17 / 145
アレックスの怒り
しおりを挟む
「最初、サラが持ってきた話しだったの。サラがかけ持ちしているバイト先のオーナーが、知り合いから頼まれた仕事だって言ってたわ。ロッジの清掃をすれば二、三日好きに使っていいっていう仕事。私たちは喜んで仕事を受けたわ。その時とにかくお金がなかったの。どこかに行くなんて考えられなかった。そんな時、ふってわいた話しだった」
それまで笑顔だったアレックスは、苦いものを噛んだように顔をしかめた。
「今考えたら、とてもおかしな仕事だったのよね。事件の後、サラのオーナーに確認したら、手紙だけで依頼された仕事で、オーナーはその相手に心当たりが無かったんだって。だけど銀行にお金か振り込まれてしまっていたから、信頼できるサラに仕事をお願いしたって言ってわ」
アレックスはギュッとキティを抱きしめてから再び口を開いた。
「私たちはニックの車でロッジに行ったわ。到着してみると、とても綺麗なロッジだった。これなら掃除はそんなに必要なかった。私たちが使った後にまた掃除すればいいだけだった」
アレックスは楽しかった記憶を思い出すように小さく笑った。
アレックスたちは買い込んだ食材で豪華な食事を作り、大いに食べて飲んで騒いだ。
大人になって成功したら、またこのように四人で集まろうと固く約束して。だがこの約束は二度と叶わなかった。
夜もふけてそろそろ寝ようとした時だった。部屋は三つあり、アレックスとサラが一つの部屋を使い、ニックとジョンが一部屋を使った。
どのくらい時間が経ったのだろう。ガチャンとガラスの割れる音がした。アレックスとサラが恐怖に身をかたくしていると、ニックとジョンがアレックスたちの部屋のドアを叩いた。
様子を見てくるからカギをかけて部屋で待つようにと。それがアレックスが聞いたジョンの最期の言葉だった。
アレックスとサラは抱きしめ合いながらジョンたちが帰ってくるのを待った。きっと風で何かが窓ガラスに当たって割れただけだ。
すぐにジョンとニックが笑いながら帰ってくるはずだ。アレックスたちの望みは、ロッジ内にこだまする悲鳴によって打ち砕かれた。
アレックスとサラはただちに部屋を飛び出し、ジョンたちがいるであろうリビングに走った。リビングには明かりがついていた。きっとジョンたちがリビングを確認するためにつけたのだろう。
リビングに入ったアレックスとサラは我が目を疑った。そこには奇妙な男が立っていた。ものすごく長身で、顔にはライオンのゴム製のマスクをかぶっていた。
手には薪割り用の斧が握られていた。斧からは血がポタポタとしたたっていた。
このおかしな男は誰だろう。ジョンたちはどこに行ってしまったのだろう。そこでアレックスはある臭いに気づいた。鉄くさい、これは血の臭いだ。
そう気づくと同時に、アレックスはリビングの床に目をやった。さっきまで座っていたソファに隠れるようにジョンが仰向けに倒れていた。肩から腰まで深い傷があり、ジョンの周りには血だまりができていた。
遠目からもジョンはすでに絶命している事がアレックスにもわかった。きっと目の前のおかしな男に殺されたという事にも思いいたった。
アレックスが叫び声をあげようとする前に、サラがかなぎり声を上げた。
それまで笑顔だったアレックスは、苦いものを噛んだように顔をしかめた。
「今考えたら、とてもおかしな仕事だったのよね。事件の後、サラのオーナーに確認したら、手紙だけで依頼された仕事で、オーナーはその相手に心当たりが無かったんだって。だけど銀行にお金か振り込まれてしまっていたから、信頼できるサラに仕事をお願いしたって言ってわ」
アレックスはギュッとキティを抱きしめてから再び口を開いた。
「私たちはニックの車でロッジに行ったわ。到着してみると、とても綺麗なロッジだった。これなら掃除はそんなに必要なかった。私たちが使った後にまた掃除すればいいだけだった」
アレックスは楽しかった記憶を思い出すように小さく笑った。
アレックスたちは買い込んだ食材で豪華な食事を作り、大いに食べて飲んで騒いだ。
大人になって成功したら、またこのように四人で集まろうと固く約束して。だがこの約束は二度と叶わなかった。
夜もふけてそろそろ寝ようとした時だった。部屋は三つあり、アレックスとサラが一つの部屋を使い、ニックとジョンが一部屋を使った。
どのくらい時間が経ったのだろう。ガチャンとガラスの割れる音がした。アレックスとサラが恐怖に身をかたくしていると、ニックとジョンがアレックスたちの部屋のドアを叩いた。
様子を見てくるからカギをかけて部屋で待つようにと。それがアレックスが聞いたジョンの最期の言葉だった。
アレックスとサラは抱きしめ合いながらジョンたちが帰ってくるのを待った。きっと風で何かが窓ガラスに当たって割れただけだ。
すぐにジョンとニックが笑いながら帰ってくるはずだ。アレックスたちの望みは、ロッジ内にこだまする悲鳴によって打ち砕かれた。
アレックスとサラはただちに部屋を飛び出し、ジョンたちがいるであろうリビングに走った。リビングには明かりがついていた。きっとジョンたちがリビングを確認するためにつけたのだろう。
リビングに入ったアレックスとサラは我が目を疑った。そこには奇妙な男が立っていた。ものすごく長身で、顔にはライオンのゴム製のマスクをかぶっていた。
手には薪割り用の斧が握られていた。斧からは血がポタポタとしたたっていた。
このおかしな男は誰だろう。ジョンたちはどこに行ってしまったのだろう。そこでアレックスはある臭いに気づいた。鉄くさい、これは血の臭いだ。
そう気づくと同時に、アレックスはリビングの床に目をやった。さっきまで座っていたソファに隠れるようにジョンが仰向けに倒れていた。肩から腰まで深い傷があり、ジョンの周りには血だまりができていた。
遠目からもジョンはすでに絶命している事がアレックスにもわかった。きっと目の前のおかしな男に殺されたという事にも思いいたった。
アレックスが叫び声をあげようとする前に、サラがかなぎり声を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる