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死体の秘密
しおりを挟む[もう、
やめてくれ。
。。。]
血まみれの体に何度も刃物で突き刺す。
ぐちゃ
ぐちゃ
刺すたびに血が溢れる。
[次はお前だなぁ笑っ]
にやけた顔をこっちに向けてきた。
[キャーー!]
叫び声が響き、
なり終わった後にはもう声は聞こえなかった。
(ふざけんなふざけんなふざけんな。
私がどれだけ頑張ってきたと思ってんだよ。
どれだけ愛されたと思ってんだよ。
絶対に。
呪ってやる。。。)
[速報です。
たった今、
11時26分頃に、
何人もの人が殺人されたという知らせが入りました。]
[まさか、ねっ。
きっと大丈夫。
だと信じるわよ。]
[安心しろ!
必ず雪南(ゆきな)
は帰ってくるはずだ!
まだ友達と遊んでるに違いない!]
[そう。
よね!]
子供が巻き込まれていないかと心配する父、
鈴木 翔一(すずき しょういち)
と鈴木 奏(すずき かなで)
は、
外を覗きながらもきっと帰ってくると願っていた。
[ねぇ。
翔一?
本当に帰ってくるのかしら。]
[さすがに心配だな。
でも、
今迎えに行ったとしても危ないぞ。
ここは山道だし何が出てくるかわかんないし。
明日の早朝に行くしかない。
友達の家で止まってるかもしれないからその可能性に頼ろう!]
早く行きたいけど危険の場合を考えて明日行くことにした。
[うぅ。。
はっ。]
うなされていた奏は、
目を覚ました。
[雪南が。殺される夢?
私は見てないよね。
そんな夢。]
ガチャ
ブーン
奏は、
急に怖くなり、
無意識のうちに夜道の中を一人で彷徨っていた。
[確か、
ここよね。]
奏が来た場所は、
殺人事件のニュースで説明されていた場所だった。
ボワーン
[めまいが。。]
近寄るに連れ、
奏の視界はぼやけていった。
[牢屋かしら?気味が悪いわね。]
がらがらがら
[えっ?]
牢屋の門に手を触れると、
触っていないのに鍵のようなものが落ちた。
[あいたの?]
[オ カ ア サ ン]
小さな震えた声が奏の耳に届いた。
[お母さん?
もしかして雪南なの?]
怖さなど忘れて一気に進み、
声のする方へと走った。
[雪南~?]
グサッ
[....
血?]
[ごめんなさい。
お母さん]
[雪。。。南?]
奏の目の前には亡くなった雪南が立っていた。
ーその日の朝ー
[あれっ?
奏?
どこに行ったんだよ!]
急にいなくなった奏を心配して、
周りを見渡す。
[車がない。
嘘だろ?
奏、1人で行ったのか?]
車がないことに気づき、
すぐに家を出て、
奏がいた場所へと走り出した。
[はぁ
はぁ
はぁ
限界だ。]
目的地まで全速力で走りきり、
息切れがひどかった。
[オ ト ウ サ ン]
[雪南なのか?
返事をしてくれ!]
[ウフフ]
[なんだよこれ。]
笑い声が聞こえる方を向くと、
そこには舞台のようなものが現れた。
[あれは。。。]
舞台の上には、
雪南が乗っていた。
[おい。。。
どうしてだ。雪南。]
雪南が持っていたものは、
奏の死体だった。
[オママゴト、
カイシ]
[どうも、
これからマジックを見せたいと思います。
まず、
この手をこうして。]
バキッ
[本来ならできないはずなのに、
あら不思議!
腕が回転しました!]
[雪南!
これ以上奏を痛めつけないでくれ。]
[次は、
箱の中に手をいれてみよう~!]
ポキッ
ポキッ
ポキッ
ぽたっ
ぽたっ
次々と奏の骨を折っていき、
その手を箱で隠してナイフで切り裂いていった。
[私の手を出してみると~!
何にもしていないのに、
私の手が真っ赤っかになりました!]
雪南が箱から手を出すと、
奏の血がべちゃべちゃとついていた。
[私のマジックはどうでしたか?]
[.........]
雪南の行動を見た翔一は、
急いで家へと向かった。
[はぁ
雪南はあんなことをするこじゃない。
もっと、
可愛い芸をしたり、
可愛いおままごとを見してくれたりした。
なのに何で?]
[ヴっ]
[ねぇ
待ってよ、
私の発表はまだ終わってないよ?]
[雪。。。南
ごめんな。
守ってやれなくて。
天国でまた続きを見てあげるよ。
奏もきっと楽しみにしてる。
だから...............
なっ?]
[パパ。
天国で、
見てね!
約束。。。
だよ!]
翔一を殺した後、
雪南も成仏して、
天国へと旅立っていった。
応援ありがとうございます!
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