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レオンの職業

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 レオンとアルスとガブリエルは、洗濯の終わったシーツをリネン室に運んでいた。レオンはガブリエルに言った。

「ボイさんには困ったものだね?ガブに会いたくて、僕とアルに難くせをつけるんだ」
「俺は弱い者に対して高圧的な態度を取る人間が大嫌いだ。ボイを見ているとむしずが走る」

 ガブリエルはボイに対して相当怒っているようだ。レオンは話題を変えた。

「オットーさんは優しい人だね?僕らが困っていると、すぐに助けてくれるんだ」

 ガブリエルはため息をついてから言った。

「オットーが何故レオンに優しいのかわかるか?」
「?。オットーさんは誰にでも優しいんじゃない?」
「まぁ、そうだな。だが、オットーはレオンに特に優しい」
「そうかなぁ。どうしてだろう」

 ガブリエルは苦笑しながら言った。下心があるからに決まっているだろう、と。レオンはオットーの下心が何なのかよくわからなかったので黙っていると、ガブリエル少し怖い顔になって言った。

「いいか、レオン。オットーに、大事な話しがあるから、必ず一人で来てくれと言われても、必ず俺に知らせろ。そしてアルスを一緒に連れて行くんだぞ?」
「何で?」
「何でもいいから。レオン、返事は?」
「よくわからないけどわかった」
「よろしい」

 レオンたちはリネン室に大量のシーツを持ち込んだ。これから力仕事のアイロンがけがあるのだ。

 鉄のアイロンに、焼けた石を乗せて温めて、鉄が熱いうちに大きなシーツにアイロンをかけるのだ。この仕事は大変なので、たいがいのメイドはやりたがらない。

 レオンはガブリエルのアイロンさばきに、声をあげた。

「ガブはすごいね!シーツにシワ一つないよ。僕のはシワだらけだ」
「レオンのは俺がもう一回かける。レオンは小さな枕カバーにアイロンをかけてくれ」
「ありがとう、ガブ。僕もアイロンがけ、もっと上手くなって、ガブみたいな立派なメイドになるよ」

 ガブリエルはアイロンの手を止めて、ため息をついて言った。

「何事にも一生懸命になるのはレオンのいいところではあるがな。レオン、俺たちは何のためにメイドの仕事をしているんだ?」
「?。伯爵さまのお役に立つため」
「おしい。俺たちは伯爵の命を狙いに来る、殺し屋を倒すためにメイドとして潜入しているんだぞ?」
「!、そうだった!日々の仕事に忙殺されて、最初の目的忘れかけてたよ!」
「思い出してくれて良かった」
「でも、ガブ。君は今剣を持っていないでしょ?もし急に殺し屋が出て来たら危ないんじゃない?」
「それなら大丈夫だ。アルスのくれた剣は、魔法の剣だ。こうやって小さくして身につけておける」

 ガブリエルはそう言って、胸元からペンダントを取り出した。小さくなった剣をクサリに通しているのだ。それを見たアルスが偉そうに胸をはって言った。

「どうじゃ、オレ様の作った武器は素晴らしいであろう」

 ガブリエルは笑顔でうなずいている。気をよくしたアルスがレオンに言った。

「もちろんレオンも、オレ様の作った武器を肌身離さず持っているであろうな?」
「ううん。リュックサックに入れっぱなし」
「何じゃと!まったく気がゆるみすぎじゃ!」

 レオンとアルスが言い合いをしていると、リネン室のドアがノックされた。
 

 
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