感染した世界で~Second of Life's~

霧雨羽加賀

文字の大きさ
3 / 5
始まり

緊急脱出 行く先

しおりを挟む
優side
第一食堂はすでに避難を始めていた。
避難している人たちの中から真奈美を探していると、後ろから声を掛けられる。
「優!よかった...」
後ろから声をかけてきたのは涙を流している真奈美だった。
私は優しく頭を撫でた後、抱きしめた。
「大丈夫よ、私はここにいるわ...」
ずっとこうしていたいけれど、状況が状況なのでそんなことも言ってられない。
持ち前の頭の回転で私はこれからどうすればいいか考えた。

「部屋に戻りましょう。必要なものをそろえて脱出よ。」
確か部屋には非常時用の水や食料、配布された洋服がある。
それがないとここを出たときに大変な目にあってしまうので、私たちは急いで部屋に戻ることにした。

第一食堂を出て、部屋の廊下にはすでに感染者が何体かうろついていた。
「待ってて...」
静かに私は感染者のもとに近づき、首をひねる。
次の感染者を壁に打ち付け、頭を砕いた。
これでとりあえず私たちは部屋に入ることができた。
「私は外で待っているから、部屋にあるものを持ってこれるだけとってきて。お父様も。」
そういうと真奈美とお父様が部屋に入る。
その間私はあたりを見ておくことにした...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大毅side
俺は優の言った通りに部屋にある水、食料や衣類をバッグに詰めていった。
持ち上げてみるとかなり重いが、俺が持てないほどではない。
「行くか...」
部屋を出る間際、窓をのぞいてみると人間に飛びつく感染者らしき影があった。

__早く出ないと手遅れになりそうだ。__

廊下に出るとかなり煙の臭いがした。
すでに真奈美と優は準備を終わらせていて、俺を待っていたようだ。
「悪い。この煙はなんだ...?」
「どこかから火が出てるみたい...私たちが倒れる前に急いで出ましょう」
俺たちは優を先頭に、避難所からの脱出を始めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
優side
真奈美が持ってきた荷物は私が持つことにして、火災が発生しているこの建物から出ることにした。

だんだんと煙の量は増えていき、私の視界を遮ってくる
「けほ...けほ...優...」
真奈美は明らかに弱っていて、お父様はかろうじて歩けていた。

そろそろ私も限界を迎えてきたころ、声が聞こえてきた。
「こっちだ!こっちにこい!」
私たちが見えていたのか、二人の男の人が私たちに手招きしている。
私たちは最後の力を振り絞り、煙だらけの建物から脱出することができた。

真奈美は息を整えていて、お父様はバッグを下ろし、中身の確認をしていた。
「ここはもうダメだ。あれを見ろ。」
そういって男の人たちが指さした方向には地獄が広がっていた。

第二食堂から大量の感染者が出てきて、避難し遅れた老人や子供を次々に襲っている。
首の肉をかみちぎり、腹を裂き確実に殺している...

私は心からの嫌悪を覚え、覚悟を決めてみんなに向けて言った。
「この先で救える人がいたら救いましょう。みんなでここを出るのよ。」
火災は勢いを増し、爆発する建物を背に、私たちは歩き始めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

終焉列島:ゾンビに沈む国

ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。 最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。 会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

女子切腹同好会

しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。 はたして、彼女の行き着く先は・・・。 この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。 また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。 マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。 世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...