【ユイナーダ王国勇者伝説】天然ボケ猫勇者王子セイマは修行中〜勇者パーティーは回復役は聖人より聖女の方が良い!と言ってますが真の勇者は私です!

砂月ちゃん

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勇者タツヒコの冒険 ❼ 大怪獣決戦の裏側で〜2

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(リリーside)

私が今日の騒ぎで疲れた体を引きずってようやく一時帰宅すると、迷惑な居候達が部屋中に高価な撮影機材を広げて、大騒ぎをしていた。


外からは聞こえなかったから、防音魔法でも使ってたのかしら?


それにしても何なの?
撮影機材なんか出して!?


撮影機材の整備に夢中になっていたのか、やっと私が帰って来た事に気づいた、居候のタツヒコが凄く嬉しそうに迷惑な計画を喋り出した!


防御結界外に行って、【HMT】の撮影しようぜ!」

… 。

… 。


「はい?」

「ヨシ♪そうと決まれば、早速出掛けるぞ!
ほら♪リリーもコレ被って♪♪」


そう言ってヨウジが私に、気配を薄くする帽子を被せて来た。


「えっ?えっ?ちょっと待って!?
さっきのは同意の『はい!』じゃないのよ!
それに私、まだ仕事が!!」


「ヨシ!誰もいないな?」


家の周りに誰もいないのを確かめ、慎重に先に進む三人と無理矢理引きずって行かれる私……


誰もいなくて当たり前でしょー!
今、王都には外出禁止令が出てるのよ!


私だって、着替えとか泊まり込みの支度の為に、戻って来ただけなの!


それに何なのよ?
その【HMT】ってのは!?


「えっ?リリー知らないの?
最近魔道ネットワーク通信で話題の、動画サイトだよ♪
面白い写真とか動画を投稿して、人気が出るとけっこう稼げるんだぜ!」


そう言ってマジックボックスから、長方形をした、金属製の薄い板の様な物を取り出した。
裏側に何か模様がある。
(『仲嶋』と漢字で書いてあるが、リリーは偽転生者なので読めない。)


「この前の仕事で魔道列車に乗ったの投稿したら、かなりポイントが稼げたんだ♪
今思うとアレ、魔道列車だけじゃなくてチラチラあの王子が、見切れてたのがポイント高かったみたいだな。」


その時点であんた達が、王子に気付いてたらこんな事にはなってないわ!
このお馬鹿共!!
それよりさっきから何なのよ?


「え~?マサユキってばそんな事してたのかよ!
で、何位だったんだよ?」


えっ?ちょっと待って!
あんた達まさか!?


「ちょっ…ちょっと待って…そ…その投稿って何時何処でしたの?」


凄くイヤな予感しかしないんだけど、一応聞いてみる……


「ん?一週間前にリリーの家からだけど。
家から出れないんだから、当たり前だろ?
やっと編集が終わって、投稿したらすげぇ視聴率でさぁ♪
今朝確認したら、総合1位ww」

「「すげぇじゃん!!」」

… 。

… 。

「こ…こ…このお馬鹿!!
最近どうも誰かに見張られてる気がすると思ったら、あんたの所為だったのね!!
まさかとは思うけど、他の二人もやってないわよね!?」


私が問い詰めると、全員明後日の方向を向いて、目を合わせ様ともしない。
という事は、全員何かやったのね!?


「白状なさい!何やったのよ?」


… 。

… 。

… 。


「リリーの家に遊びに来る猫の親子の写真を毎日コメント付きで投稿してる。」


タ…タツヒコあんた!?


「い…何時から?」

「リリーの家に来てから割と直ぐかなぁ~。
凄く可愛いくて子猫が成長していく過程を記録していくのとか、至福だよなぁ♡
あ…大丈夫ちゃんとハンドルネーム使ってるから!」

「ヘェ~ハンドルネームねぇ……
因みにそのハンドルネーム、何ていうのかしら?」

「ちゃんと女の名前にしたから、大丈夫バレないって♪
ハンドルネームはリリエールだから♡」


それって……


「なかなか良いの思い付かなくて、フッと頭に浮かんだ名前を使ったんだけど?
何かマズかったのか?」


私の世話になって於きながら、覚えて無かったのね……


「リリエールはね…私の本名よ!!」

「「「あっちゃ~!やっちまったか~♪
大丈夫バレてないからww」」」


絶対バレてるわよ!!





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