僕は猫?を拾う

アルマジロ

文字の大きさ
1 / 4

はじめまして

しおりを挟む
ザーザー
雨が昼から夜にかけて降ると天気予報のお姉さんが言っていたことを思い出す。憂鬱だ。僕は、雨が好きではない。

僕は、英語の授業が嫌いすぎて、そんなことを思いながら窓から見える灰色の雲と雨の日独特の香りに意識を向ける。

あー早く終わんないかな、家帰りたい。


キーンコーンカーンコーン

「ああ…もうこんな時間ですか、切りもいいですし、黒板移し終わった人から終わってください。挨拶もいいです。」

やっと終わった。
今日の最後の授業が英語とかついていない。だけど、あとホームルーム終われば帰れる。

帰ったら、何しよう…まずは姉さんに電話かな。
そんな、くだらないことを考えてたら先生が話し終わっていた。あとは、諸連絡だけで終われば解散だ。
よし、終わったから帰るか。

「なー藤谷!」

「何?」

クラスメイトの水谷に声をかけられた。

「なーバスケの助っ人きてくれねー?」

「ごめん、今日は無理また今度。」

「そっかー、仕方ないよな。」

「うんごめんね。」

水谷のしょげた顔見ると何か胸が痛む。
犬が飼い主に怒られてしょげた顔にそっくりだと感じた。
こころなしか、耳と尻尾がたれてしまっている幻覚が見える。

だが、今日は姉さんに電話するという使命がある。
言っておくが、僕はシスコンではない。
姉は、大学に入学と同時に一人暮らしをしたので家に一緒に住んでいない。2年前ぐらい前までほとんど連絡とかなかった。しかし、この時期ということもあり外に出ることはほとんどなく大学の授業もリモートで暇らしい。僕にここぞとばかりに電話を掛けてくる。

何度か、無視しようとしたことがあるがガチギレされて本当に怖かったのでもうできない。
僕だって、我が身は大事だ。

学校の3階から東階段を少し駆け足で下る。
夜にかけて雨が強くなると言っていたことを思い出した。

傘置き場から、薄い緑色の傘を手に取り昇降口から飛び出す。水たまりができる前に帰りたい。僕は、帰路を急いだ。

5分ぐらい走ると、電柱が見えてきた。もう少しで家だ。そう思っていると

「みゃーみゃー」

そう聞こえた気がした。最初はさすがに、聞き間違えだと思った。こんな、土砂降り一歩手前で水が嫌いな猫がいるはずない。だけど、万が一と思い電柱周辺を探す。
すると、ずぶ濡れになった猫が電柱のうらに横たわっていた。反対側にいたので気づくのが遅くなってしまったらしい。

「大丈夫?」

そう言って、近づいてみると前足を怪我しているのが見えた。

僕は、猫のことが心配になった。いてもたってもいられず

「うち来ない?」

そう聞きながら、鼻先に手を伸ばした。話が通じたのかどうかわからない。けど、猫は僕の手をペロッとなめて

「にぁー」

と弱々しく鳴いた。
それが、僕には返事に聞こえたんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病み墜ちした騎士を救う方法

無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。 死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。 死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。 どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……? ※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です

美澄の顔には抗えない。

米奏よぞら
BL
スパダリ美形攻め×流され面食い受け 高校時代に一目惚れした相手と勢いで付き合ったはいいものの、徐々に相手の熱が冷めていっていることに限界を感じた主人公のお話です。 ※なろう、カクヨムでも掲載中です。

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

処理中です...