超変態なジャン=ジャック・ルソーの思想がフランス革命を引き起こすまで

MJ

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ジャン=ジャック・ルソー

トリノの救済院

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トリノへはサブラン夫婦と同行することになった。

ヴァランス婦人はルソーの旅費をサブラン夫婦に託けて、それ以外にも多少の小遣いもルソーに渡した。

ルソーはヴァランス婦人の愛情を感じて幸せだった。

サブラン夫婦も思っていたほど変な人たちではなかった。

サブラン氏は愉快に、いっぱしの牧師のように説教を喋る。たいして知らないのに聖書の言葉を沢山知っているように喋る。坊主たちの中に取り入って喋り、利益を得るのが上手い利口な人物だった。

ヴァランス婦人にも上手く取り入って、生産工場の投資を持ちかけたりしたようだ。

ルソーにとって、そういった知恵を使った生き方はみていて愉快なものだった。

ただ、サブラン夫人は昼は大人しいのだが、夜はやかましかった。

ルソーは何故、サブラン夫人が夜になると騒いでいるのか分からないほど、性的な事にはまだまだ無頓着だった。

とにかく、ルソーはとても快適な旅を楽しんだ。

しかし、トリノに着くと、そこには地獄が待っていた。

サブラン夫婦は旅費はきっちり払ってくれたが、ルソーに1円のお金も残さず去っていった。

ルソーは着物も下着もなく、まさしく裸一貫でトリノの救済院へ取り残された。

ルソーが救済院へ入ると、門には頑丈な鍵が二重にかけられ、威圧的な雰囲気が漂っていた。大きな部屋で5人の浮浪者のような人達と一緒に教育を受けることになった。

ルソーの生まれたジュネーヴはプロテスタントで、ここではカトリックである。

カトリックは教えこまれた教義をそのままうけいれるというやり方で、プロテスタントは考えて議論して学ぶというやり方だ。

ルソーはここで、カトリック教徒の救済院の者達の手を焼いた。

救済院の者達は若いルソーに教えこめばいいと軽く考えていたが、本で学んだ知識を持つルソーには簡単には行かなかった。

いちいち、カトリックの教義に対する疑問を投げかけられほとほと手を焼いた。

他の者達と教育をしていたら他の者達へ悪影響を及ぼすということで、別室で一人若い僧侶に教育を受けることになった。

ここで、様々な問答が行われた。

若い僧侶もさるもので、ルソーに本の中の書かれている場所を探させたり、ルソーの知識の弱点をついてきたりした。

ルソーはそれでも屈しなかった。

理屈のこねあいが続いていたが、別の事件が起こった。

モール人だという汚い男がルソーに好意を示し始めた。

やたらと世話を焼いてくるし、食事も分けてくれた。

ルソーは嫌だったが、好意を無下にする訳にもいかず、モール人がしょっちゅう接吻してくるのを我慢していた。

だんだん馴れ馴れしくなってきた男は、一緒に寝ようと言いはじめた。

噛みタバコの臭いがプンプンするので吐きそうになり、ルソーは逃げだした。

しかし、男は執拗にルソーに近づいてくる。

次の朝早く、集会室にその男と二人きりでいると、その男が変なことをしはじめた。




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