超変態なジャン=ジャック・ルソーの思想がフランス革命を引き起こすまで

MJ

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ジャン=ジャック・ルソー

バークル少年と逃避行

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ジュネーヴ出身の少年はバークルと言った。

ルソーは同じ親方の元で働いていたので顔見知りだったのもあり、バークル少年とはすぐに打ち解けた。

「また来たよ」

「ゆっくりしていけよ」

「何をしよう」

「空想物語でも作ろうか」

「ある村に大きなバッタがいました」

「物凄い大きなバッタでした」

「牛3頭分位の大きなバッタです」

「バッタが飛ぶと一飛びで村の端から端まで飛ぶ事が出来ます」

「バッタは木の家をかじりました」

「裸のおばあさんが家を食べられて怒っています」

2人は笑いながらいつまでも話していました。とても気が合ったのです。バークルの冗談はとても愉快でルソーのツボにハマりました。

あまりにもルソーが浮ついて仕事を熱心にしないでいるので、バークルはグーヴォン家を立ち入り禁止と告げられました。

ルソーはそれまでバークルとは自分から会いたいとは思っていなかったのだけど、いよいよ禁止されたとなると何故か会いたくてたまらなくなった。

今度は逆に毎日のようにルソーがバークルの家に遊びに行った。

出て行ったら一日中帰らない

グーヴォン伯爵は堪忍袋の緒が切れてルソーを呼び出した。

「いい加減、外にばかり出ていたら暇を出すぞ」と脅した。

その時、ルソーはバークル少年がジュネーヴに帰る事になっていたからいっそ、ジュネーヴまでついて行こうかとぼんやり考えた。

そうなると、バークルと一緒の旅が愉快でたまらない気がしてきて辛抱たまらなくなった。

お金の事は心配だが、硝子の噴水器を持っていけば、どこの村でも注目を浴びて食べ物と宿くらいはどうにかなるだろうと決め込んだ。

そうなると、もはやルソーはジュネーヴまでの旅路に夢膨らみ、頭の中では蝶々が飛んでいる。

ルソーはついに、暇をだされてしまった。

だけど、ルソーは旅の方に意識がいっているからもはや残念とも思わない。暇を出してもらってよかったとさえ思っている次第だ。

そこへ、グーヴォン伯爵の家の若い人がルソーに熱心に筋の通った話をしてくれた。

「ルソー。お前はこの家を出るというが本気なのか」

「そうだけど」

「それはやめといた方がいいよ。この家ではお前はとても期待されている。特別待遇なんだ。何もあんな不良少年と出ていくことは無いじゃないか」

「バークルは不良少年じゃないよ」

「どっちみち、お前の付き合って得をするような子じゃないよ」

「そんなの関係ねぇ」

「よく考え直せよ。もし、お前が今からでも謝るなら、ここに置いといて貰えるように俺からも頼んでやるから」

「僕はこの家の方から暇を出されたんだ。僕が謝って帰る気なんてさらさらないよ。この家に戻ってもう一度暇を出されるなんて事になったらそれこそ笑いものだよ。そんなの願い下げだ」

「なんだとー! コノヤロウ! 黙って聞いてりゃいい気になりやがって。自惚れるのもいい加減にしろ!」

「自惚れてなんかないさ。僕は僕の道を行く!」

「コノヤロウ! 二度と来んな」

そう言ってルソーの肩を掴むと、外に放り出してピシャリとドアを閉じた。

ルソーは勝利でもしたかのように意気揚々と家を出た。

ルソーは無礼にもグーヴォン伯爵にお礼も言わずに去ってしまった。

バークルと二人で楽しい旅が始まったが、硝子の噴水器一つで生計を立てようという幼い考えだ。

旅の資金はすぐに底をついてしまった。
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