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Long distance
3話
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ドアを開けると玄関に靴が並んでいるのを見て
「もしかして、土足じゃないの?」
と結人は頚を傾げる。
「あぁ。家の中で靴履いていると寛げないだろ。新築で入居してるから、前の住人が土足過ごしてた部屋でもない。安心して靴脱いで大丈夫だ」
「だよなー、やっぱ玄関で靴は脱ぎたいよな」
実は全国ツアーでホテル生活に入ると、ホテルは土足なのが嫌だと頻りに結人が言っていたのを征弥は覚えていたのだ。だから、わざわざ新築のアパートを探して日本と同じように靴を脱ぐ生活スタイルにしたのだ。結人が遊びに来てくれることを想定して、一度引っ越しまでして見付けた部屋だというのに、今日まで 一年半の間一度も訪れてくれなかった。無駄だったかなと思っていたが報われて良かったと顔が綻んでしまう。
靴を脱いで征弥より一足先にリビングに入った結人から歓声が上がる。インテリアが好きな結人なら絶対食いつくと、思っていた。征弥は笑みを深くして自分もリビングに向かった。
「なぁなぁ!征弥!これ、暖炉?」
大きな目をキラキラと輝かせて、リビングの端に設置されている暖炉の前にしゃがみこんでいる。
温暖な気候であるロサンゼルスにはあまり暖炉が必要なほど寒い日はそうはない。そのため、部屋に備え付けてある暖炉はどちらかと言えばインテリア性の高いものであった。
「あぁ、そうだ。ここは暖かいからあんまり使うこともないんだけど、今夜は冷えるから使ってみるか?」
と言うと、結人の琥珀色の瞳は益々輝いて綺麗になった。
「やった!いいのか?」
子供のように無邪気に喜んだあと、またくしゅん、と小さくくしゃみをした。
「悪いんだけど、先に風呂借りてもいいか?寒いし、長いフライトの後だからシャワー浴びたい」
「あぁ、そうだな。風呂入ってきた方が良さそうだ。その間に暖炉は付けておいてやる。今バスタブにお湯張ってくるから準備してろ」
「暖炉楽しみだなぁ。これ、バイオエタノールの暖炉だろ?煙突無くても大丈夫なやつ」
スーツケースの中をゴソゴソしながら風呂の準備をする結人の明らかにうきうきと嬉しそうな背中が可愛くて、征弥も笑いながらバスタブに湯を溜めに向かった。
「火、綺麗……」
ぶかぶかに決まっているそのスウェットで、なめらかな感触のラグを楽しむようにごろごろと無防備にクッションを抱えながら転がる。
ちらり、とウエストのところが捲れて蜂蜜を溶かしたミルクのような色の素肌の細い腰が覗いた。
わかっている。長い付き合いだ。自分だけじゃない。Aceのメンバーだってスタッフ達だって。何ならファンだってわかっている。
結人は態と誘ってるわけではなく、無意識、無自覚なのだと。
初めて公園で腕に堕ちてきた結人にキスをしたとき、潤んだように見える大きな茶色の瞳が誘っているのだと思って、唇を合わせた。
唇を合わせてすぐに、自分の勘違いだったと気が付いたが、とても途中で止めてやれるようなものではなかった。離してやるどころか、そのまま甘く柔らかな感触を貪ったのだ。
自分もあの頃と何にも変わっていないなと思いながらも、キッチンで夕食の準備をしていた手を止めて、寝室に入り、チェストの奥深くにしまっているものを部屋着のパーカーのポケットに忍ばせてからリビングに戻る。
それからラグの上で俯せに寝そべる結人の上に覆い被さるように抱き締めた。
「ご飯、作ってくれるんじゃ、ねぇの……?」
眠そうに、とろんとした声は少し掠れていて色っぽいが、誘っているわけではなく、長旅の上に外で数時間征弥を待って疲れているだけだとわかっていても。
「……な、一回だけ……」
言葉を発した征弥自身でも驚くほどに、欲情に塗れたあからさまに厭らしい声を耳元に流し込むと、びくり、と腕にすっぽり収まる細い躯が震えた。すっかり硬くなってしまった自身をスウェット越しでも柔らかい双丘に押し当てると、征弥は心地よくて、ふ……ぅと吐息吐き出してしまう。
「一回だけ、だからな?」
「夕飯の前には、な」
「え……っ?征弥っ……あっ」
ゆるゆるのスウェットは無防備で簡単に征弥の手の侵入を許してしまう。指先は胸の先を簡単に暴き出す。すぐにぷつりと尖り出した感触が指に伝わる。
「ん……っ」
押し殺したような声は余計男を煽るのを、男のクセに結人は知らないようだった。
もう片方の手もゆるゆるのウエストからはするりと簡単に潜ってしまう。
あっという間に勃ちあがり始めたものが、征弥の指先に絡めとられて、結人の唇から甘い吐息が漏れた。あっという間に先から体液が流れて、征弥が指を動かすと濡れた音が炎が出すパチパチ、という音に混じって部屋に響く。
感じてる顔が見たくて、柔らかなラグに結人を押し倒す。もう茶色の瞳は溶けてしまいそうなほどに潤んでいた。結人は感じると涙が溢れて止まらなくなってしまうのだ。
あんまり可愛くて、色っぽくて、馬鹿みたいに見蕩れてしまうと、濡れた唇が動いた。
「……、……」
それは殆ど音にならなかったけれど、その可愛いおねだりを征弥は正確に読み取って、奪うように口付けた。
甘い、甘い、唇。甘い蜜を湛える咥内に舌を忍ばせて、柔らかな結人の舌に絡めると、頚に結人の腕が回って、ぎゅっとしがみつかれる。甘い結人の香りが胸いっぱいに広がる。
結人は絶対に言わないけど、結人はキスが大好きなのだ。隠しているつもりだろうが、キスだけでぼんやりしてしまうし、達してしまったこともあるくらいに。
余すところなく、口の中を愛撫して唇を離すと、炎の橙の灯りに照された結人の目元を紅く染めてぽやんとした表情が見えた。涙の膜が茶色の瞳を覆っていて、今にも零れそうにゆらゆら揺れている。
「可愛い……」
可愛い、可愛い、可愛い……
アイドルのくせに全然自分が可愛い自覚なんてなくて、自分の可愛さは周囲に作られたものだからなんて思ってる。だから、結人にいくら可愛いと言ったところで、この可愛くて愛しくてどうにかなりそうな想いをわかってもらえないだろう。
綺麗で儚く見えるのに、黙って守られるどころか自分を盾にして全てを守ろうとする芯の強さ。ふわふわと砂糖菓子のように愛らしく見えるのに、一本の筋が通っていて根性が据わってる性格。
初めて声を掛けて、話すようになってからは、見た目と内面のギャップが面白くてもっと知りたいと思って、どんどん距離を縮めていった。
そして、あの夜の公園で必死に振付け練習をする後ろ姿を初めて見たとき、健気な背中を抱き締めたいと強烈に思ったのは忘れ得ようにもない。
結人と居ると少しずつ積み重なっていく想いは恋情なのだと、強烈に自覚した瞬間だった。あのときの結人はいつもレッスン室や、テレビで先輩の後ろで踊るときのような寸分狂わない正確なダンスではなかった。まだ全然形になっていなくて、人に見せるようなダンスではなかった。それが限られた時間で必死に集中して振り付けを復習う間に整えられていくのを目の当たりにした。
健気な姿が可愛くてたまらなかった……そして、胸に押し寄せる愛しいという想い。あんな想いに駆られたのは初めてで、それは長い時を経た今でも変わることがないどころか、更に募らせている。
長いこと征弥の胸をいっぱいに埋め尽くしてしまう言葉は、溜め込まれるばかりで吐き出せなかった。だから今はすぐに溢れて口から漏れてしまうのだ。
「可愛い……結人……」
ぶかぶかのスウェットを捲ると簡単に胸が上まで暴かれてしまう。指先で悪戯されていつもより濃い桃色になっているそこに唇を落とす。なめらかな肌はいつまでも触れていたいほどに、指に心地よい。ウエストがゆるゆるのスウェットのパンツは簡単にずり下げることができた。太もものところまで下げられ吸い付くような手触りで、真っ白な双丘が露になる。結人の肌は全身なめらかなので、互いに全部衣類を取り去って抱き合うのも触れあった素肌が蕩けんばかりに心地よいが、こんな風に着衣を乱して抱くのも、視角的に中々にクるものがある。
ポケットに隠し持ってきたローションを指に掬って、征弥を受け入れる慎ましやかな孔にもぐらせる。いつの間にそんなものを用意していたのかと驚いたように瞳を丸くするが、すぐにナカに含まされた指のせいで結人の思考はめちゃくちゃになってしまう。
「ん……ぅ……」
どうやら、今日は何か照れ臭いのか声を出すのが恥ずかしいらしい。クッションに口を押し当てて声を堪えている。
ちゅ、ちゅ……と胸の先を吸ってナカを探る。
遠距離のせいで、いつだって会って最初に躯を繋げるときは、きついそこを解すのに時間がかかる。だが、今回は12月半ばから1月にかけての大学の冬期休暇を利用して征弥は日本に帰っていたため、ブランクは2ヶ月にも満たない。そのせいか、いつもよりそこが蕩け出すのが早い気がする。
「あっ………」
感じだしてふっくらしてきた痼は暴くのが簡単だった。そこに触れてしまえばもう結人には声を我慢する余裕もなくなってしまし、征弥も可愛い声が聞きたくて、クッションを取り上げてしまう。
瞳に張った涙の膜が雫になって、溢れだす。
「征弥……っん、あっ……」
濡れた目元に舌を這わせて、雫を舐めとる。
「感じたら泣いちゃうの、めちゃくちゃ可愛い……」
獣が獲物を前に舌舐めずりをするような声を出してしまった。
ひくひくと蠢く後孔に、我慢の限界に来ていた屹立を当てがって、潜り込む。
「あ……あ………っ」
痛くないように、細心の注意を払っているが、熱い内部が征弥に絡み付いて征弥の頭の中に僅かに残る理性も、躯に埋め込んでいる屹立も、どろどろに溶かしてしまいそうだった。
「結人……っ」
気持ちよくて堪らなくて結人の名を呼ぶと、熱く絡むそこが、ぎゅっと征弥を締め付けた。
「……っこら、我慢できなく、なる……っ」
「あ……っ征弥、も……」
額に滲んだ汗が流れて結人の上に落ちる。
熱くて、熱くてたまらないのは、炎に煽られているからなのか、結人に煽られているからなのかもわからないほどに熱く溶け合って、結人が声にならない悲鳴をあげて屹立から体液を溢したとき、征弥も躯の奥に愛しい想いを吐き出した。
「もしかして、土足じゃないの?」
と結人は頚を傾げる。
「あぁ。家の中で靴履いていると寛げないだろ。新築で入居してるから、前の住人が土足過ごしてた部屋でもない。安心して靴脱いで大丈夫だ」
「だよなー、やっぱ玄関で靴は脱ぎたいよな」
実は全国ツアーでホテル生活に入ると、ホテルは土足なのが嫌だと頻りに結人が言っていたのを征弥は覚えていたのだ。だから、わざわざ新築のアパートを探して日本と同じように靴を脱ぐ生活スタイルにしたのだ。結人が遊びに来てくれることを想定して、一度引っ越しまでして見付けた部屋だというのに、今日まで 一年半の間一度も訪れてくれなかった。無駄だったかなと思っていたが報われて良かったと顔が綻んでしまう。
靴を脱いで征弥より一足先にリビングに入った結人から歓声が上がる。インテリアが好きな結人なら絶対食いつくと、思っていた。征弥は笑みを深くして自分もリビングに向かった。
「なぁなぁ!征弥!これ、暖炉?」
大きな目をキラキラと輝かせて、リビングの端に設置されている暖炉の前にしゃがみこんでいる。
温暖な気候であるロサンゼルスにはあまり暖炉が必要なほど寒い日はそうはない。そのため、部屋に備え付けてある暖炉はどちらかと言えばインテリア性の高いものであった。
「あぁ、そうだ。ここは暖かいからあんまり使うこともないんだけど、今夜は冷えるから使ってみるか?」
と言うと、結人の琥珀色の瞳は益々輝いて綺麗になった。
「やった!いいのか?」
子供のように無邪気に喜んだあと、またくしゅん、と小さくくしゃみをした。
「悪いんだけど、先に風呂借りてもいいか?寒いし、長いフライトの後だからシャワー浴びたい」
「あぁ、そうだな。風呂入ってきた方が良さそうだ。その間に暖炉は付けておいてやる。今バスタブにお湯張ってくるから準備してろ」
「暖炉楽しみだなぁ。これ、バイオエタノールの暖炉だろ?煙突無くても大丈夫なやつ」
スーツケースの中をゴソゴソしながら風呂の準備をする結人の明らかにうきうきと嬉しそうな背中が可愛くて、征弥も笑いながらバスタブに湯を溜めに向かった。
「火、綺麗……」
ぶかぶかに決まっているそのスウェットで、なめらかな感触のラグを楽しむようにごろごろと無防備にクッションを抱えながら転がる。
ちらり、とウエストのところが捲れて蜂蜜を溶かしたミルクのような色の素肌の細い腰が覗いた。
わかっている。長い付き合いだ。自分だけじゃない。Aceのメンバーだってスタッフ達だって。何ならファンだってわかっている。
結人は態と誘ってるわけではなく、無意識、無自覚なのだと。
初めて公園で腕に堕ちてきた結人にキスをしたとき、潤んだように見える大きな茶色の瞳が誘っているのだと思って、唇を合わせた。
唇を合わせてすぐに、自分の勘違いだったと気が付いたが、とても途中で止めてやれるようなものではなかった。離してやるどころか、そのまま甘く柔らかな感触を貪ったのだ。
自分もあの頃と何にも変わっていないなと思いながらも、キッチンで夕食の準備をしていた手を止めて、寝室に入り、チェストの奥深くにしまっているものを部屋着のパーカーのポケットに忍ばせてからリビングに戻る。
それからラグの上で俯せに寝そべる結人の上に覆い被さるように抱き締めた。
「ご飯、作ってくれるんじゃ、ねぇの……?」
眠そうに、とろんとした声は少し掠れていて色っぽいが、誘っているわけではなく、長旅の上に外で数時間征弥を待って疲れているだけだとわかっていても。
「……な、一回だけ……」
言葉を発した征弥自身でも驚くほどに、欲情に塗れたあからさまに厭らしい声を耳元に流し込むと、びくり、と腕にすっぽり収まる細い躯が震えた。すっかり硬くなってしまった自身をスウェット越しでも柔らかい双丘に押し当てると、征弥は心地よくて、ふ……ぅと吐息吐き出してしまう。
「一回だけ、だからな?」
「夕飯の前には、な」
「え……っ?征弥っ……あっ」
ゆるゆるのスウェットは無防備で簡単に征弥の手の侵入を許してしまう。指先は胸の先を簡単に暴き出す。すぐにぷつりと尖り出した感触が指に伝わる。
「ん……っ」
押し殺したような声は余計男を煽るのを、男のクセに結人は知らないようだった。
もう片方の手もゆるゆるのウエストからはするりと簡単に潜ってしまう。
あっという間に勃ちあがり始めたものが、征弥の指先に絡めとられて、結人の唇から甘い吐息が漏れた。あっという間に先から体液が流れて、征弥が指を動かすと濡れた音が炎が出すパチパチ、という音に混じって部屋に響く。
感じてる顔が見たくて、柔らかなラグに結人を押し倒す。もう茶色の瞳は溶けてしまいそうなほどに潤んでいた。結人は感じると涙が溢れて止まらなくなってしまうのだ。
あんまり可愛くて、色っぽくて、馬鹿みたいに見蕩れてしまうと、濡れた唇が動いた。
「……、……」
それは殆ど音にならなかったけれど、その可愛いおねだりを征弥は正確に読み取って、奪うように口付けた。
甘い、甘い、唇。甘い蜜を湛える咥内に舌を忍ばせて、柔らかな結人の舌に絡めると、頚に結人の腕が回って、ぎゅっとしがみつかれる。甘い結人の香りが胸いっぱいに広がる。
結人は絶対に言わないけど、結人はキスが大好きなのだ。隠しているつもりだろうが、キスだけでぼんやりしてしまうし、達してしまったこともあるくらいに。
余すところなく、口の中を愛撫して唇を離すと、炎の橙の灯りに照された結人の目元を紅く染めてぽやんとした表情が見えた。涙の膜が茶色の瞳を覆っていて、今にも零れそうにゆらゆら揺れている。
「可愛い……」
可愛い、可愛い、可愛い……
アイドルのくせに全然自分が可愛い自覚なんてなくて、自分の可愛さは周囲に作られたものだからなんて思ってる。だから、結人にいくら可愛いと言ったところで、この可愛くて愛しくてどうにかなりそうな想いをわかってもらえないだろう。
綺麗で儚く見えるのに、黙って守られるどころか自分を盾にして全てを守ろうとする芯の強さ。ふわふわと砂糖菓子のように愛らしく見えるのに、一本の筋が通っていて根性が据わってる性格。
初めて声を掛けて、話すようになってからは、見た目と内面のギャップが面白くてもっと知りたいと思って、どんどん距離を縮めていった。
そして、あの夜の公園で必死に振付け練習をする後ろ姿を初めて見たとき、健気な背中を抱き締めたいと強烈に思ったのは忘れ得ようにもない。
結人と居ると少しずつ積み重なっていく想いは恋情なのだと、強烈に自覚した瞬間だった。あのときの結人はいつもレッスン室や、テレビで先輩の後ろで踊るときのような寸分狂わない正確なダンスではなかった。まだ全然形になっていなくて、人に見せるようなダンスではなかった。それが限られた時間で必死に集中して振り付けを復習う間に整えられていくのを目の当たりにした。
健気な姿が可愛くてたまらなかった……そして、胸に押し寄せる愛しいという想い。あんな想いに駆られたのは初めてで、それは長い時を経た今でも変わることがないどころか、更に募らせている。
長いこと征弥の胸をいっぱいに埋め尽くしてしまう言葉は、溜め込まれるばかりで吐き出せなかった。だから今はすぐに溢れて口から漏れてしまうのだ。
「可愛い……結人……」
ぶかぶかのスウェットを捲ると簡単に胸が上まで暴かれてしまう。指先で悪戯されていつもより濃い桃色になっているそこに唇を落とす。なめらかな肌はいつまでも触れていたいほどに、指に心地よい。ウエストがゆるゆるのスウェットのパンツは簡単にずり下げることができた。太もものところまで下げられ吸い付くような手触りで、真っ白な双丘が露になる。結人の肌は全身なめらかなので、互いに全部衣類を取り去って抱き合うのも触れあった素肌が蕩けんばかりに心地よいが、こんな風に着衣を乱して抱くのも、視角的に中々にクるものがある。
ポケットに隠し持ってきたローションを指に掬って、征弥を受け入れる慎ましやかな孔にもぐらせる。いつの間にそんなものを用意していたのかと驚いたように瞳を丸くするが、すぐにナカに含まされた指のせいで結人の思考はめちゃくちゃになってしまう。
「ん……ぅ……」
どうやら、今日は何か照れ臭いのか声を出すのが恥ずかしいらしい。クッションに口を押し当てて声を堪えている。
ちゅ、ちゅ……と胸の先を吸ってナカを探る。
遠距離のせいで、いつだって会って最初に躯を繋げるときは、きついそこを解すのに時間がかかる。だが、今回は12月半ばから1月にかけての大学の冬期休暇を利用して征弥は日本に帰っていたため、ブランクは2ヶ月にも満たない。そのせいか、いつもよりそこが蕩け出すのが早い気がする。
「あっ………」
感じだしてふっくらしてきた痼は暴くのが簡単だった。そこに触れてしまえばもう結人には声を我慢する余裕もなくなってしまし、征弥も可愛い声が聞きたくて、クッションを取り上げてしまう。
瞳に張った涙の膜が雫になって、溢れだす。
「征弥……っん、あっ……」
濡れた目元に舌を這わせて、雫を舐めとる。
「感じたら泣いちゃうの、めちゃくちゃ可愛い……」
獣が獲物を前に舌舐めずりをするような声を出してしまった。
ひくひくと蠢く後孔に、我慢の限界に来ていた屹立を当てがって、潜り込む。
「あ……あ………っ」
痛くないように、細心の注意を払っているが、熱い内部が征弥に絡み付いて征弥の頭の中に僅かに残る理性も、躯に埋め込んでいる屹立も、どろどろに溶かしてしまいそうだった。
「結人……っ」
気持ちよくて堪らなくて結人の名を呼ぶと、熱く絡むそこが、ぎゅっと征弥を締め付けた。
「……っこら、我慢できなく、なる……っ」
「あ……っ征弥、も……」
額に滲んだ汗が流れて結人の上に落ちる。
熱くて、熱くてたまらないのは、炎に煽られているからなのか、結人に煽られているからなのかもわからないほどに熱く溶け合って、結人が声にならない悲鳴をあげて屹立から体液を溢したとき、征弥も躯の奥に愛しい想いを吐き出した。
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