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スズメバチに喧嘩売る 殺るか殺られるか
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クワガタ採集できるいつもの散歩コース。
クワガタがいそうな木をチェックしながら歩くんだけど、樹液の出ているところにはスズメバチとカナブンが群れている。
最近僕は樹脂に包埋した標本を作ってみたいと考えている。
そこで、スズメバチを捕まえようと試みた。
知っての通り、スズメバチは刺されれば猛烈に痛い。
下手をすればアナフィラキシーショックで死んでしまうかもしれない毒を持っている。
しかも、こいつらは頭がいいので集団で襲ってくる可能性がある。
虎穴に入らずんば虎子を得ずと言うが、危険を犯さなければスズメバチを捕まえることは出来ない。
実際にスズメバチを間近で見ると、
ブーンという羽の音を聞くだけで鳥肌が立ってくるほど怖い。
彼らの真夏に飛ぶ速さは半端ない。
それこそしくじったらあいつらは襲いかかってくるだろう。
頭の中でシミュレーションをしてみる。
まず、網で捕まえて、それを百円ショップで買った水筒の中に入れる。
直ぐに蓋をする。
確保したら、山を走って逃げる。
たぶん、網で捕まえるところまでは問題ないだろう。
奴らは昆虫の中でも王者だから、弱いものを蹴散らすことしか考えていない。
自分が襲われるなんて微塵も考えていないから、油断して隙だらけだ。
しかし、網で捕まった途端、得意の針で攻撃しようとしてくるだろうし、何よりも頭がいいので騒ぎ立てて仲間を呼び集める。
奴らは仲間に助けてくれとフェロモンを出すのだ。
仲間がやられていると気づくと、集団で襲いかかってくる。
網で捕まえたあと、水筒の中に捕獲するまでモタモタしていたら、フェロモンで仲間が集まってくる。
ひぇー。
想像すると怖い。
どうシミュレーションしても、網で捕まえる作戦は上手くいく気がしない。
そこで、僕は水筒を直接スズメバチに被せて捕獲する作戦を思いついた。
これにはかなりの接近戦を要する。
水筒の口がスズメバチが入るか入らないかギリギリなのでもし入らなかったら危険だ。
だが、入らなかったらダッシュで逃げてしまえばいい。比較的リスクは小さいかもしれない。
僕は覚悟を決めて、水筒の蓋を外した。
樹液を吸っているスズメバチの背後からそっと近づいた。
辺りで樹液を吸ってる中では一番大きい個体だ。
せわしなく羽を動かしながら蜜を吸っているスズメバチ。
ビクビクしながら、スズメバチに水筒を近づける。
気づかれないように被せることができるか。
仕掛けたら一瞬で決まる。
もし失敗すれば獲得は諦めて猛ダッシュで山を駆け下りる。
成功すれば、逃げられないように速やかに蓋を閉めなければならない。
度胸を決めて、すっと水筒を被せた。
スズメバチは驚いて飛び立った。
すると、うまい具合に透明な水筒の中に入った。
やつは混乱している。
僕はすぐさま蓋を閉めた。
焦ってうまくキャップが回らない。
スズメバチは透明な水筒の中で暴れまくっている。
めちゃくちゃ迫力がある。
僕は何とかキャップをきつく締め直してカバンの中にしまった。
ドキドキしながら山を駆け下りる。
途中で尻もちをつきながら、何とかアスファルトで舗装された道路まで出てきた。
水筒を確認してみる。
凄い迫力で暴れるスズメバチ。
まるでジュラシックパークだ。
僕はビクビクしながら持ち帰った。
途中、北朝鮮の工作員を思い出した。
拉致完了。
はたして美しい標本を作れるだろうか。
クワガタがいそうな木をチェックしながら歩くんだけど、樹液の出ているところにはスズメバチとカナブンが群れている。
最近僕は樹脂に包埋した標本を作ってみたいと考えている。
そこで、スズメバチを捕まえようと試みた。
知っての通り、スズメバチは刺されれば猛烈に痛い。
下手をすればアナフィラキシーショックで死んでしまうかもしれない毒を持っている。
しかも、こいつらは頭がいいので集団で襲ってくる可能性がある。
虎穴に入らずんば虎子を得ずと言うが、危険を犯さなければスズメバチを捕まえることは出来ない。
実際にスズメバチを間近で見ると、
ブーンという羽の音を聞くだけで鳥肌が立ってくるほど怖い。
彼らの真夏に飛ぶ速さは半端ない。
それこそしくじったらあいつらは襲いかかってくるだろう。
頭の中でシミュレーションをしてみる。
まず、網で捕まえて、それを百円ショップで買った水筒の中に入れる。
直ぐに蓋をする。
確保したら、山を走って逃げる。
たぶん、網で捕まえるところまでは問題ないだろう。
奴らは昆虫の中でも王者だから、弱いものを蹴散らすことしか考えていない。
自分が襲われるなんて微塵も考えていないから、油断して隙だらけだ。
しかし、網で捕まった途端、得意の針で攻撃しようとしてくるだろうし、何よりも頭がいいので騒ぎ立てて仲間を呼び集める。
奴らは仲間に助けてくれとフェロモンを出すのだ。
仲間がやられていると気づくと、集団で襲いかかってくる。
網で捕まえたあと、水筒の中に捕獲するまでモタモタしていたら、フェロモンで仲間が集まってくる。
ひぇー。
想像すると怖い。
どうシミュレーションしても、網で捕まえる作戦は上手くいく気がしない。
そこで、僕は水筒を直接スズメバチに被せて捕獲する作戦を思いついた。
これにはかなりの接近戦を要する。
水筒の口がスズメバチが入るか入らないかギリギリなのでもし入らなかったら危険だ。
だが、入らなかったらダッシュで逃げてしまえばいい。比較的リスクは小さいかもしれない。
僕は覚悟を決めて、水筒の蓋を外した。
樹液を吸っているスズメバチの背後からそっと近づいた。
辺りで樹液を吸ってる中では一番大きい個体だ。
せわしなく羽を動かしながら蜜を吸っているスズメバチ。
ビクビクしながら、スズメバチに水筒を近づける。
気づかれないように被せることができるか。
仕掛けたら一瞬で決まる。
もし失敗すれば獲得は諦めて猛ダッシュで山を駆け下りる。
成功すれば、逃げられないように速やかに蓋を閉めなければならない。
度胸を決めて、すっと水筒を被せた。
スズメバチは驚いて飛び立った。
すると、うまい具合に透明な水筒の中に入った。
やつは混乱している。
僕はすぐさま蓋を閉めた。
焦ってうまくキャップが回らない。
スズメバチは透明な水筒の中で暴れまくっている。
めちゃくちゃ迫力がある。
僕は何とかキャップをきつく締め直してカバンの中にしまった。
ドキドキしながら山を駆け下りる。
途中で尻もちをつきながら、何とかアスファルトで舗装された道路まで出てきた。
水筒を確認してみる。
凄い迫力で暴れるスズメバチ。
まるでジュラシックパークだ。
僕はビクビクしながら持ち帰った。
途中、北朝鮮の工作員を思い出した。
拉致完了。
はたして美しい標本を作れるだろうか。
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