劣等生少女と優等生少女

彩魅

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出会い迄の何か

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あれは
夏の日差しにダウンしていた
夏休みのこと

じりじり照りつける太陽さん
私は涼しいところを求め歩いていた。
制服で。

私の学校は制服でしか基本、出歩けない。
なんとも、ムカつく高校だ。

女子高生なら
オシャレしてー、化粧してー、可愛くしてー
出かけたいよね。
私もそうだ!!

ま、規則を破るとめんどう“らしい”ので
破りませんけど~。
らしいというのは、先輩から聞いたから。



羽伽名「にしても暑い!!なんだって、こんなあついんだーー」



「夏だからね」


羽伽名「いや、それはそうだけど…」


声のするほうをみると
見たことない女の子が居た。


羽伽名「ってか、どちら様?」


「…貴方こそ誰。律儀に制服着てるなんて…よほどの優等生みたいね」

羽伽名「いや、私だって好きで制服着てないし」


「ふ~ん」


羽伽名「ふ~んって……はぁ…」


私は近づくと
名乗った。

羽伽名「私、栗原羽伽名くりはらわかな。羽伽名でいいよ」



「…僕は紫堂希乃しどうきの。好きに呼んで」


羽伽名「あ、うん………高校生?」


希乃「そうだよ。羽伽名も?」


羽伽名「うん。高2」


希乃「……お姉さんか」


羽伽名「え」

希乃「僕は1年だよ。サボり魔だけど」


羽伽名「そう……」


希乃「羽伽名はちゃんと行ってる?」

羽伽名「いや、先輩いらない………行ってるよ。風紀委員だし」


希乃「偉いね……ねぇ、涼しいところ教えてあげるから着いてきて」


羽伽名「え?うん…」



歩く
ひたすら歩く


希乃「上着脱いだら?」


羽伽名「なぜ」


希乃「暑そうだから……ってか、制服義務の高校なんてあるんだね」


羽伽名「……あるよ。公立だし」

希乃「あー公立かぁ。幼馴染みも公立行ったなー……あ、僕は私立だよ。かなり底辺の。名前さえ書けば入れるような」


羽伽名「そうなんだ」


無言が続くこと10分。

希乃「とうちゃーく」

羽伽名「?」


希乃「僕の家」


羽伽名「い、家!?」


希乃「何をそんなびっくりしてる訳?」

羽伽名「いや…だって…」


着いた場所は
自宅と言うには
大きすぎるというか…
The金持ちって感じの家…


希乃「?」

羽伽名「希乃って金持ち?」

希乃「…どうだろう。両親はたまにしか帰って来ないけど。メイドさん執事さんいっぱいいるけど」


羽伽名【いや、それ金持ちぃぃぃいいいい】


希乃「まあ、なんだっていいじゃん。入ろ?」

‪羽伽名「あ、うん。おじゃましまーす」


家の中に入る。
静かだ…


希乃「長期の休み期間は使用人さん達居ないんだ」


羽伽名「そうなんだ…」


希乃「ねえ」

羽伽名「ん?なに?」


希乃「僕と友達になってくれる?」


羽伽名「え…」


希乃「あ、いや……忘れて」


一瞬だったけど、希乃
すごく、寂しそうな顔してた…

希乃「どうぞー」


羽伽名「失礼しまーす……おぉ、広いね~」

希乃「そう?」

羽伽名「私の部屋より広いよ~…あー」


希乃「なに‪w」


小走りで
掛けてある服に近づく…


羽伽名「私これの色違い持ってる」


希乃「そうなんだ。それ、可愛いよね」

羽伽名「うん!!」


話しているうちにどんどん打ち解けていって……
『友達』になった。
これが、私と希乃の出会い。
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