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ぼっち勇者 〜僕も仲間がほしい!!〜
2話
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__5年前
「よしっ、やっと勇者になれたぞ。早速仲間を見つけて魔王退治出発だー!」
まだ18歳と若かった僕は、正義感だけで突っ走っていた。
「…というか、この街は商人や一般人が少ないな。みんな出ていったのか?」
この時は魔王の配下の活動が活発になるや、モンスターが沸きに沸いたので、武器も何も無い人たちは、みな他の街に行ってしまったのだ。
「でも、冒険者はまだいるようだな。暇そうな人何人かに声かけてみるか。できるだけ戦力になって、仲良く出来そうな人がほしいなうへへ」
仲間という響きに憧れていた僕は、友情で結ばれるために必死で探した。
(………キモイなコイツ。しかも本命魔王討伐じゃなくて仲間がほしかっただけかよ)
そばで静かに勇者の昔話を聞いていたゼロは、無表情でもう何が何だかわからないといった様子だった。
そして、勇者の話はまだまだ続く__
僕はとりあえず冒険者ギルドに行って、見た目強そうな人に声をかけた。
「やあ、その杖は…魔法使いですか?ちょっと話があるんだが」
「………」
「…?あ、あの…」
反応がなかったので、もう一度声をかけて魔法使いらしき老けた男性の肩に手を置いた。
「!?『雷』!!」
「うぇぁぁあ!!?」
振り返ったと思ったら急に魔法を唱えられ上から雷が降ってきた。
寸前のところで僕は避けたが、危うく新品の防具を傷つけるところだった。
僕はこの瞬間初めて魔法を見たが、もっと他の機会に使って欲しかった。モンスターを倒す時とか、傷を癒す時とか。
「……あ」
「な、な、何するんですか!?」
慌てている僕を見た魔法使いは、はぁぁと深いため息をついて手を頭にやった。
「すまん、いたのかそなた。全然気づかなかったわい。しかもここは冒険者ギルドだというのに。……末期症状じゃ………」
「は、はぁ……」
(…なんか、疲れてる人に声かけちゃった)
少し申し訳なさを感じながらも、一応誘ってみた。
「…それで、わしに何か用かの」
「あ、はい。僕今、パーティ作りたくて仲間を探してるんですけど…」
そこまで言うと、魔法使いは目をギラつかせて僕に飛びついた。
そして、震えた声で言った。
「……やめておけ」
「………え?」
飛びついてきたので、僕はそんなに仲間に加わりたいのかとわくわくしてたが、どうやら違ったらしい。というか真逆だった。
「お前さん、余所もんじゃろ。ここいる冒険者はみな、冒険者という職業の内容を忘れかけておる」
「…というと?」
「周りを見てみろ。呑気に屯して酒飲んどるじゃろ。このギルドも、もうただの居酒屋と化しているのじゃよ」
ここにいる冒険者は、酒をあおったり、愚痴を吐いたり雑魚寝しているなどと、討伐クエストの張り紙を見ようとする者は1人もいなかった。それどころか、討伐クエストすらもう1、2個という、なんとも少ない数だった。
「………冒険者とは………」
「わしも冒険者じゃが、もう戦いに出る気にはならん」
思い出しただけでも頭が痛くなると、魔法使いはまた頭を抱える。
「…なんでですか?街がピンチだっていうのに」
「そこが問題なんじゃ」
「?」
「まず第1に、というかこれが全ての原因に繋がる。…魔王が強いことじゃ」
「…だから魔王を倒すのでは?」
当たり前かのように呟いたが、魔法使いはブンブンと首を横に振った。
「魔王が強すぎる=配下も強い=モンスターも強い。どうやら魔王は、雑魚な敵にも攻撃力アップの魔法をかけているらしいのじゃ」
「……それは、徹底的に倒しに来てますね」
「そして、モンスターが強い=街にも影響=無知な者はみな出ていく=簡単な討伐が無くなる(というか魔王の影響で元々弱いモンスターも強くなってる)
……これはヤバイじゃろ」
「…………ヤバいです。非常に」
なんとも悲しい方程式が完成して、この街に来たばかりの僕も、同情しきれない。
「商人らがいなくなると、ものも買えなくなるし、他の街からも恐れられて食べ物も届くのが遅い。
……もうこのギルドも、いや、この街自体が潮時じゃな。もういっそ魔王に渡した方が幸せかもしれん」
何度もため息を吐いている魔法使い。確かにこの街は崩壊寸前。戦いに行くよりかは、遠い街に行って気楽に過ごした方がいい気もする。
__しかし、僕は違った。
「……それでも、そんな時だからこそ、僕は行きます!街のみんなも、魔王を倒すのを心待ちにしているでしょうから!!」
「……あぁダメじゃコヤツ。あんなに長々と説明してやったのに何も理解しておらん…。もしもお前さんが魔王を倒したとしても、その時にはもうこの街には誰1人とて残っとらんぞ」
魔法使いは僕の行動をやめさせようと声をかける。でも、僕は止まらなかった。
「でも、街が平和になったら、また住んでくれる人が来るかもしれません!」
「……勇者………」
(意外といい奴…)
「そして魔王を倒し平和を保った僕は前人類に崇め奉られるのですうへへへへ」
(前言撤回………ダメじゃった)
この勇者に街は任せられないと、魔法使いは慌てて止めようとする。しかし、僕はやる気に満ち滾っており、もう止めることは不可能に近かった。
「魔法使いさんは、この街にあとどれくらいいますか?」
「…そうじゃのぅ。あと5年もしたら街を出るかな」
「わかりました!!じゃあそれまでに、仲間を集めて絶対魔王を退治しますね!
じゃ、僕は他の人を誘ってみます。ありがとうございました!」
「あぁ!待ちなさい!……行ってしまった」
意気軒昂に走って行ってしまった僕の背中を、魔法使いは見つめるだけとなってしまった。
「……もう戦う意思のある奴なんてお前さんしかいないぞ……」
「よしっ、やっと勇者になれたぞ。早速仲間を見つけて魔王退治出発だー!」
まだ18歳と若かった僕は、正義感だけで突っ走っていた。
「…というか、この街は商人や一般人が少ないな。みんな出ていったのか?」
この時は魔王の配下の活動が活発になるや、モンスターが沸きに沸いたので、武器も何も無い人たちは、みな他の街に行ってしまったのだ。
「でも、冒険者はまだいるようだな。暇そうな人何人かに声かけてみるか。できるだけ戦力になって、仲良く出来そうな人がほしいなうへへ」
仲間という響きに憧れていた僕は、友情で結ばれるために必死で探した。
(………キモイなコイツ。しかも本命魔王討伐じゃなくて仲間がほしかっただけかよ)
そばで静かに勇者の昔話を聞いていたゼロは、無表情でもう何が何だかわからないといった様子だった。
そして、勇者の話はまだまだ続く__
僕はとりあえず冒険者ギルドに行って、見た目強そうな人に声をかけた。
「やあ、その杖は…魔法使いですか?ちょっと話があるんだが」
「………」
「…?あ、あの…」
反応がなかったので、もう一度声をかけて魔法使いらしき老けた男性の肩に手を置いた。
「!?『雷』!!」
「うぇぁぁあ!!?」
振り返ったと思ったら急に魔法を唱えられ上から雷が降ってきた。
寸前のところで僕は避けたが、危うく新品の防具を傷つけるところだった。
僕はこの瞬間初めて魔法を見たが、もっと他の機会に使って欲しかった。モンスターを倒す時とか、傷を癒す時とか。
「……あ」
「な、な、何するんですか!?」
慌てている僕を見た魔法使いは、はぁぁと深いため息をついて手を頭にやった。
「すまん、いたのかそなた。全然気づかなかったわい。しかもここは冒険者ギルドだというのに。……末期症状じゃ………」
「は、はぁ……」
(…なんか、疲れてる人に声かけちゃった)
少し申し訳なさを感じながらも、一応誘ってみた。
「…それで、わしに何か用かの」
「あ、はい。僕今、パーティ作りたくて仲間を探してるんですけど…」
そこまで言うと、魔法使いは目をギラつかせて僕に飛びついた。
そして、震えた声で言った。
「……やめておけ」
「………え?」
飛びついてきたので、僕はそんなに仲間に加わりたいのかとわくわくしてたが、どうやら違ったらしい。というか真逆だった。
「お前さん、余所もんじゃろ。ここいる冒険者はみな、冒険者という職業の内容を忘れかけておる」
「…というと?」
「周りを見てみろ。呑気に屯して酒飲んどるじゃろ。このギルドも、もうただの居酒屋と化しているのじゃよ」
ここにいる冒険者は、酒をあおったり、愚痴を吐いたり雑魚寝しているなどと、討伐クエストの張り紙を見ようとする者は1人もいなかった。それどころか、討伐クエストすらもう1、2個という、なんとも少ない数だった。
「………冒険者とは………」
「わしも冒険者じゃが、もう戦いに出る気にはならん」
思い出しただけでも頭が痛くなると、魔法使いはまた頭を抱える。
「…なんでですか?街がピンチだっていうのに」
「そこが問題なんじゃ」
「?」
「まず第1に、というかこれが全ての原因に繋がる。…魔王が強いことじゃ」
「…だから魔王を倒すのでは?」
当たり前かのように呟いたが、魔法使いはブンブンと首を横に振った。
「魔王が強すぎる=配下も強い=モンスターも強い。どうやら魔王は、雑魚な敵にも攻撃力アップの魔法をかけているらしいのじゃ」
「……それは、徹底的に倒しに来てますね」
「そして、モンスターが強い=街にも影響=無知な者はみな出ていく=簡単な討伐が無くなる(というか魔王の影響で元々弱いモンスターも強くなってる)
……これはヤバイじゃろ」
「…………ヤバいです。非常に」
なんとも悲しい方程式が完成して、この街に来たばかりの僕も、同情しきれない。
「商人らがいなくなると、ものも買えなくなるし、他の街からも恐れられて食べ物も届くのが遅い。
……もうこのギルドも、いや、この街自体が潮時じゃな。もういっそ魔王に渡した方が幸せかもしれん」
何度もため息を吐いている魔法使い。確かにこの街は崩壊寸前。戦いに行くよりかは、遠い街に行って気楽に過ごした方がいい気もする。
__しかし、僕は違った。
「……それでも、そんな時だからこそ、僕は行きます!街のみんなも、魔王を倒すのを心待ちにしているでしょうから!!」
「……あぁダメじゃコヤツ。あんなに長々と説明してやったのに何も理解しておらん…。もしもお前さんが魔王を倒したとしても、その時にはもうこの街には誰1人とて残っとらんぞ」
魔法使いは僕の行動をやめさせようと声をかける。でも、僕は止まらなかった。
「でも、街が平和になったら、また住んでくれる人が来るかもしれません!」
「……勇者………」
(意外といい奴…)
「そして魔王を倒し平和を保った僕は前人類に崇め奉られるのですうへへへへ」
(前言撤回………ダメじゃった)
この勇者に街は任せられないと、魔法使いは慌てて止めようとする。しかし、僕はやる気に満ち滾っており、もう止めることは不可能に近かった。
「魔法使いさんは、この街にあとどれくらいいますか?」
「…そうじゃのぅ。あと5年もしたら街を出るかな」
「わかりました!!じゃあそれまでに、仲間を集めて絶対魔王を退治しますね!
じゃ、僕は他の人を誘ってみます。ありがとうございました!」
「あぁ!待ちなさい!……行ってしまった」
意気軒昂に走って行ってしまった僕の背中を、魔法使いは見つめるだけとなってしまった。
「……もう戦う意思のある奴なんてお前さんしかいないぞ……」
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