僕とギャングスターの大冒険

アサノっち

文字の大きさ
33 / 58
夢を操る犯罪

小説と現実の狭間で

しおりを挟む
黄島は、
「剛史のシナリオだと、この後どうなるんだ?」
と、尋ねてきたので、
「青山さんが病気で亡くなって、黄島さんが九州に漂流するんだ。」
と、答えた。すると、
「確かに、このままだと、九州に行くな。でも、俺は生きてるし…。ん?剛史、コイツは、俺たちに味方してるぞ!?」
と、青山は話した。
「どうして?」
僕が聞き返すと、
「俺が生きてるところで、既に剛史のシナリオから逸れてる。これが、犯人の誤算だとしたら、もしかして。」
と、青山は答えた。そして、僕たちは、九州に辿り着こうとしていた。

その頃、野々宮の前では、僕、青山、黄島共に危篤状態に陥っていると、医師から聞かされた。
「…いや、剛史たちは、死をさまよってる訳じゃねえ。何とかして、呼び返さねえと。」
と、野々宮は、少し涙目で、眠る僕の手を握った。そして、
「剛史、頼む、戻ってきてくれ。」
と、野々宮は、呟いた。

一方、夢の向こうでは、僕の手が、熱を帯びるのを感じた。そして、野々宮の声が僕だけに聞こえた。
「野々宮さんが、僕を呼んでる。」
青山は、
「そっか。剛史は、一旦、野々宮のところに行った方が良いかも。」
と察知した。黄島は、
「でも、剛史がいねえと、俺たちは?」
と、心配したが、
「ここは、剛史が作った世界だぜ?俺たちは、絶対に負けねえ。剛史が、そうしてくれるはずだろ?」
と、青山は、いつも以上に、情熱的に力強く応えた。僕は、
「分かりました。野々宮さんに報告します。それで、必ずみんな助かる方法で、シナリオを作り上げます。」
と、青山と黄島に力強く答えた。そして、僕は、青山と黄島に守られながら、眠りについた。

暫くして、僕が目を開けると、目の前には、野々宮が僕の手を握りながら見守っていた。
「野々宮さん?」
「剛史、良かった。俺、信じてた。」
僕は、野々宮の情熱にも触れた。そして、僕は、三人を同じように愛し、愛されていたことに気付かされた。
「野々宮さん。青山さんと黄島さんも助けたい。そのためには、僕がシナリオを作らないといけないんだ。」
僕が話すと、野々宮は、少し戸惑う顔を見せながら、
「シナリオ?俺、剛史に付いてやるから、分かるように説明してくれ。」
と、僕に冷静に確かな言葉を返した。

僕が、野々宮に、僕が書いた世界が夢になっていることを話すと、
「…じゃあ、今、青山たちがいる世界では、俺はどうなってることになってるんだ?」
と、野々宮が聞き返した。
「…野々宮さんは、既に亡くなってることに。」
と、僕が答えると、
「うーん。何とか、俺を甦らせる方法はねえか?剛史の世界なんだろ?例えば、変な話、俺を神に見立てるとか。」
と、野々宮は、自分でも恥ずかしくなるような提案をした。
「野々宮さんを甦らせるんですね?僕、書いてみます。」
僕は、素直に聞き入れ、シナリオを練り直した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ
ファンタジー
 僕は十年程闘病の末、あの世に。  そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?  幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。   ※画像はAI作成しました。 ※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...