双子の王子に双子で婚約したけど「じゃない方」だから闇魔法を極める

福澤ゆき

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2巻

2-1

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  ◆帰郷編


   第一章 故郷へ帰る


 冬休みが明け、最高学年の二学期が始まった。
 生徒たちの中には卒業後も学院に残り研究の道に進む者も多いが、寮生のほとんどが王侯貴族であるビオレット寮の生徒たちは、卒業後に領地へ帰る者ばかりだ。
 シュリやコンラートも例外ではない。最後の冬を名残惜しむように、数日前から二人で昼休みの時間を利用して少しずつ雪を集め、校舎の庭に巨大な雪だるまを作っていた。

「コンラート、悪い、もうちょっと右」
「オッケー」

 卒業記念にと校舎の庭で一番大きな雪だるまを作ろうと張り切ったのはいいが、あまりに大きすぎて背伸びしても頭の部分をのせられず、シュリはコンラートに肩車をしてもらっていた。
 さらに、ただ大きいだけではオリジナリティがないと、雪だるまの頭の両側に猫の耳を付けた。

「うわぁ~~可愛いクマ!! シュリたんはやっぱり天才!」
「ク、クマじゃない! ネコだ」
「えっ? うっそ、マジ? あ、じゃあこれシュリたんご自身……?」

 ズモモ……と立ちはだかるようにそびえ立つネコ雪だるまを見上げて、コンラートが首を捻った。

「いや、白いからこれはリュカ……のつもりだったんだけど」
「なるほど! たしかに、リュカちゃんって感じの大物具合だねえ」

 コンラートが下で頷きながら笑っているのを聞きながら、シュリはクマと間違えられないようにと耳の形を整えていく。しかし手を加えようとすると崩れてしまって、なかなか難しい。

「よし! できた! あとは顔を付ければ完成だ」

 地面にぴょんと飛び降りると、土台が完成したネコ雪だるまを見上げて、シュリは目を輝かせた。

(うん、上出来だ)
「すごいじゃん。こんなおっきい雪だるま見たことないよ。ネコ耳付いてるのも、最高」
「コンラートがいっぱい雪集めしてくれたおかげだ」

 手袋をしていても冷えてしまって痛くなった肉球を擦り合わせて礼を言うと、真っ白な息が上がった。
 じっとしているとブルブルと震えてしまう。それに気づくと、コンラートは自分の手でシュリの両手を包みこんでさすりながら言った。

「シュリ、これ以上は肉球を痛めちゃうから顔を付けるのはまた明日のお昼にしよ? ほっぺた真っ赤だよ。今夜もめちゃくちゃ寒いらしいし、溶けないと思うから」
「……ああ、さすがに寒くて限界だ。もうすぐ午後の授業も始まるし、そうするか」

 辺りを見回すと、先ほどまで雪だるま作りで賑わっていた庭は、誰もいなくなっていた。
 皆、寒くて寮の中に引っ込んだのだろう。
 下級生に交ざってはしゃぎ過ぎたと、シュリは頬を赤らめた。

「ごめんな、コンラート。寒いのに長く付き合ってもらって」
「いいのいいの。この国にずっと住んでると雪ってうんざりするだけだけど、シュリたんが大はしゃぎしてるのを見ると、悪くないもんだなって思うんだよね~。リューペンは暖かいから雪が降らないんだもんね」

 そう言って笑うコンラートの鼻と頬も、寒さで真っ赤になっている。

(いいやつ……)

 思わず何度目かわからない呟きが漏れそうになったが、聞き飽きたと言われるだろうと呑み込んだ。
 黒猫の半獣のシュリは、手足の七割が黒い毛で覆われている。全身に付いた雪を手で払って落としていると、コンラートが「俺も手伝う~」とシュリの腕をわしゃわしゃと撫でた。

「ほんとシュリたんの毛並みはいつも最高だけど、冬毛はモフモフ増量でさらに最高だなあ」
「逆撫では禁止!」

 毛並みに逆らって撫でられるのはなんとなく気に食わず、コンラートを尻尾で叩いて抗議する。

「ごめんごめん。ついワッシャワッシャしたくなるんだよねー」
「ったく……」

 尻尾に降り積もっていた雪を払い落として校舎へ戻ろうと歩きだすと、ふと、前方の見知った後ろ姿に気づいた。

「あれ? リュカだ」
「ん、どこどこ? あ、ほんとだ」

 輝くような純白の毛を持つリュカは、室内にいると誰よりも目立つが、今日のような雪の日は逆に風景に溶け込んでいる。彼は両手いっぱいに資料を抱えて、少し危なっかしい足取りで寮へ歩いているようだった。

(リュカ……?)

 もうすぐ授業が始まるというのに、どうして寮へ戻ろうとしているのだろう。
 慌ててリュカに駆け寄って資料の半分を持ってやると、さらに追いかけてきたコンラートがそれを取りあげ、リュカの分も合わせて全て一人で持ってくれた。
 突然手が軽くなったことに驚いたのかリュカは一瞬金色の目を丸くしたが、シュリたちの姿に気づくと小さな牙を見せて屈託なく笑った。

「ありがとうー。二人は今日も雪だるま作り? すっごい大きいのができたね」
「あ、ああ」

 リュカも編入したての時は大きな雪だるまを作っていたが、最近は、「もう飽きた」と言って作っていない。
 対照的に、在学三年目でも雪が降ると未だに大はしゃぎしてしまう自分が恥ずかしくて、シュリはリュカから目を逸らしながら頷いた。

「でっかいリュカちゃんだるまを作ったんだよねえ、シュリ?」

 コンラートの言葉に、リュカは庭の雪だるまを二度見して「えっ!?」と驚きの声を上げた。

「待って、あれ僕なの!? 空想上の不思議な生き物だと思ってた」
「……」
「ご……ごめんごめん。立派に作ってもらえて嬉しいよ! なんか偉い人になった気分! ありがとシュリ」

 いつも飄々としているリュカがこんなに慌てるのは珍しく、必死にフォローされると逆にいたたまれなくなる。
 どう見たって猫だろう、とシュリは少し不貞腐ふてくされつつ話題を変えた。

「……リュカ、寮に戻るのか? もうすぐ授業始まるぞ?」
「あー、授業は出ないよ。今の僕の学力、一年生以下なのに最高学年の授業受けてわかる訳ないしね。割り切って部屋で自主勉した方が有意義だもん」

 実に合理的で、リュカらしい考え方だと思う。
 ゾネルデの日に自分の才能を代償にシュリを助けて以来、彼は魔法の才能を全て失ってしまった。
 そのことが大々的に公表された訳ではないが、学院長から教師陣には伝えられているし、生徒たちにも噂話ですでに知られている。
 誰もがリュカの才能を惜しみショックを受けたが、失ったもののあまりの大きさゆえにか腫物に触るような扱いになっており、教師も彼の友人たちも、誰も何も触れてこない。
 未来の国王候補の婚約者を卒業させない訳にもいかないため〝仕方のないこと〟とし、授業やテストの成績に、これまでの輝かしい功績を加味して、及第点にしてくれているらしい。
 だが、だからと言って授業にすら出ないとなると本当に自室に籠りっぱなしになってしまうことを、シュリは心配していた。
 息抜きに誘っても、勉強したいからと最近は断られてしまうことの方が多い。他の友人たちの誘いも断っているようだ。
 あと半年足らずで学生生活も終わる。いつも友人に囲まれて楽しく青春を謳歌していた彼が、最後は部屋に籠って独りぼっちのまま卒業するなんて、寂しかった。
 ましてやそうなったことには、シュリに原因がある。

(ごめん、リュカ。ごめん……)

 心の中だけで何度も謝るが、口には出せない。それはリュカが一番嫌がることだとわかっているからだ。


 リュカを寮まで送り届けたあとに校舎へ戻ると、教室内は暖炉だんろかれていて、とても暖かかった。
 最高学年にもなると、素行点が関係なくなる。テストの点数だけで卒業試験をパスする自信のある生徒は授業をサボって自主学習にする人もいるが、聖魔法の授業は人気のためか出席している人が多い。
 聖魔法が人気というよりも、新任の教師のライナーの授業が面白いと人気なのだ。おそらく欠席者はリュカだけだろう。
 二人並んで座れる席がかろうじて空いていたので、コンラートと並んで腰かける。
 ノートを広げて授業の準備をしていると、近くの席に座っていた生徒たちが、校舎前の庭にそびえ立つ雪だるまを指差しながら言った。

「ねえ、あの巨大なクマの雪だるま作ったのってシュリ?」

 教室では何度も顔を合わせていたが、実際に話すのは初めてだったので、シュリは驚いて反射的に尻尾の毛を膨らませた。
 長いこと「じゃない方」と呼ばれて遠巻きにされていたシュリは、未だに人見知りなところがある。熱心に慕ってくれているノイマンたちとは大分打ち解けてきたが、完全に気を許している友人はコンラートだけ。
 最近は気さくに話しかけてくれる人が増えているのだが、普段は国王候補の婚約者ということで『様』付けで呼ばれることの方が多いので、突然フレンドリーに話しかけられるとドキドキしてしまうのだった。

(う、嬉しいな……)

 早く会話に応じなければと思いながらも緊張で固まっていると、コンラートが助け船を出すように割って入ってくれた。

「違いますー。クマじゃなくてネコチャン雪だるまですー。ちなみに、俺とシュリの愛の合作ね」
「え!? どう見てもクマじゃん」
「……ネコ、なんだ。耳、上手くつけられなくて……」

 たしかに上手く耳の形を成形できなかったため、遠くから見ると丸っこく見える。
 ぺしょりと耳を下げてネコだと訴えると、彼らは「うっ」とうめいて顔を赤らめ、慌てて「ごめんごめん」と謝った。

「お詫びに明日僕も手伝うよ! 僕、結構器用だから、耳のところ上手く調整してあげる」
「そうだそうだ! どうせなら皆でもっとでっかくしようぜ」

 彼らは口々に言い合って、シュリの頭をグリグリと撫で回した。

「でもいいなぁ~シュリは。この季節、毛が生えてるとあったかいでしょ? ちょっとモフってもいい?」
「ダメ。シュリたんへのおさわりは俺の許可を通してくださーい」

 コンラートが手で×印を作ると、周りの皆がブーイングを始める。

「なんでだよ!」
「独占禁止だコンラート!」
「別に良いぞ。減るもんじゃなし……」

 シュリがそう言い、おずおずと袖をまくると、皆が寄ってきてわしゃわしゃとシュリの腕を撫で始めた。

「あっ、ちょっとそこ! 逆撫では禁止!」

 遠慮なく撫で回す同級生たちにコンラートが注意するが、彼らは聞く耳持たずだ。

「うわっ、つーかシュリ、肉球冷たい! 尻尾の毛も湿ってるし」
「ほら、もっと暖炉だんろの近く行きなよ。猫って寒いの苦手なんでしょ?」
「俺のセーター着てていいよ」

 皆が口々に言うや、シュリは暖炉だんろの側に連れていかれ、タオルで腕や脚を拭かれ、セーターを着せられ、マフラーでぐるぐる巻かれてしまう。
 シュリはしばらく皆の勢いに圧倒されてされるがままになっていたが、雪で湿った毛が乾き、体が温まってくると、じんわりとした幸せを噛みしめた。

(……あったかい。みんな優しいな……)

 この学校に入った頃には考えられなかった日常だ。
 あの頃は周りが全員敵だらけに思えたけれど、最初から味方はいたのだろう。

(頑張って良かった……一歩踏み出せて、変われて良かった)

 暗闇の中から強い光に焦がれてくすぶっていた。今は、この暖炉だんろのような温かいほのかな明かりの中にいられている。

(でも、リュカは……)

 しかし、こうして自分が幸せに生きているのはリュカが助けてくれたおかげなのに、彼は今一人で部屋にいる。リュカ自身がそうしたいと言っていたが、本当にそれでいいのだろうか。
 やはりもう一度声を掛けに行こう――と思ったその時、授業の本鈴が鳴ってしまった。同時に教室のドアが開き、新任の聖魔法教師ライナーが入ってきて、皆慌てて自席へと戻っていく。
 だが、ライナーは教壇を通り越すと暖炉だんろ前に直行してしゃがみこみ、手をかざし始めた。

「あ~~あったまる~~」

 ライナーは今秋からの新任の聖魔法教師だ。少しボサッとした癖のある髪の毛をいつも一つに束ねている。
 王立魔法研究所にも籍を置いており、聖魔法研究の第一人者としても有名な聖魔法士なのだという。しかし彼はまだ二十二歳と若く、明るく爽やかで話しやすいため、生徒からの人気は高い。
 シュリにとって聖魔法は苦手属性なので冬休み前の試験の際には何度か質問したことがあるが、いつも気さくに教えてくれ、しかもその説明がわかりやすいのだ。
 威厳など微塵みじんも感じられない、友人のような教師だった。

「ちょっと先生、あったまってないで授業してくださいよ」

 誰かが笑いながら言うとライナーは渋々立ち上がり、暖炉だんろを離れた。

「だって先生が学生の頃には、この教室に暖炉だんろなかったんだぞ? 制服の上にセーター着るのも禁止だったしさぁ。お前らがうらやましいよ」
「えー、じゃあ冬の間どうしてたの?」
「休み時間にこっそり聖魔法使って教室あっためてた。ほら、聖魔法の光って放つ時に結構熱を放出するだろ? あの熱を利用すると、すんごい暖かくなるんだよな」
「こんな広い部屋が暖かくなるほどの光なんて出せないよ」
「先生は学生の頃から天才だったから出せたんだよ」

 かつてのリュカは、人を焼き尽くせるぐらいの強烈な光を生み出すことができていたが、普通の学生にそんなことはできない。
 ちなみにシュリは聖魔法が特に苦手ということもあって、ほんのりとした程度の光しか出すことができない。彼の言う通り、ライナーは学生時代から、かなりの聖魔法の使い手だったのだろう。

「でもやりすぎて窓割っちゃったことあって……学院から弁償代請求されたけど、先生ん家貧乏だから払えなくてなぁ。二カ月ぐらいヴァイス寮の食堂で皿洗いのバイトしたよ」

 アハハ、と笑いながら言うライナーに、教室からも「先生やばい奴だ」と笑い声が上がった。

「そういえば、リュカも前に似たようなことやってたな。演習室が寒いから温めるって」
「あったあった。窓は割ってなかったけど」

 後ろの方の席で、何人かが言い合っているのが聞こえたのか、ライナーが不意にシュリの方を向いて言った。

「シュリ。今日もリュカは授業欠席か?」
「は、はい。その……具合が悪いみたいで」

 そう伝えてほしいと頼まれているのだが、当の本人はピンピンしている。

「えーっと、それはこの三週間ずっと具合が悪いってことか?」

 ライナーに笑いながらそう聞かれ、シュリはブンブンと首を縦に振った。
 リュカがライナーの授業を欠席するのはこれで五度目。
 生来不器用な性格が災いし、嘘を吐くのがあまり得意ではなく尻尾がゆらゆらとしてしまい、目が泳ぐ。
 ライナーは笑みを浮かべたままジーッとシュリの顔を見つめていたが、やがて言った。

「そっかぁ。それは心配だなぁ。じゃあ来週も授業欠席だったらお見舞いに行かせてもらおうかな」
「え!? は、はい……」

 どう考えても、嘘だとバレている。
 ライナーの爽やかな笑顔を見て、シュリは暴れ回る尻尾を握りしめて押さえ、ただただ青ざめた。

(来週は、ちゃんと教室に連れてこないと……)

 今週末はちょうどギルベルトと会う約束もしている。リュカについて、相談させてもらおうと思っていたのだ。
 ──お試しで付き合ってほしい。
 半年前の夏、ギルベルトにそう言われてから、シュリは彼と時折外出している。
 彼はぶっきらぼうに見えて意外に几帳面な性格で、とても筆がマメだ。きっちり二日に一通の頻度でピグルテが飛んでくる。
 他愛もない日常の話ばかりのその手紙の中で、治癒魔法でわからない問題があると話したところ、詳しく教えてくれるというので、今週末、久しぶりに街のコーヒーハウスで会うことになっていた。
 ギルベルトは長年リュカの婚約者だったのだ。何か良いアドバイスをくれるかもしれない。
 シュリはライナーの授業を聞きながら、今週末の予定について思いを馳せ始めた。


 ──週末。
 休日の昼下がりということもあり、広場に面したコーヒーハウスはいつになく活気づいていて、弦楽器の音や人々の談笑の声にあふれている。
 シュリはギルベルトと共にテラス席に腰かけて、辺りを見回した。

(懐かしいな)

 このコーヒーハウスは、かつてジークフリートと交際していた時にもよく訪れた。一度、ギルベルトがリュカと共に来ていた時に鉢合わせたこともある。

(そういえばあの時……)

 ギルベルトがリュカの頬にキスをしていたことを思い出した。キスと一概に言っても口以外のキスは恋愛のキスとは限らない。
 実際、リュカもギルベルトも互いに恋愛感情はなかったと言っていたが、あの時は二人のキスにドキッとして、彼らは恋人関係にあるのだと思った。
 なぜか今更思い出して、少しモヤモヤとする。

「……なに怒ってんだ?」
「え?」
「いや、尻尾」
「あ……っ、ご、ごめん!!」

 シュリの尻尾はいつのまにか大きく揺れていて、バシッバシッとギルベルトの頬を強く殴りつけていた。たしかにこれは怒っている時の尻尾の動きだ。

(なんで俺、怒ってるんだ……?)

 不思議に思いながら尻尾を手で押さえ、シュリは取り繕うように言った。

「昔四人でこのテーブルで勉強した時のこと思い出して……あの時は俺、ギルと仲悪かったなぁって」

 しみじみと言うとギルベルトはバツの悪そうな顔をして黙り込んだ。

「……でもあの時、ギルは俺のこと助けてくれたよな」
「は?」
「ほら、みんなが古代語の解釈の話で盛り上がってて俺だけついていけなかった時、ギルも古代語わからないふりしてくれただろ」

 あの時は気のせいだと思っていた。だが、今ならはっきりわかる。あれは彼なりの助け舟だったのだろうと。

「……そう、だったか? 全然覚えてねーけど」

 彼はそう言ってプイッと顔を逸らしてしまった。

「……で? どこの問題がわからないって?」
「ああ……この治癒魔法の問題なんだけど……」

 先にリュカのことを相談したかったのだが、ギルベルトはすでにシュリが失点した小テストの問題用紙を手に取り、長文問題を読み始めてしまった。

「……これは、結構意地が悪い引っかけ問題だな」

 彼はさっと目を通しただけでシュリが何でつまずいているのか理解したようだ。
 その治癒魔法の問題は、腹痛を訴えている男性の症例が書かれており、どの呪文をどの部分にかければ完治するかを問う長文臨床問題だった。
 実際にその男性が治癒魔法士にかかった時の診察結果が、そのまま問題文に記載されている。

「……ロモの実を食べて激しい腹痛が起きたってことは食中毒だろ? なんで腹部に解毒魔法のキアレスの魔法をかける選択肢が間違いになるんだ?」
「この患者にキアレスの魔法をかけるっていうのは間違ってねーよ」
「え……じゃあなんでだ?」
「原疾患が食中毒じゃないからだ」
「うーん。じゃあ、ストレス性の胃痛か?」

 ストレス性の胃痛はシュリにも身に覚えがあることだ。問題文にも、男性は家族仲が悪く大きなストレスを抱えていた、と書いてある。
 しかしストレス性の胃痛ではない理由があった。

「ストレス性の胃痛なら、解毒魔法は使わないだろ?」
「たしかに……」
「だが、〝家族仲が悪かった〟というのはヒントだ」

 ますますわからないと首を傾げていると、ギルベルトは問題文に目を落とした。

「治癒魔法で一番難しいのは、痛みの根本の原因を突き止めることだ。痛みが出ている場所が直接の原因とは限らない。的外れな場所に魔法をかけても絶対に治らねえ。このケース、主訴は腹痛だが原因はもっと別のところにある」
「魔法をかける場所が……違う?」

 小首を傾げると、ギルベルトはなぜか少し頬を赤くしたあとに咳払いをした。

「男の生い立ちから読み直して、痛みを生じさせた根本の原因を探せ。根本を治さなければ、絶対に痛みは消えない。文中にヒントが隠れてる。まあ多少の知識も必要だが……」

 ギルベルトはシュリが持ってきていた治癒魔法に関する辞書の中から、薬草事典を手に取ってシュリに渡した。この中にヒントがあるということだろうか。

「今の俺のヒントを踏まえてもう一度読み直してみろ」
「わ、わかった」

 シュリはその長文問題を、頭から読み直すことにした。
 問題文には男性に関するあらゆる細かい情報が書かれている。
 幼い頃からの食習慣や、発症までの数日以内に口にしたものなど、症状を引き起こすきっかけになりうることの全てが記録されており、どれが腹痛の直接の原因なのかを特定するのは容易ではなかった。
 その間、ギルベルトは山積みになった文書に目を通したり、サインをしたりしていた。
 ゾネルデの日の事件後、王妃の呪いによって国王は体調を崩してせっており、今は実質ジークフリートとギルベルトが王の代理を務めている。
 二人で仕事を分けているとはいえ、隣国ルベレーとの関係悪化により混乱している国の政治の忙しさは尋常ではないようだ。今日もよく見ると、目の下にうっすらと隈が見える。
 僅かな時間の合間を縫ってシュリに会ってくれているが、デートと言っても勉強を教えてもらうか、食事を共にするか、一緒に買い物をするか、ぐらい。

(そういえば……ジークともそうだったな……)

 いつも部屋で一緒に勉強をして、休日はたまに街に出た。たくさん膝にのせてもらい、キスをした。
 そんな風に過ごしたのはすごく短い間だったけれど、宝物のように大切な思い出だ。
 ジークフリートとの恋が終わった時、シュリは自分の命すら投げ出したいと思った。
 目を覚ました時、生きていることに絶望さえして、もう二度と恋なんてしないと心に決めた。
 だがギルベルトに助けられて必死で立ち上がって、闇魔法によってようやく自分の進むべき方向を掴んだ。
 そしてゾネルデの日の事件。
 エーリヒを助けるために死を覚悟した時、心から「生きたい」「生きて、もう一度恋をしてみたい」と思った。
 それなのに、シュリは未だにギルベルトに対する想いが友情なのか、恋なのかわからずにいた。
 彼に対する感情は、かつてジークフリートに対して抱いていたあの苛烈で、全身でぶつかっていくような恋の形とはまるで違っていて、同一の感情ではない気がしたからだ。
 だからといって、コンラートに向ける特別な感情ともまた違う。

(ギルとキスなんて……想像もつかないしな)

 考えただけでなぜか気恥ずかしくなってしまい尻尾をゆらゆらとさせていると、「集中しろ」とギルベルトに突然腕の毛をわしゃわしゃと逆撫でされた。

「うわああああっやめろ!」
「やめねえ」
「悪かった! 悪かったって!」

 尻尾を振り回して降参すると、十秒もしないうちにギルベルトは逆撫でするのを止めてくれた。

「ううう……」

 ボサボサになってしまった毛をもう片方の手でいて元通りにしていると、ギルベルトが不思議そうに言った。

「なあ。なんでそんなに逆撫でが嫌なんだ?」
「ボサボサになるし、なんか……こう、ゾワゾワするから嫌なんだ。あと尻尾も……敏感な場所だから触らないでほしい」
「へえ……」

 ギルベルトはなぜか微かに顔を赤らめて逸らしたが、今度は毛並みに沿って大きな手で撫でて元通りにするのを手伝ってくれた。
 ……ゴロゴロゴロ……
 心地良さに思わず喉が鳴ってしまい、シュリはハッとした。
 昼下がりの静かなコーヒーハウスに盛大にゴロゴロ音が響き渡ると、周りで勉強していた学生たちも顔を上げ、何事かと辺りを見回している。彼はシュリが喉を鳴らすのが物凄く好きなようで、ゴロゴロ音が出ると撫でるのを止めないのだ。

「ギ、ギル、撫でるのやめろ。まだ仕事が残ってるんだろ?」
「片手が使えれば十分だ。やめてほしかったらサボってないでさっさと問題を解くんだな」

 反論しても撫で続けられ、シュリはゴロゴロ喉を鳴らしながら長文問題を読むはめになった。

(……ギルはジークよりずっと意地悪だ)

 ジークフリートも、教え方は意外と厳しかったが意地悪はしなかった。
 集中できていない時は紅茶をれて一息つかせてくれて、問題が解けた時は思いきり撫でて褒めてくれた。きっともう、二度と戻れない宝物のような甘い時間だった。
 ──愛してる。ずっと……、愛してるんだ。王位なんて……いらなかった……。何も、いらないから、君と……
 ゾネルデの日に、瀕死のジークフリートが口にした言葉を思い出して思わずハッとすると、ギルベルトが仕事の手を止めてこちらを見たので、シュリは慌てて問題に目を落とした。


 それから三十分程経っても、シュリはその問題を解くことができなかった。あと一歩でわかりそうなのに、どうしても答えに行き着かない。
 ギルベルトはすでに書類仕事を終えてしまったようで、コーヒーを飲みながらシュリをぼんやりと見つめている。

(……集中できない)

 癖なのかわからないが、彼はボーッとしている時、シュリの顔をじっと見つめる。これはジークフリートに勉強を教えてもらっていた時もそうだった。
 兄弟そろっての変な癖だ。こんなに至近距離で見つめられると、さすがに気まずい。
 だが、貴重な時間をいて教えてもらっているのだ。早く問題を解かなければならないと必死に問題文を読み込み、ああでもない、こうでもないとノートに書きなぐっていく。
 十分程経った頃、ふと、シュリは肩に重みを感じた。

「え……」

 視線を横に向けると、ギルベルトがシュリの肩にもたれかかって眠っていた。金の髪が頬にかかり、少しくすぐったい。
 昔ミショーの特訓の帰りに迎えに来てくれた馬車の中で、シュリがよくギルベルトの肩に寄りかかって眠ったことはあったが、逆は初めてだ。
 というより、ギルベルトが眠っているところを見ること自体が初めてかもしれない。
 よほど疲れているに違いない。スヤスヤと眠る目元には、今はくっきりと隈が浮いている。起こさないように息を潜め、ますます落ち着かない中、必死に問題文を読み直した。
 ──キアレスの魔法をかけるっていうのは間違ってねーよ。
 ──痛みが出ている場所が、直接の原因とは限らない。
 ギルベルトから言われたアドバイスを念頭に置き、何度も長文を読み、渡された薬草事典と見比べる。

「わ、わかった!」

 思わずそう小さく叫ぶと、その衝撃でシュリの肩に寄っかかっていたギルベルトがずるりとバランスを崩し、膝の上に頭が乗ってしまった。

「わ!?」

 反射的に毛を膨らませて驚いていると、衝撃でギルベルトも目を覚ました。彼はしばらくの間寝ぼけた様子でゆっくりと瞬きを繰り返していたが、やがて上から覗き込んでいるシュリと目が合うと、慌てて飛び起きた。

「……俺、寝てたか?」
「す、少しの間だけ……」

 真っ赤になりながら頷くと、ギルベルトはシュリの太腿ふとももを見つめながらゴクッと喉を鳴らした。

「……まさかお前の膝枕で?」
「いや、肩に寄っかかって寝てただけだけど……その、途中で膝に頭が落ちて……その……」
「そうか……」

 互いになんとなく気恥ずかしく無言になっていたが、しばらくしてギルベルトはシュリの苦戦の跡の残るノートに視線を移した。

「答え、出たみたいだな」
「ああ。男性の腹痛の根本の原因は、食中毒じゃなくて、〝毒〟だ。だから、キアレスの魔法を使うっていうのは間違ってなかったんだ」

 問題文の一行目にさらっとだが、この男性の生い立ちについて書かれていた。
 男性はニンゲル地方の出身で、家族と折り合いが悪く、兄弟の中で一人だけ子供の頃から染物の仕事を手伝わされていたとある。
 ニンゲル地方の染物は、フェニルの葉から抽出される鮮やかな赤い染料が使われることで有名だ。薬草事典で調べてみたところ、強い痛み止めの薬草として使われるが、弱毒性があるらしいと記載されていた。
 大人が飲む分には服用時に副作用が現れるだけで済むが、体が未発達の子供が飲むと解毒しきれずに体内に微量の毒が溜まっていく。
 そして大人になった時、特定の食べ物を摂取するといった些細なきっかけで、激しい頭痛や吐き気、腹痛など様々な症状を引き起こす。場合によっては死に至るとも書かれていた。

「この場合、腹痛の大元は食中毒じゃなくて全身に蓄積された毒だから、お腹じゃなくて身体全体にキアレスの魔法をかけないとダメなんだ」

 シュリは解答を言いながら、少し切なくなった。
 他の兄弟たちは危険だからと免除されていた中で、たった一人だけ、仕事をさせられていた。それは、彼の身体だけが大人たちからないがしろにされていたということだ。
 その心境を思いながら思わず耳を下げていると、ギルベルトが「正解」と言った。

「……この手の引っかけ問題はよく出るからよく覚えておけ。……まあでも、ヒントは出したけど自力で解けたんだから優秀な方じゃねーの?」

 書類に目を落としたまま、ギルベルトは少し早口に言ってぎこちなくシュリの頭を撫でた。またしてもゴロゴロと喉が鳴ってしまう。
 ギルベルトは褒めることがあまり得意でないようだ。それでもぶっきらぼうに褒めてくれることに、胸がホカホカと温かくなる。ポケットから懐中時計を取り出すと彼は「やべ」と小さく呟いた。

「そろそろ戻る」
「ああ。ごめん……今日は本当にありがとう」
(リュカのこと、相談できなかった……)

 そう思っていると、ギルベルトがコートに袖を通しながら声をかけてきた。

「なんか他に、俺に相談したいことがあるのか?」
「え!? ……よ、よくわかったな」
「ま、お前のことは一挙手一投足よく見てるからな」
「……え?」
「い、いや、ちがう。寝ぼけて間違えた! お前は意外とわかりやすいって言おうと思ったんだよ!」

 ギルベルトの顔が赤くなっていく。それを見たシュリもまた釣られて、頬が熱くなるのを感じた。

「今日はもう無理だけど、明後日の夜なら時間作れるから、夜間外出届出しておけ」
「でも……ギル、忙しいんじゃないのか」

 今日だって相当無理をして時間を作ってくれたのだろう。

「忙しかろうとなんだろうと、必要な時間は作る」
「……ありがとう」

 ギルベルトには本当に、してもらってばかりだ。

「俺、卒業したらたくさん仕事手伝うから」
「……いや、それはいいから……その代わり膝……い、いや、な、なんでもない。とにかく、今日は帰るぞ」

 ギルベルトが何を言いかけたのか気になってシュリは首を傾げたが、聞いている暇はなさそうだ。
 その日はそのまま、慌ただしく解散となった。


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旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する ☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

【本編完結】処刑台の元婚約者は無実でした~聖女に騙された元王太子が幸せになるまで~

TOY
BL
【本編完結・後日譚更新中】 公開処刑のその日、王太子メルドは元婚約者で“稀代の悪女”とされたレイチェルの最期を見届けようとしていた。 しかし「最後のお別れの挨拶」で現婚約者候補の“聖女”アリアの裏の顔を、偶然にも暴いてしまい……!? 王位継承権、婚約、信頼、すべてを失った王子のもとに残ったのは、幼馴染であり護衛騎士のケイ。 これは、聖女に騙され全てを失った王子と、その護衛騎士のちょっとズレた恋の物語。 ※別で投稿している作品、 『物語によくいる「ざまぁされる王子」に転生したら』の全年齢版です。 設定と後半の展開が少し変わっています。 ※後日譚を追加しました。 後日譚① レイチェル視点→メルド視点 後日譚② 王弟→王→ケイ視点 後日譚③ メルド視点

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる

尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる 🌟第10回BL小説大賞(2022年)奨励賞。2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟 ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。 ――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。 お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。 目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。 ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。 執着攻め×不憫受け 美形公爵×病弱王子 不憫展開からの溺愛ハピエン物語。 ◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。 四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。 なお、※表示のある回はR18描写を含みます。 🌟第10回BL小説大賞での応援ありがとうございました! 🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います

緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。 知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。 花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。 十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。 寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。 見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。 宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。 やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。 次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。 アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。 ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。

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