誰かのヒーローになりたい俺の第一歩

よーじろー

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第三章

第三十三話

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 朱雀の指示に従い、二階へと上がる。
 目の前にある扉を開けるとそこは下の部屋とは打って変わって洋風な部屋だった。
 ピンク色に染められた壁といたるところに並べられた熊、猫、ライオン、虎のぬいぐるみ達、どこからか香る甘い香りが言葉を交わさなくても女性、いや女の子の部屋であることを物語っていた。一言で言うとその部屋はファンシーそのものだった。いるだけで綿毛のように心がふわふわと飛んでしまいそうになる。

「いつ来ても目がちかちかする部屋だな」

 周りを見渡しあかりが何度か瞬きをして言う。
 それに関しては俺も同感だった。どこか落ち着かない。

「いいの。こういうのが好きなんだから」

 あかりの言葉に頬を膨らませて朱雀が反論する。
 真ん中に置かれたテーブルに椅子が四つ。
 朱雀が先に座りあかりと俺を促す。先ほどと同じ並びで座ったところで、朱雀が話し出す。

「とりあえず確認からしましょうか」

 そう言って朱雀が手際よく決定事項を確認していく。
 それを聞きながらあかりが適宜詳細を質問していく。
 あかりも朱雀もそこに一切の澱みはなく、お互いがお互いの意図していることを分かっていることがよく分かる。

「でも、信頼していないわけではないし、頼んでおいてこう言うのは筋違いかもしれないけど、本当に大丈夫? 誰かが犠牲になるようなことにはならないわよね?」

 朱雀が心配そうにあかりの顔を見る。

「大丈夫だ。それにそうならないようにこうして打ち合わせをしているんだろう?」
「そう、よね……ごめんなさい」
「どうした? やけに塩らしいじゃないか」

 あかりがお道化て言うが、朱雀は下げた眉そのままに答える。

「……そうね、私らしくないわね」

 ――――パチン!

 そう言って、自分の頬を思い切り張る。

「よし。これで大丈夫。話を続けましょうか」
「お、おう!」

 朱雀が話を続ける。
 そして、今後の予定と考えなくてはいけないことを確認し終わった。

「最後に、詳細な日時と場所がまだ分かってないから、そこは分かり次第連絡するわね」
「了解した」

 あかりが腕を組み頷く。

「神田君は何かある?」

 朱雀が俺に尋ねる。

「……それでは、ひとついいですか?」

 任務内容や今後の作戦について何か意見があるわけではなかったが、そんな中でも俺にはどうしても聞いておかなくてはいけないことがあった。
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