一つだろ?」
口調も変えて右手に刀を生み出し、眼光と同様の鋭利な光を放つ刃を構える。獣が牙を剥くように、切っ先をクカイ和尚へ向け、昂りを言葉に込めて突き付けた。
「……」
「……」
殺し合いの火蓋が、飾り気もなく切って落とされる。
「バフォメット」
動いたのは、クカイ和尚だ。
外に出していたバフォメット達をコールへ殺到させる。黒色の怪物達が跳躍し、コールひとりへ飛びかかった。溶解の右手、凝固の左手を前に突き出し、矮小な人の身を喰らう。
けれど、赤の稲妻が閃く。
「――!」
赤い線が幾重にも織り込まれる。人影を覆い隠すバフォメット達がほぼ同時に斬り飛ばされた。赤い雷光が奔るとバラバラに斬り刻まれ、尚も襲う端から斬られていく。
「っ!」
斬りながらに新たな攻撃を察知する。クカイ和尚の両方の袖口から大蛇の束が飛び出ており、コールへ噛みつこうとしていた。
一度でも噛まれたなら牙は外れず、悪魔の毒が混入されると共に、何重にも巻きつかれて大蛇の繭となって圧死させられるだろう。
「――」
だがコールは左手を振って【赤雷】を鞭のように飛ばすのみ。
それだけで一筋の赤い雷は蛇の悪魔を打ち、感電させる。悪魔達はベクトルを変えられて四方八方へ、高速で飛ばされてしまう。
更にコールは手に握る刀を【赤雷】を流して投擲。蛇の群れの中心を穿ち、爆散させながら貫いた。
「っ……!?」
クカイ和尚の反応速度さえも超え、左胸へと刃が突き刺さった。
「オラっ!」
『ギャオウッ――!?』
加えて襲ったバフォメットを、【赤雷】を纏った右拳で殴り付け、クカイ和尚へ打ち出した。高速で射出されたバフォメット自身にも雷は感電し、見るも恐ろしい速さで巨体が和尚を襲う。
「クッ……!」
蓄積された経験が、和尚の意識よりも早く高位の悪魔を袖口から吐き出し、巨大な顎門がバフォメットを噛み千切る。
すぐにコールの姿を確認。残りのバフォメット達を殴り殺し終える様を視認し、即座に二体の伯爵級悪魔を吐き出した。
「――グッ!?」
しかし完全に外界へ吐く前に、コールの赤光放つ拳はクカイ和尚の顔を打つ。スピード系と言えども有り得ない速さで迫られ、否応なく殴られながらに悪魔を解放した。
これが功を奏し、飛び出る悪魔はクカイ和尚の意図を察して、コールを派手に打ち飛ばしながら実体を形作る。
「ちぃ……」
「……お強いお人だ」
両者揃って弾丸の速さで地面を転がり、すぐに何事もなかったように立ち上がる。
「あなたは拙僧と違い、ただ強大なだけではない。戦闘に強く、殺し合いに強い。戦士として強く、生物として強い」
レベルはさして変わらないだろう。魔力量も、持っている手札も。
だがクカイ和尚はコールの生物としての強さを認め、惜しみない賞賛を送った。
「申し訳ありませんが、これにて拙僧は帰らせてもらいますよ。あなたは危険だ」
「まあ待ってよ。ホントは和尚を殺すつもりはないんだよ。和尚が吐く悪魔目的で来たんだ。もっとやろうぜ」
「ならば尚更ですよ。あなたにはこれ以上、強くなってもらっては困ります。悪魔を代表して言いますが、あなたという存在が恐ろしくて仕方がない」
クカイ和尚は微笑みながらも、本音を語ったつもりだった。
しかしコールは鼻で笑って和尚の言を切り捨てた。未だ赤い雷が残る刀へ手を伸ばし、和尚の胸から自身へ方向を変えて加速。改めて刀を手に掴み、和尚の嘘を暴く。
「嘘だな。なんたってあんたら悪魔には、あの《夜の王》がいる。悪魔が敗北するなんて、少しも思ってないはずだ」
「……あの方はコールさんが思う程、悪魔思いではないのですよ」
「へぇ……意外だな」
困り顔で言う和尚は考えを変えるつもりはないようで、悪魔二体にコールを任せて逃走を決行した。踵を返して急ぎ早に帰路へ就く。
「それではまた何処かで――」
赤い閃光が背後から弾け、蜘蛛の巣のように稲妻が広がる。一帯にいる生物を直下へ加速させ、桁外れな重力場に晒すように押し潰す。
「――っ!?」
「待てって言ったよな……」
赤く輝く世界の中心で、刀を地面に突き刺すコールは和尚を笑う。地鳴りを生み、地は割け、人を超えた力をまた行使する。
「人工精霊の代わりを務めるには、まだ“もてなし”が足りないだろ?」
「……いいえ」
片やクカイ和尚も困り顔で笑い、下半身から巨大な蜘蛛の足を生やした。衣装を破り、突き出た鋭利な八本の脚で赤い雷の特性に抗い、移動を開始した。
「十二分以上にご挨拶はいただきました」
「やっぱりまだ止められないか……」
赤雷の領域からも飛び出し、蝙蝠のような巨大な翼を生やして飛び去ってしまう。
残されたのは、コールと悪魔が二体。コールが作り上げた赤雷の力場にありながら、辛うじて身動きをし続ける驚異の悪魔達だ。
「それじゃ、残り物も食っちゃおうか」
刀を引き抜いて力場を解消し、代わりに左手へと……極大の炎を巻き上げた。龍の炎はクカイ和尚への未練ごと悪魔を焼き殺し、魔城の魔物達ごと灰に消した。
魔王の右腕と称される悪魔が人間から逃走した事実は、ある人物を動かすキッカケとなるのだった。
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