凡人高校生

ゆるだら公

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凡人高校生

4話

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キュッ _キュッ

「ッは、ほいっ」

「すげぇじゃん、蓮見!また点入った!」

「まぁね。スポーツは得意分野だから。ていうか、君もバスケ部でしょ」

「はは、そうでした」

準備運動が終わり、チームに分かれて満たちはバスケの試合をしていた。
蓮見が点を入れる度に、遠くで観戦している女子が歓喜の悲鳴をあげている。蓮見はその女子たちに軽く手を振り、試合に戻った。

「…ッぜぇ、ぜぇ、ッまって、ボールまってッ…」

奥から重苦しそうな声が聞こえてくる。呂律が回っていないらしく、言動もあやふやになっていた。

「…大、走っただけで息上がってる」

それが大だと気づいた蓮見は、不安気に顔色の悪い彼を注視した。

「大ちゃん、運動全般無理だからな。相手チームでよかったわ」

「俺もそう思うけど、あの調子じゃ倒れちゃうんじゃない?」

蓮見の心配事に、満はヘラヘラと薄ら笑いを浮かべた。

「大丈夫だ。アイツは我慢強いからな」

「それ1番ダメなやつだよね!?」

「ぜぇ、ぜぇ…も、もうおれ…ッ。でもここでぬけたら、はぁ、めいわくかけるっ…」

足もガクガクで酸欠なりかけの大は、まだボールを追いかけている。

「ほらな」

「ほらな、じゃないでしょ!あれはもう抜けた方がチームのためだと思うよ!」

「あ、ボールきた。蓮見パスッッ!」

突っ込むのに忙しい蓮見に、満がパスを出す。

「えええ?!今!?……ッほっ」

「イェーイ!スリーポイント!!」

「…焦ったぁ…」

蓮見は胸を撫で下ろして、ほっと息をついた。
また女子の歓声が耳に入ってくる。
それに紛れて、弱々しい声が蓮見を過ぎった。

「…はぁ、はぁ、…なかなかっ、…やるね」

「いや君が言うなよ」



_____✻✻_____



__放課後

大と満は、部活に向かうところだった。

「そういえば、大ちゃんってなんの部活入ってるんだっけ。帰る時間一緒だし、帰宅部ではないよな」

「俺?創造部」

「…なに想像するんだよ」

満が呆れたように呟く。

「その想像じゃなくて、なんか描いたり作ったりする部活。工作部?みたいな。こう見えても俺、部長やってるから」

ドヤっとした顔で、大は胸を張った。
それに少々目を丸くした満だが、そこから納得した表情を見せた。

「へぇ~、すげぇ。まぁ、大ちゃん運動できないし、絵も全然だから、作るのが1番合ってると思うぜ」

「…ディスった?今ディスったでしょ」

「さ、早く行くぞ。顧問に怒られちゃう」

「おい」

満は大の言葉を無視し、体育館へ。大は空き教室に向かった。
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