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ジュリアの抵抗
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ジュリアはどこかの家の一室に監禁されていた。大きなベッドに寝かされ、手足を鉄のクサリで固定されていた。エグモントはご丁寧に一時間に一回、ジュリアの手と足を切っていく。そのためジュリアの体力はどんどん奪われていった。
ベッドはジュリアの流した血で真っ赤だった。ジュリアはもうろうとする意識の中で響の事を思った。響は無事だろうか。
辰治に響と逃げるよう命令したから大丈夫だとは思うが、心配で仕方なかった。響に会いたかった。ジュリアはポロポロと涙を流した。
ジュリアはただ響と二人、穏やかに暮らしたいだけなのに。何故こんな事になってしまったのだろうか。ギィとドアが開きエグモントが入って来た。また手足を傷つけられるのだろう。
ジュリアの体力は限界を超えていた。もう自分の身体の傷を再生する事もできなかった。ジュリアがかすむ目でエグモントを見ると、彼一人ではなかった。もう一人いた。
美しい少女だ。エグモントの家の使用人なのか、クラシックなメイド姿だった。彼女はエグモントの能力で操られているようで、一点を見つめたままつったっていた。
エグモントは機嫌良さそうにジュリアに言った。
「もう傷を回復させる体力も残っていないようだな?やっと大人しくなった。いい子になったジュリアにご褒美だ。若い娘の血をやろう。さぁ、クサリを引きちぎってこの娘の首に食いつくがいい」
エグモントはそう言うと部屋を出て行った。後にはジュリアとびどうだにしない若い娘だけが取り残された。
ジュリアの鼻こうが若い娘の香りで充満する。気が狂いそうだった。血が欲しい、血が欲しい。このクサリを引きちぎれば目の前の娘に食らいつく事ができる。
柔らかな首の肉をくいちぎり、首の骨を折って心ゆくまで血を吸うのだ。
ジュリアは甘い誘惑に抗うように理性を強めた。今この娘に食らいつけば理性が崩壊して娘を殺してしまうだろう。それだけは耐えなければいけなかった。
ジュリアはクサリをガチャガチャと激しく鳴らしながら、狂いそうになる吸血衝動にひたすら耐えた。
どれほどの時間が経ったのだろうか、再びエグモントが部屋に入って来た。ジュリアがまだ食事をしていないのを見て、ため息をついて言った。
「ダメじゃないかジュリア。ちゃんと食事をしなければ」
エグモントは笑顔のまま、娘の背中を押してジュリアがクサリをしたままでも血が飲めるようにした。ジュリアは首を振って抵抗した。
エグモントはジュリアの態度を見てから言った。
「ジュリア。私のものになれば、この娘の血をワイングラスにいれて飲ませてやる。それなら娘を殺す心配もないだろう?」
ジュリアはハッとした。たった一杯でもいい。若い娘のほうじゅんな血液を飲めたなら。ジュリアののどがゴクリと鳴った。
だがジュリアはワイングラス一杯のために自分を身売りする事になるのだ。何とみじめな事だろう。ジュリアは首を激しく振って抵抗した。
無理矢理ジュリアに血を飲ませようとしていたエグモントの動作がピタリと止まった。エグモントはため息をついて言った。
「やれやれ、ジュリア。私たちの犬がやって来てしまったようだ。しばらく中断しなければ」
エグモントは娘を部屋から出すと、ジュリアの手足のクサリを外して抱き上げた。ジュリアは抵抗する気力もなくなっていた。
エグモントの犬、おそらく辰治の事だ。ジュリアの犬とは響の事だろう。
響。ジュリアは心の中で彼の名を呼んだ。狂おしいほど会いたいのに。再びエグモントに会ったら、今度こそ響は殺されてしまうのではないだろうか。ジュリアはポロリと涙を流した。
ベッドはジュリアの流した血で真っ赤だった。ジュリアはもうろうとする意識の中で響の事を思った。響は無事だろうか。
辰治に響と逃げるよう命令したから大丈夫だとは思うが、心配で仕方なかった。響に会いたかった。ジュリアはポロポロと涙を流した。
ジュリアはただ響と二人、穏やかに暮らしたいだけなのに。何故こんな事になってしまったのだろうか。ギィとドアが開きエグモントが入って来た。また手足を傷つけられるのだろう。
ジュリアの体力は限界を超えていた。もう自分の身体の傷を再生する事もできなかった。ジュリアがかすむ目でエグモントを見ると、彼一人ではなかった。もう一人いた。
美しい少女だ。エグモントの家の使用人なのか、クラシックなメイド姿だった。彼女はエグモントの能力で操られているようで、一点を見つめたままつったっていた。
エグモントは機嫌良さそうにジュリアに言った。
「もう傷を回復させる体力も残っていないようだな?やっと大人しくなった。いい子になったジュリアにご褒美だ。若い娘の血をやろう。さぁ、クサリを引きちぎってこの娘の首に食いつくがいい」
エグモントはそう言うと部屋を出て行った。後にはジュリアとびどうだにしない若い娘だけが取り残された。
ジュリアの鼻こうが若い娘の香りで充満する。気が狂いそうだった。血が欲しい、血が欲しい。このクサリを引きちぎれば目の前の娘に食らいつく事ができる。
柔らかな首の肉をくいちぎり、首の骨を折って心ゆくまで血を吸うのだ。
ジュリアは甘い誘惑に抗うように理性を強めた。今この娘に食らいつけば理性が崩壊して娘を殺してしまうだろう。それだけは耐えなければいけなかった。
ジュリアはクサリをガチャガチャと激しく鳴らしながら、狂いそうになる吸血衝動にひたすら耐えた。
どれほどの時間が経ったのだろうか、再びエグモントが部屋に入って来た。ジュリアがまだ食事をしていないのを見て、ため息をついて言った。
「ダメじゃないかジュリア。ちゃんと食事をしなければ」
エグモントは笑顔のまま、娘の背中を押してジュリアがクサリをしたままでも血が飲めるようにした。ジュリアは首を振って抵抗した。
エグモントはジュリアの態度を見てから言った。
「ジュリア。私のものになれば、この娘の血をワイングラスにいれて飲ませてやる。それなら娘を殺す心配もないだろう?」
ジュリアはハッとした。たった一杯でもいい。若い娘のほうじゅんな血液を飲めたなら。ジュリアののどがゴクリと鳴った。
だがジュリアはワイングラス一杯のために自分を身売りする事になるのだ。何とみじめな事だろう。ジュリアは首を激しく振って抵抗した。
無理矢理ジュリアに血を飲ませようとしていたエグモントの動作がピタリと止まった。エグモントはため息をついて言った。
「やれやれ、ジュリア。私たちの犬がやって来てしまったようだ。しばらく中断しなければ」
エグモントは娘を部屋から出すと、ジュリアの手足のクサリを外して抱き上げた。ジュリアは抵抗する気力もなくなっていた。
エグモントの犬、おそらく辰治の事だ。ジュリアの犬とは響の事だろう。
響。ジュリアは心の中で彼の名を呼んだ。狂おしいほど会いたいのに。再びエグモントに会ったら、今度こそ響は殺されてしまうのではないだろうか。ジュリアはポロリと涙を流した。
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