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9にゃす「わこの道案内」
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今日は土曜日。
昨日、家に帰ってから母に連絡を入れ、実家に帰ると伝えた。
休日限定のスニーカーを履いて、遠足にいくような気分で家を出た。
バタン ガチャカチャ
鍵をかけて、いつぞやのにゃすのように駆け出した。
実家に帰るのは久々だが、まだ私がそのまま住んでいるような形で残っている。背負っているバックには大した物は入っていない。最近お気に入りの化粧品と基礎化粧、明日の着替えと下着、あとはちょっとしたものくらいだ。
にゃすとは地元の駅裏から少し離れた公園で待ち合わせをすることにした。
昨日の話を要約すると、どうやら前回運んでくれたにゃすが不在で実家がわからないとのことだった。
にゃすは人海戦術、もといにゃす海戦術で地元にゃすと家を捜索したが、似たような家や似たような母がいて、お届け出来ていないとのことだった。
もっと詳しく情報を知りたいと再び尋ねてくれたこと。私が遅くに帰ってきたので気を使ってくれたことなども話してくれた。にゃすに会えたら不眠で働けますけど?
あのアーモンドの潤んだ瞳で見つめられて、こちらから提案をした。
それで実家まで私が案内することになったのだ。
電車を乗り継いでトータル一時間弱、地元の駅についた。
日は高く登り、空と雲のコントラストが気分をさらに高揚させる。
特に大きな駅でもなく、観光地でもないので、休日の昼間は人が少ない。
駅の改札に電子マネーのカードを軽く当てて、改札を抜ける。この改札も昔は切符を挿入していたな、なんて思う。
裏手にはちょっとした広場とバス乗り場、タクシーの待機場がある。
いつもならここからバスに揺られて実家を目指すのだが、今日は徒歩で案内をしつつ帰るのだ。
日々のウォーキングの成果がここで発揮されるとは思ってもなかった。
公園の入り口のすぐ左手にベンチがあったので、腰掛ける。周りを見渡したが、お昼時ともあって公園に子どもさえいなかった。
早速カバンから、にゃすに教えてもらった通り、お届け|案内と書いた付箋とソフトタイプの棒状のおやつを取り出した。ちょっと恥ずかしいけど、胸元に付箋を貼り、待った。
「おいしそうにゃす」
またもや突然声がした。すこしびくっとなったが、流石に慣れてきた。
声がしたほうを見ると、ベンチの隣ににゃすがちょこんと、四足でお座りしていた。顔はがっつりおやつを見ていたが。
「にゃーはだれにゃす?おとどけするひとにゃす?」
のんびり話しすそのにゃすは、茶色とクリーム色の中間のカラーに濃い茶色の筋が入っている。お腹あたりは白っぽく、瞳は黄土色と黄色のビー玉みたいだ。
顔は絶妙にブサイクで愛でたい。特に目の形が半円の丸を下にしたような形をしていて、漫画顔かよって突っ込みたくなった。
「こんにちは、わこです」
「わこ、おとどけするにゃ?」
「にゃすの案内に来たの、たみこの家のおとどけもの」
「にゃにゃ!うれしいにゃす、まいごにゃす」
話しながらも目線が釘つけだったので、お近づきの印として納品させて頂いた。焦りながら奥歯で一生懸命かみかみしている姿を少しの間眺めた。緊張が解けたのか、普通に腰掛けるようにベンチに座り直していた。
にゃすは両手をうまく使う。その両手からおやつが無くなり、ザリザリと手を舐めてお手入れしてる姿なんて、心の中の私が息をあげ、心臓が握り潰されそうだ。
「げふ、しゅっぱつにゃす」
「うん、行こうか」
「にゃす、にゃーたちはうしろから、ついてくにゃす」
そう言うと、さっと姿をくらました。
新しいにゃすとの出会いで悶え苦しんだわ。
昨日、家に帰ってから母に連絡を入れ、実家に帰ると伝えた。
休日限定のスニーカーを履いて、遠足にいくような気分で家を出た。
バタン ガチャカチャ
鍵をかけて、いつぞやのにゃすのように駆け出した。
実家に帰るのは久々だが、まだ私がそのまま住んでいるような形で残っている。背負っているバックには大した物は入っていない。最近お気に入りの化粧品と基礎化粧、明日の着替えと下着、あとはちょっとしたものくらいだ。
にゃすとは地元の駅裏から少し離れた公園で待ち合わせをすることにした。
昨日の話を要約すると、どうやら前回運んでくれたにゃすが不在で実家がわからないとのことだった。
にゃすは人海戦術、もといにゃす海戦術で地元にゃすと家を捜索したが、似たような家や似たような母がいて、お届け出来ていないとのことだった。
もっと詳しく情報を知りたいと再び尋ねてくれたこと。私が遅くに帰ってきたので気を使ってくれたことなども話してくれた。にゃすに会えたら不眠で働けますけど?
あのアーモンドの潤んだ瞳で見つめられて、こちらから提案をした。
それで実家まで私が案内することになったのだ。
電車を乗り継いでトータル一時間弱、地元の駅についた。
日は高く登り、空と雲のコントラストが気分をさらに高揚させる。
特に大きな駅でもなく、観光地でもないので、休日の昼間は人が少ない。
駅の改札に電子マネーのカードを軽く当てて、改札を抜ける。この改札も昔は切符を挿入していたな、なんて思う。
裏手にはちょっとした広場とバス乗り場、タクシーの待機場がある。
いつもならここからバスに揺られて実家を目指すのだが、今日は徒歩で案内をしつつ帰るのだ。
日々のウォーキングの成果がここで発揮されるとは思ってもなかった。
公園の入り口のすぐ左手にベンチがあったので、腰掛ける。周りを見渡したが、お昼時ともあって公園に子どもさえいなかった。
早速カバンから、にゃすに教えてもらった通り、お届け|案内と書いた付箋とソフトタイプの棒状のおやつを取り出した。ちょっと恥ずかしいけど、胸元に付箋を貼り、待った。
「おいしそうにゃす」
またもや突然声がした。すこしびくっとなったが、流石に慣れてきた。
声がしたほうを見ると、ベンチの隣ににゃすがちょこんと、四足でお座りしていた。顔はがっつりおやつを見ていたが。
「にゃーはだれにゃす?おとどけするひとにゃす?」
のんびり話しすそのにゃすは、茶色とクリーム色の中間のカラーに濃い茶色の筋が入っている。お腹あたりは白っぽく、瞳は黄土色と黄色のビー玉みたいだ。
顔は絶妙にブサイクで愛でたい。特に目の形が半円の丸を下にしたような形をしていて、漫画顔かよって突っ込みたくなった。
「こんにちは、わこです」
「わこ、おとどけするにゃ?」
「にゃすの案内に来たの、たみこの家のおとどけもの」
「にゃにゃ!うれしいにゃす、まいごにゃす」
話しながらも目線が釘つけだったので、お近づきの印として納品させて頂いた。焦りながら奥歯で一生懸命かみかみしている姿を少しの間眺めた。緊張が解けたのか、普通に腰掛けるようにベンチに座り直していた。
にゃすは両手をうまく使う。その両手からおやつが無くなり、ザリザリと手を舐めてお手入れしてる姿なんて、心の中の私が息をあげ、心臓が握り潰されそうだ。
「げふ、しゅっぱつにゃす」
「うん、行こうか」
「にゃす、にゃーたちはうしろから、ついてくにゃす」
そう言うと、さっと姿をくらました。
新しいにゃすとの出会いで悶え苦しんだわ。
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