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60.最高っす!
しおりを挟む「あむあむあむ!」
鬱気分から気分最高潮ともなれば、なくなっていた食欲も当然回復し、さっき手が進まなかったのはなにごと? の如くパクパクとご飯を食べる手が止まらない。
「ん~♪ 美味しいっすね~」
ずっと不安だったことからの解放はすごく清々しい。気分的にも体的にもだ。今ならなんでもできそうな気がする。いや、できるのだ!
もう俺には怖いものなんてないんっす。不幸を起こす体質さえなければ俺はめちゃくちゃ(?)優秀なんっすから!
ボスやレト兄、モージーズー達みんなから「凄い」「流石だ」と褒められ頼りにされている光景が容易に目に浮かぶ。
「くふふふふふ♪」
そんな想像を膨らませ無敵モードに突入しつつ、川魚を食べながらフレイ君に聞いてみた。
「フレイ君、俺の体質を封印したって言ってたっすけどそれって晴天族のどんな力なんっすか? フレイ君、俺の体質のことについて何か知ってるんっすか?」
「それは……秘密です」
「そっすか! わかったっす!」
ニパッと笑って今度は野菜の具沢山スープを飲んで体を温める。
はふ~美味しいっす~。この熱いスープが喉を通って落ちていく感覚って面白いっすし気持ちいいっすよね~。
泣いた後にこの温かさは身に染みる。
「…………あの、ツキさん。秘密って返した僕が言うのもあれなんですが……聞かないんですか? 詳しく」
「え? だって秘密なんっすよね? じゃあいいっすよ!」
パッと笑って答えた。フレイ君がどういう力をもって俺の体質? 力? を封じ込めたのか、どうしてそんなことができるのか、また俺の体質について何か知っていることはあるのか、聞きたいことは山ほどあれど秘密なら仕方がない。フレイ君が何をしただとか何者だとか今の俺にとってはどうでもいいことなのだ。
体質がなくなったんなら俺にとってはそれが全てっす! フレイ君は俺の恩人で凄い人で、ボスを救ってくれた人っす! この感謝の気持ちはどれほどの言葉を費やしても潰えない気持ちっすからね!
「だからフレイ君のタイミングでいいっすよ? もし教えられる時が来た時にでも教えて下さいっす! あ~ん! んんーん♪ このジャガチー美味しいっす!」
頬っぺたに手を当て美味しさに目を細めながら蒸したジャジャガイモと、とろけるチーズのコラボを味わう。
「あ~ん! んん♪」
「…………」
もう最高っす!!
――……と、ツキが美味しさと喜びに浸り、フレイが痛む胸を抑えていた時、ツキの周囲にいる人間全員、心を一つにしていた。
(((((……いや、んな簡単に納得すんなよ。もっと追求しろや!!)))))
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