勇者ブレイドの冒険~無能な勇者(リーダー)呼ばわりで皆脱退?!でもかわいい女の子たちとハーレムパーティー組んだんで戻りたいと言っても遅い!

三浦ウィリアム

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第2章~新たなる旅立ち~

第2話Part.3~旅の空の下でだって新鮮なものが食べたい!~

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 川の方まで下って行き、俺は鎧を外して服を脱いでいく。大自然で素っ裸になって心地よいそよ風を受けると様々なものから解放されたような気分になる。
 まずは身体いっぱいで大自然の空気を浴びてから次に川の水に身を浸すことにした。右のつま先で水の冷たさを確かめる。少し冷たいものの入れない程ではないのでまずは足から川の水に足を浸す。次第に前へ進んでいき膝まで、腰までと進んでいく。深さは俺の腰辺りくらいまでなので次は腰を下ろしていき、肩までどっぷりと水に浸かった。
 さっきまで道を進み、魔物を倒し、そして野営の準備をしてと少し熱くなっていた身体が冷やされていく。

 一度川から上がって、俺はアンから返却されていた石鹸を持つ。彼女らが使用したばかりなので石鹸は少し水気を含んでいる。俺は川の水を掬って石鹸を泡立てて身体を洗い始める。久しぶりの洗身なので足から頭の先まで特に念入りに洗った。やはり石鹸でしっかり身体を洗うとさっぱりとして気持ちがいい。
 俺は身体を拭いてから服を着替えてからもう一度大自然の雄大さを確かめた。川を見てみると魚が泳いでいる。大きさも中々大きい。これだけ綺麗な水なら当然の話だが、俺はこの魚を釣ろうと思い釣り道具を取ってくるため俺は野営地に置いてある自分の背負子の方に戻ることにした。

「ご苦労様です!」
「おかえりなさい」

 野営地に戻るとアンとミリアが迎えの言葉を言う。俺はそれに応えてから背負子の荷物を探って細長くしなりやすい木の棒と小さな箱を取り出した。アンはそれに興味を持ったようでこちらを覗き込んできて

「ブレイド殿、それは?」
「ああ、釣りでもしようと思ってな。保存食も悪くは無いがやっぱり新鮮な食べ物には敵わない。時間もあるしな」

 アンが俺の取り出した道具について尋ねてきたのでこれは釣り道具だと答える。
 糧食は次の目的地であるランヌの街までかかる3日分と、不測の事態に陥った時のための3日分の計6日分を今回購入した。だが自分で持ち運ぶ関係上1食分はあまり多くないので少し物足りなく感じる事もある。
 そして保存が利きやすいように施された糧食ばかりでなるべく美味しく食べられるようには処置されているが、それでもやはり新鮮な物には敵わない。そのため日没までには時間もあるので魚釣りをすることにしたと説明した。

「へぇ~!どうやってやるんですか?」
「そうだな。じゃあ荷物だけ持って付いて来てくれるか?どうせ洗濯もしなきゃならないし」

 魚釣りだと聞いてミリアも興味を持ってその道具をどう使うのかと尋ねてきた。今持っているのは何の変哲もない棒と箱だけ、これでどうやって魚を釣るのかと気になったようだ。
 服の洗濯もしなくてはいけないので2人に川まで付いて来るように言った。3人とも移動すると荷物を見る人が居なくなるので皆に荷物を持ってくるように言って3人で川へ。

「この棒に釣り糸を結び付けて、更に上から糸を巻き付けて固定する。釣り糸に小石を結び付けて錘にすると釣竿の完成だ」
「へぇ~釣竿ってそうやって作るんですね!」
「勉強になりました!」

 先端に釣り針を付けた糸が巻き付けられた糸巻きを持ってきた箱から取り出して、棒に糸を取りつける。そして河原に落ちている適当な大きさの石に糸を巻き付けてそれを錘として簡易な釣竿を作成した。
 2人はそれを興味深そうに眺め、竿が完成した時は目をキラキラと輝かせながら竿を見ていた。

「釣りとなれば餌が必要になるが…………この辺りかな」
「餌……?」
「お、居た居た。この虫を針に取りつける」
「む、虫?!む、虫はちょっと苦手です……」
「じ、じ、じ、自分も少し……」
「そうか……」

 しかしそのキラキラしたまなざしも釣り針に餌となる虫を河原の石をひっくり返して、そこに居るものを取りつける際には怯えの眼差しに変わっていた。どうやらミリアもアンも虫は苦手らしい。特にアンの方が怯えていて、少しどころではない苦手ぶりだった。

「魚釣りは俺がやっておくから、2人はそこで服の洗濯をしてくれるか?」
「了解であります!」
「分かりました!」

 2人とも虫は全くダメそうなので俺が魚釣り、少し離れたところで2人には今まで着ていた服を洗濯してもらうことにした。
 俺は川の水面に釣り糸を垂らして魚が掛かるのを待つ。穏やかな天気で穏やかな流れの川。今この瞬間だけで言うなら魔王などという者が存在し、世界に大きな危機が迫っているなど全くの嘘かのようにすら感じられる。
 普段気持ちが張りつめている分、こういったのんびりとした時間を過ごせるのも釣りの魅力だ。

 時折アンがこちらの方に来て釣果を尋ねてくるが中々釣り上がらない。まあそういう日もあるとのんびり構えている。
 結局中々釣果が上がらないまま、時間が過ぎていく。ミリアとアンの方は洗濯が終わって服を干しに行って戻ってきた。

「釣れましたか?」
「あーダメだな」

 ミリアにも釣果を聞かれたが今のところ1匹も釣れていない。そんな話をしていると竿に手ごたえを感じた。(きっとこの魚はオスだな。ミリアとアンが来た途端にかかったぞ)としょうもないことを思いながら、俺は竿を持ちながら立ち上がり「掛かった!」と叫ぶと2人はこちらの方に集中する。
 手ごたえ的に中々大きい魚ではないかと感じた。せめて1匹くらいは釣りあげておきたいと思っていたのでこれは絶対に逃したくない。
 後ろの2人からは声援が飛んでくる。こんな雰囲気の中で釣りをしたのは初めてかもしれない。前のパーティーでは誰も興味無さそうだったが、釣れなかった時は何か犯罪でもしたのかと言うくらいの態度を取られる。
 俺は声援を背に受けながら必死で逃げようとする魚を疲弊させるために耐える。そして魚の勢いが少し弱まったと見た時、竿を一気に上げて魚を釣り上げた。

「釣れたーっ!」
「わぁ~っ!」
「お見事です!」

 俺が釣り上げた魚は体長が約30センメラーほどあり、銀白色に輝くような鱗を持つマッサオという魚だった。ガルヴァン王国では比較的多く見られる魚で、食用としても問題ない。
 俺は釣りあげたマッサオを川べりに作った簡易な生け簀に入れる。まだ夕食の時間には早いので鮮度を保つためだ。
 ここから俺は立て続けに3匹釣り上げた。そういった入れ食い状態になるときはたまにあるが、釣りはこの辺りでやめておく。もう時間的に釣りを楽しんでいられる時間でも無くなってきたからだ。

「釣りをすると意気込んで釣果0は寂しかったから、何とか4匹釣れてよかったよ」
「凄かったです!続けてポンポンって」
「2人が来た途端だったからなあ。あの魚、全部オスかもしれん」
「ん?どういうことでありますか?」
「俺より2人の方に集まったのかも」
「魚は人間の性別を見分けられるのでありますか?」
「すまん。冗談だ」

 俺たちは生け簀に入れた魚を見る。生け簀の中で4匹のマッサオがゆらゆらと留まっている。ミリアもアンも魚釣りを初めて見たようで目をキラキラとさせながら楽しそうにしていた。
 ミリアとアンが来た途端一気に釣果が上がったので、さっき頭の中で過った冗談を言ってみたが、アンに思いの外真面目に受け取ってしまったようで俺は少し苦笑いしながら彼女に冗談だと謝った。

 日も少し傾き始めてきた。俺たちは夕飯の準備をするため、釣った魚を手に野営地に戻った。
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