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第2章~2回目の小学生~
第7話Part.2~アーシュレと不思議な男の子~
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試行錯誤を続けて1週間。遂に川の水がほとんど流れず、井戸も砂が混じるようになってきたと報告が上がってくる。もう一刻の猶予も無い。そんな時アーシュレは夢か幻か、不思議な体験をしたという。
いつも通り領内の視察へ森を通った際、急に辺りに霧が立ち込めた。
「これが雲となり雨を降らせてくれればな。」と詮無いことを思っていると、1人の5歳くらいの男の子が霧の奥から現れた。彼はそこに居たというより本当に霧から現れたように見えたという。
「ボク?森は危ないですよ?それに今は霧も立ち込めています。村の方へ一緒に行きましょう。」
と声を掛けると、その男の子は無邪気に「うん!」と答えて、更にアーシュレが乗る馬に一緒に乗りたいと言った。従者は「無礼な。」と言ったが、彼女は乗ることを許可した。そして従者の手を借りて馬に乗った男の子は嬉しそうに乗っていたそうだ。
「そういえばお姉ちゃん、川でがんばって何か言ってたね。アレはなあに?」
と男の子は不意に尋ねてきた。それはアーシュレが雨雲を呼び出す魔術を唱えるために発していた声だった。まさか聞かれているとは思っていなかった彼女は顔を真っ赤にしながら、「あれは雨雲を呼ぶための呪文を探しているの」と答えた。
「ふぅ~ん。何で?」
保護者によほど手厚くされているのか、この地域に住む民なら彼くらいの歳の子ですら知っている日照りの事を聞いてきたが、彼女は丁寧に「雨が降れば作物も飲み水も確保ができて、みんなが助かるからよ。」と教えてあげた。
「そっか!お姉ちゃんがんばってね!」
と無邪気で純粋な笑顔を見せながら、彼女を激励する男の子。するとどうやら集落に近づいたようだ。霧で見えづらいが門の様なものが見える。すると男の子は急に降りると言い出す。アーシュレは男の子を下ろしてやると
「ありがとうお姉ちゃん。助かっちゃった。そうだ、僕んちの幸せのおまじないを教えてあげる。【ヤーグス】。きっと良いことがあるよ。じゃあね!」
「あっ危ないですよ!」
男の子はアーシュレに礼を言った後、集落の方へと駆けて行った。まだ霧が出ているので危ないと言い終わらない内に男の子の姿は消えてしまった。本当に遠くへ行って見えなくなったというより、霧に溶けて見えなくなったように見えた。そして彼が消えた後霧は急に晴れた。
当然村の門番が立っており、さっきまで深い霧で見えなかった領主の娘の姿を視認して慌てて挨拶をする。
アーシュレは門番2人にさっき5歳くらいの男の子が通らなかったかと尋ねたが、「そんな気配はありませんでした。」と返された。彼らも門番をしているのだ、本当に何かが通れば気配くらいは感じるであろうし、ますます男の子の存在は謎に包まれた。
いつも通り領内の視察へ森を通った際、急に辺りに霧が立ち込めた。
「これが雲となり雨を降らせてくれればな。」と詮無いことを思っていると、1人の5歳くらいの男の子が霧の奥から現れた。彼はそこに居たというより本当に霧から現れたように見えたという。
「ボク?森は危ないですよ?それに今は霧も立ち込めています。村の方へ一緒に行きましょう。」
と声を掛けると、その男の子は無邪気に「うん!」と答えて、更にアーシュレが乗る馬に一緒に乗りたいと言った。従者は「無礼な。」と言ったが、彼女は乗ることを許可した。そして従者の手を借りて馬に乗った男の子は嬉しそうに乗っていたそうだ。
「そういえばお姉ちゃん、川でがんばって何か言ってたね。アレはなあに?」
と男の子は不意に尋ねてきた。それはアーシュレが雨雲を呼び出す魔術を唱えるために発していた声だった。まさか聞かれているとは思っていなかった彼女は顔を真っ赤にしながら、「あれは雨雲を呼ぶための呪文を探しているの」と答えた。
「ふぅ~ん。何で?」
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「そっか!お姉ちゃんがんばってね!」
と無邪気で純粋な笑顔を見せながら、彼女を激励する男の子。するとどうやら集落に近づいたようだ。霧で見えづらいが門の様なものが見える。すると男の子は急に降りると言い出す。アーシュレは男の子を下ろしてやると
「ありがとうお姉ちゃん。助かっちゃった。そうだ、僕んちの幸せのおまじないを教えてあげる。【ヤーグス】。きっと良いことがあるよ。じゃあね!」
「あっ危ないですよ!」
男の子はアーシュレに礼を言った後、集落の方へと駆けて行った。まだ霧が出ているので危ないと言い終わらない内に男の子の姿は消えてしまった。本当に遠くへ行って見えなくなったというより、霧に溶けて見えなくなったように見えた。そして彼が消えた後霧は急に晴れた。
当然村の門番が立っており、さっきまで深い霧で見えなかった領主の娘の姿を視認して慌てて挨拶をする。
アーシュレは門番2人にさっき5歳くらいの男の子が通らなかったかと尋ねたが、「そんな気配はありませんでした。」と返された。彼らも門番をしているのだ、本当に何かが通れば気配くらいは感じるであろうし、ますます男の子の存在は謎に包まれた。
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