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プリシラとエスメラルダ
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プリシラたちはドワーフとエルフに別れを告げると、王都に戻る事にした。エスメラルダはチコとサラを丁寧に城下町の宿屋に送ってくれた。
妹のプリシラ以外には雑なエスメラルダには珍しい事だ。きっとエスメラルダもチコサラに感謝しているのだろう。
エスメラルダはプリシラとタップを、マージ運送会社の前まで送ってくれた。すぐに帰ろうとするエスメラルダを、プリシラは呼び止めた。
「お姉ちゃん、ありがとう」
「私はプリシラのためなら何でもしてあげる。何かあったらすぐにお姉ちゃんに言うのよ?」
「うん、それともう一つ。王さまの説得に行く時、私を信じてくれてありがとう」
プリシラは、エスメラルダが自分を信じてくれた事が嬉しかったのだ。
「当たり前じゃない。プリシラはお姉ちゃんの自慢の妹なんだから」
エスメラルダは優しげに微笑んだ。プリシラの腕の中のタップが余計な事を言う。
『悪魔姉ちゃん、そんな事言ってぇ。本当はまどろっこしいから、王さまの事ボッコボコにしたかったんじゃねぇの?』
エスメラルダには霊獣のタップの言葉はわからない。だが大まかなニュアンスは伝わるようだ。
「プリシラ。この毛玉、私の悪口言ったでしょ?」
嘘のつけないプリシラは、結局姉にタップの言葉を正確に通訳してしまった。
「悪魔姉ちゃんですって?毛玉にしてはするどい事言うじゃない。そうよ、私は悪魔。だからプリシラは天使になるの」
「天使?私が?私は天使じゃないし、お姉ちゃんは悪魔なんかじゃないわ!」
プリシラが慌てて否定すると、エスメラルダはプリシラの頬に手をそえて言った。
「いい事、プリシラ。光はなぜ輝いているかわかる?闇があるからよ。天使が存在するためには悪魔がいなければいけない。私はね、プリシラを天使にするためには悪魔にだって喜んでなるわ」
プリシラはエスメラルダの謎かけのような言葉をぼんやり聞いていた。
「天使が存在するために悪魔が必要なら、天国の天使は、きっと地獄の悪魔の事が大好きなんだわ。だって私はお姉ちゃんの事が大好きなんだもの」
プリシラの言葉に、エスメラルダの顔がボッと赤くなった。
「もう!あんたって子は!急に何言い出すのよ!」
プリシラはエスメラルダが何故怒り出したのかわからなかった。エスメラルダは怖い顔のまま言った。
「いい事プリシラ。お姉ちゃんは今回の事で、すっごく心配したんだからね!よって後日おしおきをします!会社にお休みもらっておきなさい」
エスメラルダは怖い顔のまま、空間魔法で帰って行ってしまった。残されたプリシラはブルリと身体を震わせた。抱っこしていたタップがプリシラを見上げて聞いた。
『プリシラ。悪魔姉ちゃんのおしおきって何だ?』
「とっても恐ろしいおしおきよ?まずは流行の最先端のドレスをオーダメードであつらえてもらうの。ドレスだけじゃないわ。ドレスに合ったクツもアクセサリーもよ?そして素敵なカフェでお茶をするの。夜は五つ星ホテルの豪華なディナー。それがずっと続くのよ!」
『ん?うん。俺は霊獣だから人間の事よくわかんねぇけどよ。それっておしおきっていうよりも、ご褒美なんじゃねぇの?』
「甘いわね、タップ。そんな生活続けてたら、無くなっちゃうじゃない。労働意欲が。お姉ちゃんのおしおきはそれは恐ろしいものなのよ」
『・・・。そうか、がんばれよ』
妹のプリシラ以外には雑なエスメラルダには珍しい事だ。きっとエスメラルダもチコサラに感謝しているのだろう。
エスメラルダはプリシラとタップを、マージ運送会社の前まで送ってくれた。すぐに帰ろうとするエスメラルダを、プリシラは呼び止めた。
「お姉ちゃん、ありがとう」
「私はプリシラのためなら何でもしてあげる。何かあったらすぐにお姉ちゃんに言うのよ?」
「うん、それともう一つ。王さまの説得に行く時、私を信じてくれてありがとう」
プリシラは、エスメラルダが自分を信じてくれた事が嬉しかったのだ。
「当たり前じゃない。プリシラはお姉ちゃんの自慢の妹なんだから」
エスメラルダは優しげに微笑んだ。プリシラの腕の中のタップが余計な事を言う。
『悪魔姉ちゃん、そんな事言ってぇ。本当はまどろっこしいから、王さまの事ボッコボコにしたかったんじゃねぇの?』
エスメラルダには霊獣のタップの言葉はわからない。だが大まかなニュアンスは伝わるようだ。
「プリシラ。この毛玉、私の悪口言ったでしょ?」
嘘のつけないプリシラは、結局姉にタップの言葉を正確に通訳してしまった。
「悪魔姉ちゃんですって?毛玉にしてはするどい事言うじゃない。そうよ、私は悪魔。だからプリシラは天使になるの」
「天使?私が?私は天使じゃないし、お姉ちゃんは悪魔なんかじゃないわ!」
プリシラが慌てて否定すると、エスメラルダはプリシラの頬に手をそえて言った。
「いい事、プリシラ。光はなぜ輝いているかわかる?闇があるからよ。天使が存在するためには悪魔がいなければいけない。私はね、プリシラを天使にするためには悪魔にだって喜んでなるわ」
プリシラはエスメラルダの謎かけのような言葉をぼんやり聞いていた。
「天使が存在するために悪魔が必要なら、天国の天使は、きっと地獄の悪魔の事が大好きなんだわ。だって私はお姉ちゃんの事が大好きなんだもの」
プリシラの言葉に、エスメラルダの顔がボッと赤くなった。
「もう!あんたって子は!急に何言い出すのよ!」
プリシラはエスメラルダが何故怒り出したのかわからなかった。エスメラルダは怖い顔のまま言った。
「いい事プリシラ。お姉ちゃんは今回の事で、すっごく心配したんだからね!よって後日おしおきをします!会社にお休みもらっておきなさい」
エスメラルダは怖い顔のまま、空間魔法で帰って行ってしまった。残されたプリシラはブルリと身体を震わせた。抱っこしていたタップがプリシラを見上げて聞いた。
『プリシラ。悪魔姉ちゃんのおしおきって何だ?』
「とっても恐ろしいおしおきよ?まずは流行の最先端のドレスをオーダメードであつらえてもらうの。ドレスだけじゃないわ。ドレスに合ったクツもアクセサリーもよ?そして素敵なカフェでお茶をするの。夜は五つ星ホテルの豪華なディナー。それがずっと続くのよ!」
『ん?うん。俺は霊獣だから人間の事よくわかんねぇけどよ。それっておしおきっていうよりも、ご褒美なんじゃねぇの?』
「甘いわね、タップ。そんな生活続けてたら、無くなっちゃうじゃない。労働意欲が。お姉ちゃんのおしおきはそれは恐ろしいものなのよ」
『・・・。そうか、がんばれよ』
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