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結の告白2
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捨てられた人形たちは、父親が大切にしてくれる持ち主にゆずる事ができた。ホッとしたのもつかの間、結は学校でいじめを受けるようになった。子供とは残酷な生き物だ。
弱っている相手はいじめてもいいと考えている。結は上ばきを隠されたり、文房具を捨てられたりした。
結は悲しかったが、両親に心配をかけたくない一心で休む事なく学校に通っていた。
中学校に入ると環境が変わるのではないかと期待したが、中学校は小学校から上がってくる学生が多かったので、結は中学校でもいじめられる事となった。
最愛の母親が亡くなり、結は父親に心配をかけまいと、必死に中学校に通った。何故そこまでして学校に通うのかというと、結には夢があったからだ。父親と同じ人形修復士になる事だ。
そのためには高校を卒業し、専門学校に入らなければいけない。結は歯を食いしばって孤独な中学校生活を耐え抜いた。
高校に入る頃には、結は臆病で根暗な性格になっていた。結は高校に通っているうちに体調を崩すようになり、最終的には保健室登校をして何とか高校を卒業した。
そこまでして入った人形修復の専門学校では、あまりの不器用さに、学校を退学せざるをえなかったのだ。
それからの結は何も打ち込める事がなく、ひたすら時が過ぎるのを待つような暮らしをしていた。
結のたどたどしい話しを、幸士郎はジッと聞いていた。結は幸士郎にゆがんだ笑顔を向けて話しを締めくくって言った。
「ね?私ってちっともすごくないの。本当にどうしようもなく駄目な人間なのよ?」
幸士郎はジッと結の目を見つめてから口を開いた。
「結、お前はちっともダメな奴じゃない。結は夢に向かって必死にがんばったじゃないか。人形修復士の道は諦めたかもしれない。だが結は逃げなかった。時間はかかるかもしれないが、これから結がやりたい事を見つけていけばいいんじゃないか?」
幸士郎の大人びた言葉に、結は熱くなった目頭を必死に押さえた。そうしないと、涙がこぼれ落ちてしまいそうだったからだ。
幸士郎は、結の泣き顔を見ないようにするためか、夜空を見上げながら言った。
「人形使いの子供が人形使いの家に生まれたら、チヤホヤされて育つから、自己肯定感が育つかもしれない。だがその分プレッシャーは相当なものだ。俺は人形使いとして生まれ、人形使いの家で育った。俺は何度も考えた、人形使いの家に生まれなければよかったと。だが、結のように普通の家庭で育っていれば、人形使いの能力を素晴らしいものだと言ってくれる者がいなくて、自分の能力を肯定的にとらえる事ができなかったんだな」
結は幸士郎の話しをジッと聞いていた。
弱っている相手はいじめてもいいと考えている。結は上ばきを隠されたり、文房具を捨てられたりした。
結は悲しかったが、両親に心配をかけたくない一心で休む事なく学校に通っていた。
中学校に入ると環境が変わるのではないかと期待したが、中学校は小学校から上がってくる学生が多かったので、結は中学校でもいじめられる事となった。
最愛の母親が亡くなり、結は父親に心配をかけまいと、必死に中学校に通った。何故そこまでして学校に通うのかというと、結には夢があったからだ。父親と同じ人形修復士になる事だ。
そのためには高校を卒業し、専門学校に入らなければいけない。結は歯を食いしばって孤独な中学校生活を耐え抜いた。
高校に入る頃には、結は臆病で根暗な性格になっていた。結は高校に通っているうちに体調を崩すようになり、最終的には保健室登校をして何とか高校を卒業した。
そこまでして入った人形修復の専門学校では、あまりの不器用さに、学校を退学せざるをえなかったのだ。
それからの結は何も打ち込める事がなく、ひたすら時が過ぎるのを待つような暮らしをしていた。
結のたどたどしい話しを、幸士郎はジッと聞いていた。結は幸士郎にゆがんだ笑顔を向けて話しを締めくくって言った。
「ね?私ってちっともすごくないの。本当にどうしようもなく駄目な人間なのよ?」
幸士郎はジッと結の目を見つめてから口を開いた。
「結、お前はちっともダメな奴じゃない。結は夢に向かって必死にがんばったじゃないか。人形修復士の道は諦めたかもしれない。だが結は逃げなかった。時間はかかるかもしれないが、これから結がやりたい事を見つけていけばいいんじゃないか?」
幸士郎の大人びた言葉に、結は熱くなった目頭を必死に押さえた。そうしないと、涙がこぼれ落ちてしまいそうだったからだ。
幸士郎は、結の泣き顔を見ないようにするためか、夜空を見上げながら言った。
「人形使いの子供が人形使いの家に生まれたら、チヤホヤされて育つから、自己肯定感が育つかもしれない。だがその分プレッシャーは相当なものだ。俺は人形使いとして生まれ、人形使いの家で育った。俺は何度も考えた、人形使いの家に生まれなければよかったと。だが、結のように普通の家庭で育っていれば、人形使いの能力を素晴らしいものだと言ってくれる者がいなくて、自分の能力を肯定的にとらえる事ができなかったんだな」
結は幸士郎の話しをジッと聞いていた。
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