6 / 212
パティの強さ
しおりを挟む
「神父さま、神父さま。マックスとチャーミーを助けて、」
パティは最後の力をふりしぼって教会のドアをたたいた。ただならないパティの声に、ジョナサンが慌てて飛び出して来た。
「どうしたんだパティ!」
神父のジョナサンはパティの背中を見て叫んだ。
「パティ!どうしたんだ!?この背中の火傷は?!」
「神父さま!私の事は後でかまいません。どうかマックスとチャーミーの火傷を先に治してください!」
「ああ、ああ。わかった、わかったから」
ジョナサンはパティを落ち着かせるために何度もうなずくと、マックスの後ろ脚とチャーミーの尻尾に治癒魔法をほどこしてくれた。
「マックス、チャーミー。良かった」
パティはマックスとチャーミーの無事を確認すると、意識を失った。
次にパティが目を覚ますと、自分のベッドの中だった。全身が熱くて、頭が痛かった。
パティは動かない身体を必死に動かそうとするが、指一本動かせなかった。マックスがしきりにパティの頬をなめ、チャーミーとピンキーが反対の頬にすり寄って来た。アクアはパティの胸の上によじ登って、つぶらな瞳で心配そうにパティを見ていた。
「皆、無事で、良かった」
パティが微笑むと、マックスはベッドを飛び降りてキャンキャンと鳴いた。ドアがガチャリと開いて、心配そうなジョナサンが入って来た。
「ああ、パティ。良かった。もう三日も寝込んでいたんだぞ?気分はどうだ?」
「神父さま。ご迷惑をおかけしました。身体が動かないの」
「無理もない。お前は高熱を出しているんだ。さぁ、薄いスープを作ったから飲みなさい」
ジョナサンはパティの背中に枕を入れてから、スプーンですくったスープを、パティの口に少しずつ入れてくれた。
マックスたちはパティの事をじっと見つめていた。パティの身体が回復するまでに一週間かかった。
パティの体調が戻って学校に行くと、マフサはパティにからんでこなくなった。どうやら学校の先生に怒られたようだ。
パティは穏やかな学校生活を送る事ができた。
パティの友だちはスクスク成長し、マックスは立派なシェパードに、チャーミーは美しいグレーの毛皮をまとったロシアンブルーに、ピンキーは翼が成長し、大空を自由に飛び回るモモイロインコに、アクアは少しだけ大きなチズガメになった。
マックスたちはパティの側をかた時も離れず、パティが学校で授業を受けている時には、グランドで日なたぼっこをしていた。
パティが授業を終えて学校から出て行くと、マックスたちは嬉しそうにパティに駆け寄って来た。
パティは最後の力をふりしぼって教会のドアをたたいた。ただならないパティの声に、ジョナサンが慌てて飛び出して来た。
「どうしたんだパティ!」
神父のジョナサンはパティの背中を見て叫んだ。
「パティ!どうしたんだ!?この背中の火傷は?!」
「神父さま!私の事は後でかまいません。どうかマックスとチャーミーの火傷を先に治してください!」
「ああ、ああ。わかった、わかったから」
ジョナサンはパティを落ち着かせるために何度もうなずくと、マックスの後ろ脚とチャーミーの尻尾に治癒魔法をほどこしてくれた。
「マックス、チャーミー。良かった」
パティはマックスとチャーミーの無事を確認すると、意識を失った。
次にパティが目を覚ますと、自分のベッドの中だった。全身が熱くて、頭が痛かった。
パティは動かない身体を必死に動かそうとするが、指一本動かせなかった。マックスがしきりにパティの頬をなめ、チャーミーとピンキーが反対の頬にすり寄って来た。アクアはパティの胸の上によじ登って、つぶらな瞳で心配そうにパティを見ていた。
「皆、無事で、良かった」
パティが微笑むと、マックスはベッドを飛び降りてキャンキャンと鳴いた。ドアがガチャリと開いて、心配そうなジョナサンが入って来た。
「ああ、パティ。良かった。もう三日も寝込んでいたんだぞ?気分はどうだ?」
「神父さま。ご迷惑をおかけしました。身体が動かないの」
「無理もない。お前は高熱を出しているんだ。さぁ、薄いスープを作ったから飲みなさい」
ジョナサンはパティの背中に枕を入れてから、スプーンですくったスープを、パティの口に少しずつ入れてくれた。
マックスたちはパティの事をじっと見つめていた。パティの身体が回復するまでに一週間かかった。
パティの体調が戻って学校に行くと、マフサはパティにからんでこなくなった。どうやら学校の先生に怒られたようだ。
パティは穏やかな学校生活を送る事ができた。
パティの友だちはスクスク成長し、マックスは立派なシェパードに、チャーミーは美しいグレーの毛皮をまとったロシアンブルーに、ピンキーは翼が成長し、大空を自由に飛び回るモモイロインコに、アクアは少しだけ大きなチズガメになった。
マックスたちはパティの側をかた時も離れず、パティが学校で授業を受けている時には、グランドで日なたぼっこをしていた。
パティが授業を終えて学校から出て行くと、マックスたちは嬉しそうにパティに駆け寄って来た。
225
あなたにおすすめの小説
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる