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368、精霊王の光
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「父は兄にくだらない野望を捨てさせるために、あえて私に王位を譲った。王になる道がついえれば、兄や周りの人間達も諦めると思ったのね。でも私たちはまだ知らなかったわ、この時にはもう悲劇が始まりかけていたってことに」
「ララリシア……悲劇って一体?」
エリスはララリシアに思わず尋ねた。
ララリシアはその問いには答えずに、いにしえに行われた彼女自身の戴冠式を見つめている。
荘厳な神殿、その天井が大きく開いてく。
「綺麗……」
エリスは見た。
天が輝くのを。
その輝きを生み出しているのは、美しい光を放つ生き物だ。
白い光の竜。
まるで地上に生まれた新しい女王を祝福するかのように、それは神殿に舞い降りてくる。
神を崇めるかのごとくひれ伏す人々の姿。
エリスの隣に佇むララリシアは呟いた。
「そう、あれが精霊王レークスフェルト。精霊の王にして私たちを愛し祝福をあたえる存在。私や父、そしてローゼディアの多くの民にとっては天空に住まう神そのものだったわ」
「あれが精霊王……」
(何て美しいの、生命の力に満ち溢れているわ)
思わず空にくぎ付けになるエリス。
美しい白い光が徐々に神殿に近づいてくる。
そしてララリシアを祝福するがごとくその輝きを増したその時──
白い光の竜の周囲を、無数の魔法陣が包み込んだ。
動揺する国民の声が辺りに響く。
エリスは、それが単なるいにしえの出来事にすぎないと頭では分かってはいたが思わず叫んだ。
「ララリシア!!」
エリスはララリシアと共に天空に上っていく。
そして、巨大な地上の都市の上に浮かび上がったものを見た。
エリスは呟く。
「こ、これは一体何なの……」
そこには巨大な魔方陣が描かれている。
一体どれほどの大きさがあるのだろう。
地上に広がる魔法科学の粋を集めた都市。
その大きさを考えれば、それは数十キロにはわたるサイズの魔法陣だ。
(信じられない、これが一つの魔法陣だって言うの?)
これほどのものを描き出し、そこに記された術式を連動させることの難しさ。
エリス自身も魔道士だからこそ、それが良く分かる。
そして、それを維持するための力。
「何て大きさの魔法陣、一体どれほどの魔力が……」
エリスはそう呟きながら地上を眺めていた。
想像もできないような規模の魔法陣だ。
通常の魔力が作り出せるものでは無い。
ララリシアは静かにその魔法陣を見おろしている。
「あれは精霊呪縛術式、いずれそう呼ばれる術式の原型となったモノ。そして、それを発動させるための魔導兵器」
「精霊呪縛術式……魔導兵器……」
よく見ると神殿の近くの地下から鋭くとがった水晶のような物が、いくつも顔を出している。
それは魔法陣からエネルギーを供給させるが如く、黒い光を帯びていく。
そしてその闇は精霊王を包んでいった。
エリスは叫んだ。
「消えていく、精霊王の放つ光が!」
「ええ……」
ララリシアは、そう言うと拳を握りしめた。
白と黒の光が消えた後、そこには今まで通りの地上の光景が残されていた。
だが、エリスはそこに何か寒々しいものを感じた。
何も変わっていない風景、だがどこかが先程とは違うように感じられる。
「私が女王になったその日、天空の神は消えたわ。その輝きと共に」
「ララリシア……悲劇って一体?」
エリスはララリシアに思わず尋ねた。
ララリシアはその問いには答えずに、いにしえに行われた彼女自身の戴冠式を見つめている。
荘厳な神殿、その天井が大きく開いてく。
「綺麗……」
エリスは見た。
天が輝くのを。
その輝きを生み出しているのは、美しい光を放つ生き物だ。
白い光の竜。
まるで地上に生まれた新しい女王を祝福するかのように、それは神殿に舞い降りてくる。
神を崇めるかのごとくひれ伏す人々の姿。
エリスの隣に佇むララリシアは呟いた。
「そう、あれが精霊王レークスフェルト。精霊の王にして私たちを愛し祝福をあたえる存在。私や父、そしてローゼディアの多くの民にとっては天空に住まう神そのものだったわ」
「あれが精霊王……」
(何て美しいの、生命の力に満ち溢れているわ)
思わず空にくぎ付けになるエリス。
美しい白い光が徐々に神殿に近づいてくる。
そしてララリシアを祝福するがごとくその輝きを増したその時──
白い光の竜の周囲を、無数の魔法陣が包み込んだ。
動揺する国民の声が辺りに響く。
エリスは、それが単なるいにしえの出来事にすぎないと頭では分かってはいたが思わず叫んだ。
「ララリシア!!」
エリスはララリシアと共に天空に上っていく。
そして、巨大な地上の都市の上に浮かび上がったものを見た。
エリスは呟く。
「こ、これは一体何なの……」
そこには巨大な魔方陣が描かれている。
一体どれほどの大きさがあるのだろう。
地上に広がる魔法科学の粋を集めた都市。
その大きさを考えれば、それは数十キロにはわたるサイズの魔法陣だ。
(信じられない、これが一つの魔法陣だって言うの?)
これほどのものを描き出し、そこに記された術式を連動させることの難しさ。
エリス自身も魔道士だからこそ、それが良く分かる。
そして、それを維持するための力。
「何て大きさの魔法陣、一体どれほどの魔力が……」
エリスはそう呟きながら地上を眺めていた。
想像もできないような規模の魔法陣だ。
通常の魔力が作り出せるものでは無い。
ララリシアは静かにその魔法陣を見おろしている。
「あれは精霊呪縛術式、いずれそう呼ばれる術式の原型となったモノ。そして、それを発動させるための魔導兵器」
「精霊呪縛術式……魔導兵器……」
よく見ると神殿の近くの地下から鋭くとがった水晶のような物が、いくつも顔を出している。
それは魔法陣からエネルギーを供給させるが如く、黒い光を帯びていく。
そしてその闇は精霊王を包んでいった。
エリスは叫んだ。
「消えていく、精霊王の放つ光が!」
「ええ……」
ララリシアは、そう言うと拳を握りしめた。
白と黒の光が消えた後、そこには今まで通りの地上の光景が残されていた。
だが、エリスはそこに何か寒々しいものを感じた。
何も変わっていない風景、だがどこかが先程とは違うように感じられる。
「私が女王になったその日、天空の神は消えたわ。その輝きと共に」
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