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250、願いを
白い光を帯びたその姿。
その光は淡くそして強く、美しいグラデーションを見せながら輝いている。
(これは……)
エイジは思わず言葉を失った。
ミイムが、エイジの肩で嬉しそうにその光に向かって話しかける。
『お母様! ミイム、エイジと友達になったです!』
白い光と一緒にこちらに向かってくるリイムが、エイジの肩にとまる。
『ミイム、はしゃぐのやめなさいって言ったでしょ?』
ミイムは、リイムにそう咎められてまたしょんぼりする。
『そういうなって、リイム。ミイムが楽しそうで、エリスたちも喜んでるんだしさ』
エイジの言葉にミイムは、ぱぁっと明るい顔になって。
『ミイムと友達になれて嬉しいですか?』
『ああ、ミイム』
すっかり機嫌が直って、エイジの肩に座って鼻歌を歌うミイム。
精霊だけに実際に年齢は分からないが、しっかり者のリイムは小学生ぐらい、ミイムは幼稚園児といった雰囲気である。
白い光はゆっくりとこちらに歩み寄りながら、ミイムに言った。
『リイム、ミイム、いらっしゃい』
『はい!』
『はいです、お母様!』
白い光を放つ精霊の言葉に、リイムとミイムはエイジの肩から飛び立つと、今度はその精霊の美しく長い腕にとまった。
「綺麗……」
「本当ね……」
エリスとリアナは白い光を放つ精霊を見つめて嘆息していた。
エイジも思わず見惚れてしまう。
北欧の神話の女神のような容貌の女性が、白い光を帯びて歩いてくる。
もし目の前の存在が『私は女神です』といったら多分信じるだろう。
加護を貰っておいて失礼な話だとは思うが、少なくてもメルティに言われた時よりは信じられる自信がある、とエイジは思った。
(メルティとは、出会いが最悪だったからな)
思い出すと溜め息しか出ない出会いである。
光の精霊は、エイジたちの前に立つとリイムとミイムの頭を優しく撫でた。
しっかり者のリイムも、無邪気な顔をして気持ちよさそうにしている。
ミイムにいたっては、すっかり甘えている様子だ。
その後、暫く何を言わずにエイジを眺めるとようやく口を開いた。
『私はファルティーシア。この境界を守る者です』
『あの、俺、エイジって言います」
エイジは慌てて挨拶を返した。
間近で見ると、人の形はしているが全く別の生命体であることがハッキリと分かる。
輪郭が揺れ、そしてまた形を成す。
ライアンがシェリルに話しかけた。
「凄え、この人も精霊なんだろ? こっち見てるぜ、へへ、綺麗だなぁ」
「ライアンじゃなくて、エイジを見てるにゃ。恥ずかしい顔するのやめるにゃ」
エリクが唇に指を当てて、静かにするように窘めた。
「しっ! 相手は高位精霊と呼ばれる特別な存在です。精霊使いの中には、彼らを神と崇める者もいるぐらいですから」
「か、神?」
その言葉に背筋をしゃんとするライアン。
エリクはエイジにも忠告する。
「エイジ、貴方も失礼がないように。願いは一つにして下さい、彼女は欲が深い人間を嫌いますからね」
エイジはエリクさんに頷くと、ファルティーシアと名乗る精霊に挨拶をした。
『あの、中に入れて頂いてありがとうございます。俺たちこの先に行きたいんです、それで貴方たち精霊の許可を頂きたいと思って』
白い光を放つ精霊は、静かにエイジを見つめると口を開いた。
『精霊の言葉を話す人間は珍しい。リイムやミイムが懐くのも。いいでしょう、ここを通ることを許しましょう。リイム、ミイム、出口まで案内をしてあげなさい』
二人はファルティーシアの白い腕から飛び立つと、エイジの周りを飛び回る。
『分かりました、お母様! エイジ、行くわよ。案内してあげる』
『ミイムも案内するです!』
『ありがとな、二人とも』
その旨エイジは一向に伝えると、リイムとミイムに案内されながら足を踏み出した。
だが……。
(高位精霊か、もしかしたら)
エイジはファルティーシアを振り返る。
白王の薔薇のことを何か知っているかもしれない。
彼女がもう踵を返して、クリスタルの方に帰っていくのが見えた。
それを見てエイジは慌ててしまい、思わず口にしてはならないことを口走った。
『あ、あの! 俺、もう一つお願いがあるんですけど!』
その光は淡くそして強く、美しいグラデーションを見せながら輝いている。
(これは……)
エイジは思わず言葉を失った。
ミイムが、エイジの肩で嬉しそうにその光に向かって話しかける。
『お母様! ミイム、エイジと友達になったです!』
白い光と一緒にこちらに向かってくるリイムが、エイジの肩にとまる。
『ミイム、はしゃぐのやめなさいって言ったでしょ?』
ミイムは、リイムにそう咎められてまたしょんぼりする。
『そういうなって、リイム。ミイムが楽しそうで、エリスたちも喜んでるんだしさ』
エイジの言葉にミイムは、ぱぁっと明るい顔になって。
『ミイムと友達になれて嬉しいですか?』
『ああ、ミイム』
すっかり機嫌が直って、エイジの肩に座って鼻歌を歌うミイム。
精霊だけに実際に年齢は分からないが、しっかり者のリイムは小学生ぐらい、ミイムは幼稚園児といった雰囲気である。
白い光はゆっくりとこちらに歩み寄りながら、ミイムに言った。
『リイム、ミイム、いらっしゃい』
『はい!』
『はいです、お母様!』
白い光を放つ精霊の言葉に、リイムとミイムはエイジの肩から飛び立つと、今度はその精霊の美しく長い腕にとまった。
「綺麗……」
「本当ね……」
エリスとリアナは白い光を放つ精霊を見つめて嘆息していた。
エイジも思わず見惚れてしまう。
北欧の神話の女神のような容貌の女性が、白い光を帯びて歩いてくる。
もし目の前の存在が『私は女神です』といったら多分信じるだろう。
加護を貰っておいて失礼な話だとは思うが、少なくてもメルティに言われた時よりは信じられる自信がある、とエイジは思った。
(メルティとは、出会いが最悪だったからな)
思い出すと溜め息しか出ない出会いである。
光の精霊は、エイジたちの前に立つとリイムとミイムの頭を優しく撫でた。
しっかり者のリイムも、無邪気な顔をして気持ちよさそうにしている。
ミイムにいたっては、すっかり甘えている様子だ。
その後、暫く何を言わずにエイジを眺めるとようやく口を開いた。
『私はファルティーシア。この境界を守る者です』
『あの、俺、エイジって言います」
エイジは慌てて挨拶を返した。
間近で見ると、人の形はしているが全く別の生命体であることがハッキリと分かる。
輪郭が揺れ、そしてまた形を成す。
ライアンがシェリルに話しかけた。
「凄え、この人も精霊なんだろ? こっち見てるぜ、へへ、綺麗だなぁ」
「ライアンじゃなくて、エイジを見てるにゃ。恥ずかしい顔するのやめるにゃ」
エリクが唇に指を当てて、静かにするように窘めた。
「しっ! 相手は高位精霊と呼ばれる特別な存在です。精霊使いの中には、彼らを神と崇める者もいるぐらいですから」
「か、神?」
その言葉に背筋をしゃんとするライアン。
エリクはエイジにも忠告する。
「エイジ、貴方も失礼がないように。願いは一つにして下さい、彼女は欲が深い人間を嫌いますからね」
エイジはエリクさんに頷くと、ファルティーシアと名乗る精霊に挨拶をした。
『あの、中に入れて頂いてありがとうございます。俺たちこの先に行きたいんです、それで貴方たち精霊の許可を頂きたいと思って』
白い光を放つ精霊は、静かにエイジを見つめると口を開いた。
『精霊の言葉を話す人間は珍しい。リイムやミイムが懐くのも。いいでしょう、ここを通ることを許しましょう。リイム、ミイム、出口まで案内をしてあげなさい』
二人はファルティーシアの白い腕から飛び立つと、エイジの周りを飛び回る。
『分かりました、お母様! エイジ、行くわよ。案内してあげる』
『ミイムも案内するです!』
『ありがとな、二人とも』
その旨エイジは一向に伝えると、リイムとミイムに案内されながら足を踏み出した。
だが……。
(高位精霊か、もしかしたら)
エイジはファルティーシアを振り返る。
白王の薔薇のことを何か知っているかもしれない。
彼女がもう踵を返して、クリスタルの方に帰っていくのが見えた。
それを見てエイジは慌ててしまい、思わず口にしてはならないことを口走った。
『あ、あの! 俺、もう一つお願いがあるんですけど!』
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