50 / 118
魔物との戦い
しおりを挟む
ゼノは無意識のうちに自身のくちびるをなめていた、緊張した時のくせだ。よく妻のユリアに子供みたいでみっともないからやめなさいと叱られていた。その時はうるさいと思っていた苦言も、今では懐かしく甘い痛みとなって心にチクリと突き刺さる。
まずはザランがどのような魔法を使うのか見極めなければいけない。先ほどノーマのツタを焼き切った所を見ると、どうやら雷の魔法のようだ。ならば植物魔法では分が悪い。
ゼノは若い頃、召喚術で初めてノーマと出会って六十年あまり、精霊ノーマの土魔法が最強だと常々思っていた。盟友の勇者クリフハルトは、あらゆる魔法を使いこなすため、土魔法は地味だとぬかしていた。だがゼノはそうは思わない、土魔法はどんな状況も必ず対応できる万能の魔法だと信じている。ザランがゼノたちめがけて攻撃魔法を放った。予想通り強力な雷魔法がゼノたちを襲う。ゼノがノーマに叫ぶ。
「ノーマ!」
『分かっとるわい!』
ノーマは鉱物防御魔法でゼノたちを守った。すかさずゼノが言う。
「ノーマ!鉄の刃じゃ!」
『よし来た!』
ノーマは土魔法で鉄の刃を作り出しザランの周りをおおうように配置した。すると、ザランが雷魔法を使うと、ゼノたちの所まで雷魔法が届かず、鉄の刃に雷が吸い寄せられてしまうのだ。そして鉄の刃はザランの檻にもなった。
ザランはヒョウッヒョウッと鳴きながら霊獣の名を呼んだ。すると三頭の霊獣が現れた。一頭は犬の霊獣で、額にツノのある美しいボルゾイだった。二頭目はグリーンイグアナの霊獣で、背中にコウモリのような翼が生えていた。三頭目は栗毛の馬で、額にはツノが生えていた。三頭の霊獣たちは契約者であるザランを守るため、ゼノたちへの攻撃を開始した。ゼノは孫娘のエイミーとピピ、テイマーのバートとポーに声をかけた。
「エイミー、ピピ。バート、ポー。霊獣の保護を頼む!わしはザランと戦う!」
テイマーのバートと、召喚士のエイミーはいいコンビなのた。バートが霊獣をテイムして、エイミーがピピの土魔法で霊獣を安全に保護する。霊獣のポーはバートたちのフォローだ。テイマーのバートは前に出て、ボルゾイの霊獣を見すえて止まれ!と言った。するとボルゾイの霊獣は途端に苦しみ出した。バートのいつものテイムが通用しない。バートは焦ってゼノに叫んだ。
「ゼノさん!この霊獣たちは真の名の契約ではないです。別な魔法で操られているようです!」
バートは想定外の事が起きると途端に弱くなる。ボルゾイの霊獣が魔法を繰り出す、風の刃がバートたちを襲う。冷静なオウムの霊獣ポーが風防御魔法でバートたちを守る。
だがボルゾイの霊獣と同じ風魔法なので力が拮抗してしまう。焦ったエイミーがうさぎの霊獣ピピに指示を出す。だがエイミーは完全に冷静さを欠いていて、あいまいな指示にピピが対応できず後ろを向いて心配そうにエイミーを見る。これはまずい、ゼノとノーマは大声でエイミーとピピに助言する。
「しっかりせんか!エイミー!お前とピピはザランよりも強い!お主が弱気になるとピピに伝わってしまうぞ。自信を持つのじゃ!」
『ピピ、エイミーばかり見るな!お主とエイミーは固い絆で結ばれておるのじゃろ?!しっかりと対戦相手を見ろ!エイミーの心を感じるのじゃ!』
エイミーとピピは、自分たちの師匠の言葉にハッとする。そしてエイミーとピピは見つめ合うと同時にうなずいた。
「行くよピピ!」
『うん!エイミー!』
「ピピ、鉱物防御魔法!そして植物攻撃魔法でイグアナと栗毛の馬の魔法確認!」
『わかった!』
エイミーの指示に従い、ピピはボルゾイの風攻撃魔法を鉱物防御魔法で回避した。そしてすかさず植物魔法で鋭いツタを出現させ、イグアナの霊獣と栗毛の馬の霊獣に攻撃した。イグアナの霊獣は、水攻撃魔法でツタを破壊した、どうやら水の魔法を操るようだ。栗毛の馬の霊獣は鉱物防御魔法でツタを防いだ。どうやら土魔法を使うようだ。
それを見ていたテイマーのバートは、自身の契約霊獣オウムのポーに言った。
「どうやら僕のテイムは使えないらしい。ポー、風魔法で助けてくれるかい?」
「勿論よバート。あなたのテイムはこの後きっと役立つわ、それまで私があなたを助けるわ」
「ありがとう、ポー。ボルゾイの霊獣は魔法が拮抗してしまう。イグアナと栗毛の馬に風攻撃魔法をしてくれ」
「了解!」
テイマーのバートもどうやら気持ちを立て直したようだ。イグアナと栗毛の馬にポーが風の弾丸の攻撃魔法を放つ。その光景を、ゼノとノーマは嬉しげに見つめた。ノーマがゼノに言う。
『嬉しいのぉ、ゼノ。若い連中が成長してくれて』
「ああ、エイミーとバートは未来の勇者たちじゃ」
ゼノとノーマが若い者たちを見ていると、栗毛の馬がゼノたちの作った鉄の刃の檻を土魔法で無効化してしまった。自由になったザランは、またもやヒョウッヒョウッと怪しげな鳴き声を発してから、フレイヤと言った。
突然ザランの側に美しい女性が現れた。その女性は全身炎に包まれていた。彼女は炎の精霊なのだ。炎の精霊を見たノーマが叫ぶ。
『フレイヤ!お主が何故ここに?!』
心配したゼノが問う。
「ノーマ、知り合いか?」
『ああ古き友だ。だが何故フレイヤほどの者があのようなザランなどと契約をしたのか』
ゼノは不安げに炎の精霊を見やる。炎の精霊は、古き友のノーマを見ても、一向に変化はなく、ただにごった瞳をさまよわせていた。ザランがフレイヤに命令する。
「フレイヤ、ここにいる人間を焼きつくせ!そして霊獣と精霊を奪うのだ!」
『かしこまりました。ご主人さま』
炎の精霊フレイヤは強力な炎魔法を発動した。
まずはザランがどのような魔法を使うのか見極めなければいけない。先ほどノーマのツタを焼き切った所を見ると、どうやら雷の魔法のようだ。ならば植物魔法では分が悪い。
ゼノは若い頃、召喚術で初めてノーマと出会って六十年あまり、精霊ノーマの土魔法が最強だと常々思っていた。盟友の勇者クリフハルトは、あらゆる魔法を使いこなすため、土魔法は地味だとぬかしていた。だがゼノはそうは思わない、土魔法はどんな状況も必ず対応できる万能の魔法だと信じている。ザランがゼノたちめがけて攻撃魔法を放った。予想通り強力な雷魔法がゼノたちを襲う。ゼノがノーマに叫ぶ。
「ノーマ!」
『分かっとるわい!』
ノーマは鉱物防御魔法でゼノたちを守った。すかさずゼノが言う。
「ノーマ!鉄の刃じゃ!」
『よし来た!』
ノーマは土魔法で鉄の刃を作り出しザランの周りをおおうように配置した。すると、ザランが雷魔法を使うと、ゼノたちの所まで雷魔法が届かず、鉄の刃に雷が吸い寄せられてしまうのだ。そして鉄の刃はザランの檻にもなった。
ザランはヒョウッヒョウッと鳴きながら霊獣の名を呼んだ。すると三頭の霊獣が現れた。一頭は犬の霊獣で、額にツノのある美しいボルゾイだった。二頭目はグリーンイグアナの霊獣で、背中にコウモリのような翼が生えていた。三頭目は栗毛の馬で、額にはツノが生えていた。三頭の霊獣たちは契約者であるザランを守るため、ゼノたちへの攻撃を開始した。ゼノは孫娘のエイミーとピピ、テイマーのバートとポーに声をかけた。
「エイミー、ピピ。バート、ポー。霊獣の保護を頼む!わしはザランと戦う!」
テイマーのバートと、召喚士のエイミーはいいコンビなのた。バートが霊獣をテイムして、エイミーがピピの土魔法で霊獣を安全に保護する。霊獣のポーはバートたちのフォローだ。テイマーのバートは前に出て、ボルゾイの霊獣を見すえて止まれ!と言った。するとボルゾイの霊獣は途端に苦しみ出した。バートのいつものテイムが通用しない。バートは焦ってゼノに叫んだ。
「ゼノさん!この霊獣たちは真の名の契約ではないです。別な魔法で操られているようです!」
バートは想定外の事が起きると途端に弱くなる。ボルゾイの霊獣が魔法を繰り出す、風の刃がバートたちを襲う。冷静なオウムの霊獣ポーが風防御魔法でバートたちを守る。
だがボルゾイの霊獣と同じ風魔法なので力が拮抗してしまう。焦ったエイミーがうさぎの霊獣ピピに指示を出す。だがエイミーは完全に冷静さを欠いていて、あいまいな指示にピピが対応できず後ろを向いて心配そうにエイミーを見る。これはまずい、ゼノとノーマは大声でエイミーとピピに助言する。
「しっかりせんか!エイミー!お前とピピはザランよりも強い!お主が弱気になるとピピに伝わってしまうぞ。自信を持つのじゃ!」
『ピピ、エイミーばかり見るな!お主とエイミーは固い絆で結ばれておるのじゃろ?!しっかりと対戦相手を見ろ!エイミーの心を感じるのじゃ!』
エイミーとピピは、自分たちの師匠の言葉にハッとする。そしてエイミーとピピは見つめ合うと同時にうなずいた。
「行くよピピ!」
『うん!エイミー!』
「ピピ、鉱物防御魔法!そして植物攻撃魔法でイグアナと栗毛の馬の魔法確認!」
『わかった!』
エイミーの指示に従い、ピピはボルゾイの風攻撃魔法を鉱物防御魔法で回避した。そしてすかさず植物魔法で鋭いツタを出現させ、イグアナの霊獣と栗毛の馬の霊獣に攻撃した。イグアナの霊獣は、水攻撃魔法でツタを破壊した、どうやら水の魔法を操るようだ。栗毛の馬の霊獣は鉱物防御魔法でツタを防いだ。どうやら土魔法を使うようだ。
それを見ていたテイマーのバートは、自身の契約霊獣オウムのポーに言った。
「どうやら僕のテイムは使えないらしい。ポー、風魔法で助けてくれるかい?」
「勿論よバート。あなたのテイムはこの後きっと役立つわ、それまで私があなたを助けるわ」
「ありがとう、ポー。ボルゾイの霊獣は魔法が拮抗してしまう。イグアナと栗毛の馬に風攻撃魔法をしてくれ」
「了解!」
テイマーのバートもどうやら気持ちを立て直したようだ。イグアナと栗毛の馬にポーが風の弾丸の攻撃魔法を放つ。その光景を、ゼノとノーマは嬉しげに見つめた。ノーマがゼノに言う。
『嬉しいのぉ、ゼノ。若い連中が成長してくれて』
「ああ、エイミーとバートは未来の勇者たちじゃ」
ゼノとノーマが若い者たちを見ていると、栗毛の馬がゼノたちの作った鉄の刃の檻を土魔法で無効化してしまった。自由になったザランは、またもやヒョウッヒョウッと怪しげな鳴き声を発してから、フレイヤと言った。
突然ザランの側に美しい女性が現れた。その女性は全身炎に包まれていた。彼女は炎の精霊なのだ。炎の精霊を見たノーマが叫ぶ。
『フレイヤ!お主が何故ここに?!』
心配したゼノが問う。
「ノーマ、知り合いか?」
『ああ古き友だ。だが何故フレイヤほどの者があのようなザランなどと契約をしたのか』
ゼノは不安げに炎の精霊を見やる。炎の精霊は、古き友のノーマを見ても、一向に変化はなく、ただにごった瞳をさまよわせていた。ザランがフレイヤに命令する。
「フレイヤ、ここにいる人間を焼きつくせ!そして霊獣と精霊を奪うのだ!」
『かしこまりました。ご主人さま』
炎の精霊フレイヤは強力な炎魔法を発動した。
0
あなたにおすすめの小説
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる