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第4章
4-02出会い
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ルイーナに促されるまま、湧は瞳を閉じる。
途端に睡魔に襲われ、闇に引きずり込まれるような脱力感に見舞われた。
一瞬、“軽率だったか?”と後悔しかけたが、いずみを救う手段が全く思いつかない以上、ルイーナに賭けるしかないと考え直した。
そんな湧の思いもあっという間に沈み込んでしまったが…、
かなりの時間、全く意識がなかった。
やがて暗闇の中に淡い光が感じた。
その光は徐々に大きくなり、その中に一人の少女が見えてきた。
その少女は明るかった。
とにかく明るく元気な娘だった。
生きる希望を失う辛い出来事を経験した湧でさえ、目をそらすことができなかった。
それほどまでに、その少女の笑顔は光輝いていた。
少女の名は水無月いずみという。
湧に再び活きる喜びを思い出させてくれた。
ー ・ ー ・ ー
「おかあさん…どうして…?…」
湧が5歳の頃、母親が失踪した。
一週間ほどで戻ってきたものの、湧はその間、水以外何も口にすることができなかった。
空腹で立つこともできないくらい衰弱したある日、戻ってきた母親に首を絞められた。
優しかった母親の顔には何の表情もなく、目には光がなかった。
「おかあさん…どうして…?…」
再び問いかけるが、反応はない。
それどころか湧の首を絞める手に、さらなる力が込められた。
訳が解らないけれど、抵抗する体力も残っていない。
湧は死を覚悟した。
悔しさより悲しさがこみ上げてくる。
でも大好きな母親に殺されるなら…そう思い込んだ。
きっと自分は生まれてきてはいけなかったんだ。
…そう思って諦めた。
息が苦しくて、視界が狭くなる。
その時が来たのだと感じた。
意識が深い闇に落ちていった。
…
…?
何かおかしい。幼いながらにも湧は違和感に気づき、目をそっと開けた。
『!』
目に飛び込んできたのは、母親の胸に深く突き刺さった自分の右手。
しかも自分の身体に、二重写しのように女の子が同じポーズを取っていた。
『あ! 君は…』
湧が問いかけると、消えてしまった。
なぜ女の子と解ったのか? それすら分からないうちに、湧の母親は湧の手を優しく握った。
ふと見上げると、母親の顔は優しい光を瞳に抱えていた。
「おかあさん! 何で?」
湧は咄嗟に、深く突き刺さった手を引き抜いた。
血は全く出ていない。
代わりに白い粉が吹き出した。
それが塩の結晶だということは、口に飛び込んできた粉からすぐに判った。
母親の胸からは大量の塩が溢れ出していた。
「お、おかあさん?…」
湧の母親は微笑みながらそっと頷き、そのまま崩れた。
湧は大量の塩の粉の中に半分埋もれてしまった。
それからしばらくの期間の記憶を、湧は持っていない。
ーーーー そういうことになっている ーーーー
いろいろな大人が、湧に何かを聞いてきたが、湧は応えることができなかった。
2年ほど管理施設で過ごした。
湧は硬く心を閉ざし、誰とも話をしない。
母方の叔父が身元引き受け人となって、ともに暮らし始めるが、母親に殺されかけてからは、大人が怖くなった。
それは、湧が幼い頃から優しくしてくれた叔父に対しても同じだった。
だから湧はいつも一人遊びに没頭していたのだ。
現実の世界は“ウソ”ばかり。
どんなにきれいなものも、見かけだけだと思っていた。
それだけに作られた世界、しかもストーリー以外は存在しない“アニメ”にはまった。
アニメは放映された部分だけが世界の全てだ。
湧はストーリーそのものより、“世界観”そのものが好きだった。
最初に観たアニメが巨大ロボット物で、必殺技がキリッとした立ちポーズで弓を射るものだった。
その頃のロボットアニメは、武器が刀や銃ばかりで殺伐としていたからだろう。
湧の目には、とっても新鮮に映った。
暇さえあれば、レコーダーに録り溜めたアニメを見続けた。
叔父はそんな湧に心を痛めていたが、湧が弓に興味があることを知って、弓道教室を薦めた。
はじめは乗り気ではなかったが、相手が人ではないのが救いだった。
ただし、作法や手順にうるさいのが面倒ではあった。
そこで、また自分自身の世界に浸り、心の中であのアニメの決め台詞を呟きながら射ってみた。
結果は上々、湧は弓道に興味が出てきた。
そんなある日、道場主に“大きな声で口に出して射ってごらん”と言われた。
湧はみんなの見守る中、射場に上がり、声を張って弓を引いた。
果たして矢は的心に命中。道場主は笑顔で湧をたたえた。
「楽しいです! 弓道って楽しいです!」
湧は久しぶりに屈託のない笑顔で応えた。
“そうか! 俺はこの時…、また他人との関わりを…”
そうだった。
やはり、人との関わりは大切なのだと、気付かされた。
転校したばかりの学校は、湧を優しく招き入れてくれたのだ。
それは、いずみの存在がとても大きかったと、改めて感謝した。
ー ・ ー ・ ー
目が開いている感覚はあるが、部屋が暗いためか何も見えない。
「あ、YOU、目覚めましたか?」
誰かが湧に声をかけてきた。
「え? え~と… 誰?」
湧はまだ夢を見ていると思った。
すると“クスクス”と笑う気配がする。
「今はまだ貧血の影響が大きいので、脳に充分な血流がないのでしょう。もうしばらくそのまま横になっていてください」
「脳? 貧血? 血流がないって…?」
湧には意味が理解できない。
「話は後でいいので、しばらくおとなしくしててください」
そう言われても、何かが…重大な何かを見落としているようで落ち着かない。
しかし、湧の焦りとは裏腹に再び睡魔に囚われた。
ー ・ ー ・ ー
「如月君って、戦隊モノ好き?」
湧が弓道教室に通い始めてから、3ヶ月ほど経った頃、いずみが湧に話しかけてきた。
それまでにも何度か話はしたことがあったが、1対1では多分初めてだったろう。
「戦隊モノって、特撮のヒーローの番組?」
「そうそう! それっ!」
湧はさほど興味がなかったが、つい先日に叔父が特撮ヒーロー番組のスタントマンの仕事をしていることを知ったばかりだった。
年明け早々から新番組が始まるので、年末のこの時期は特に忙しいと言っていた。
「ま、まあ少しは…」
湧は曖昧な返事で応える。
「あ~よかったぁ、実はね、年末に遊園地でヒーローショーがあるんだけど、その時怪人に捕まる役の子を探してたの」
いずみの言ってる意味が全く分からない…。
「は?」
「いずみっ! 如月君が困ってるでしょ! ちゃんと話しなさい!」
その時、弓道教室の一人娘、柳瀬川さくらが割り込んできた。
「ごめんね、如月君。実はこの娘の知り合いが映画制作会社に勤めてて、遊園地でやってるヒーローショーの手配も請け負ってるの。それで、戦闘員に捕まる役は当日会場でお願いするんだけど、怪人に捕まってヒーローを呼ぶ役の子を探していたの」
「それを俺に?」
「うん。お父…道場主に相談されて、如月君の声なら会場でも通るだろうって…」
「それを俺が?」
「如月君ならピッタリだよぉ! ぜひお願い!」
「お願いできないかな?」
二人の美少女に包囲されたら、否やは唱えられない。
「わ、わかったよ。やってみる」
「よかったぁ! じゃあ詳しいことは後で伝えるね!」
そう言って、二人が離れた後のクラスメートの視線が怖かった。
が、
「如月! 頑張れよ!」
「如月君、落ち着いてね!」
と、皆励ましてくれた。
前の学校ではありえないことだ。湧は狐につままれたような顔で教室内を見回した。
「う、うん。頑張ってみる」
なぜこのクラスのみんなはこんなにも優しいのだろう?
湧には不思議でならなかった。
いずみとさくらの二人が、表裏のないクラスになるように努力していたのだと、後で知った。
ー ・ ー ・ ー
『!』
そうだ!
「いずみっ! <キイイイイイイイイーーーーーーン> ぐあああっ!」
急に起き上がった湧の頭の中に、悲鳴に似た騒音が響き渡った。
「YOU! 急に起きてはいけませーん」
「ぐあああああっ!」
湧は頭を抱えて再びうずくまった。
「あなたの体内の血液は、まだ通常の半分くらいです。起き上がったら頭まで血が回りませんよぉ!」
ルイーナは呆れたような声で告げた。
「半…ぶん? って、普通なら失血死してるぞ!」
「そうですよ。YOUでなければこんなことはできません」
「なんでそんな…」
と、言いかけて思い当たった。
「そうだ! いずみはっ? いずみは助かったのか?」
「もちろんです。そのために私がいるんですから…」
「? え?」
ルイーナの言ってる意味が…やっぱりわからない…。
そもそも思考回路が停止しているらしく、いずみのことしか考えられなくなっていた。
「あ、そうだ。いずみはどこに?」
すると、ルイーナはそっと湧の横を指差した。
湧からはルイーナの反対側、もう一つベッドがあった場所を示している。
恐る恐る振り向くと…そこには見慣れないものが置かれていた。
「? え~と。横になってると見えないんだけど、その丸い何かの向こうにいずみがいるのかな?」
「その丸いものがいずみです」
ルイーナは静かに告げる。
それがそれ以上の質問を拒絶する意志に思えた。
湧は以前、自分が包まれていた“サナギ”そのものを見てはいない。
それだけにいずみがその中にいるとは、にわかには信じることができなかった。
横長のその丸いものは、転がらないように下半分が木製の器に入れられていた。
「これが…いずみ?」
湧は現実離れした光景に言葉をなくした。
<続く>
途端に睡魔に襲われ、闇に引きずり込まれるような脱力感に見舞われた。
一瞬、“軽率だったか?”と後悔しかけたが、いずみを救う手段が全く思いつかない以上、ルイーナに賭けるしかないと考え直した。
そんな湧の思いもあっという間に沈み込んでしまったが…、
かなりの時間、全く意識がなかった。
やがて暗闇の中に淡い光が感じた。
その光は徐々に大きくなり、その中に一人の少女が見えてきた。
その少女は明るかった。
とにかく明るく元気な娘だった。
生きる希望を失う辛い出来事を経験した湧でさえ、目をそらすことができなかった。
それほどまでに、その少女の笑顔は光輝いていた。
少女の名は水無月いずみという。
湧に再び活きる喜びを思い出させてくれた。
ー ・ ー ・ ー
「おかあさん…どうして…?…」
湧が5歳の頃、母親が失踪した。
一週間ほどで戻ってきたものの、湧はその間、水以外何も口にすることができなかった。
空腹で立つこともできないくらい衰弱したある日、戻ってきた母親に首を絞められた。
優しかった母親の顔には何の表情もなく、目には光がなかった。
「おかあさん…どうして…?…」
再び問いかけるが、反応はない。
それどころか湧の首を絞める手に、さらなる力が込められた。
訳が解らないけれど、抵抗する体力も残っていない。
湧は死を覚悟した。
悔しさより悲しさがこみ上げてくる。
でも大好きな母親に殺されるなら…そう思い込んだ。
きっと自分は生まれてきてはいけなかったんだ。
…そう思って諦めた。
息が苦しくて、視界が狭くなる。
その時が来たのだと感じた。
意識が深い闇に落ちていった。
…
…?
何かおかしい。幼いながらにも湧は違和感に気づき、目をそっと開けた。
『!』
目に飛び込んできたのは、母親の胸に深く突き刺さった自分の右手。
しかも自分の身体に、二重写しのように女の子が同じポーズを取っていた。
『あ! 君は…』
湧が問いかけると、消えてしまった。
なぜ女の子と解ったのか? それすら分からないうちに、湧の母親は湧の手を優しく握った。
ふと見上げると、母親の顔は優しい光を瞳に抱えていた。
「おかあさん! 何で?」
湧は咄嗟に、深く突き刺さった手を引き抜いた。
血は全く出ていない。
代わりに白い粉が吹き出した。
それが塩の結晶だということは、口に飛び込んできた粉からすぐに判った。
母親の胸からは大量の塩が溢れ出していた。
「お、おかあさん?…」
湧の母親は微笑みながらそっと頷き、そのまま崩れた。
湧は大量の塩の粉の中に半分埋もれてしまった。
それからしばらくの期間の記憶を、湧は持っていない。
ーーーー そういうことになっている ーーーー
いろいろな大人が、湧に何かを聞いてきたが、湧は応えることができなかった。
2年ほど管理施設で過ごした。
湧は硬く心を閉ざし、誰とも話をしない。
母方の叔父が身元引き受け人となって、ともに暮らし始めるが、母親に殺されかけてからは、大人が怖くなった。
それは、湧が幼い頃から優しくしてくれた叔父に対しても同じだった。
だから湧はいつも一人遊びに没頭していたのだ。
現実の世界は“ウソ”ばかり。
どんなにきれいなものも、見かけだけだと思っていた。
それだけに作られた世界、しかもストーリー以外は存在しない“アニメ”にはまった。
アニメは放映された部分だけが世界の全てだ。
湧はストーリーそのものより、“世界観”そのものが好きだった。
最初に観たアニメが巨大ロボット物で、必殺技がキリッとした立ちポーズで弓を射るものだった。
その頃のロボットアニメは、武器が刀や銃ばかりで殺伐としていたからだろう。
湧の目には、とっても新鮮に映った。
暇さえあれば、レコーダーに録り溜めたアニメを見続けた。
叔父はそんな湧に心を痛めていたが、湧が弓に興味があることを知って、弓道教室を薦めた。
はじめは乗り気ではなかったが、相手が人ではないのが救いだった。
ただし、作法や手順にうるさいのが面倒ではあった。
そこで、また自分自身の世界に浸り、心の中であのアニメの決め台詞を呟きながら射ってみた。
結果は上々、湧は弓道に興味が出てきた。
そんなある日、道場主に“大きな声で口に出して射ってごらん”と言われた。
湧はみんなの見守る中、射場に上がり、声を張って弓を引いた。
果たして矢は的心に命中。道場主は笑顔で湧をたたえた。
「楽しいです! 弓道って楽しいです!」
湧は久しぶりに屈託のない笑顔で応えた。
“そうか! 俺はこの時…、また他人との関わりを…”
そうだった。
やはり、人との関わりは大切なのだと、気付かされた。
転校したばかりの学校は、湧を優しく招き入れてくれたのだ。
それは、いずみの存在がとても大きかったと、改めて感謝した。
ー ・ ー ・ ー
目が開いている感覚はあるが、部屋が暗いためか何も見えない。
「あ、YOU、目覚めましたか?」
誰かが湧に声をかけてきた。
「え? え~と… 誰?」
湧はまだ夢を見ていると思った。
すると“クスクス”と笑う気配がする。
「今はまだ貧血の影響が大きいので、脳に充分な血流がないのでしょう。もうしばらくそのまま横になっていてください」
「脳? 貧血? 血流がないって…?」
湧には意味が理解できない。
「話は後でいいので、しばらくおとなしくしててください」
そう言われても、何かが…重大な何かを見落としているようで落ち着かない。
しかし、湧の焦りとは裏腹に再び睡魔に囚われた。
ー ・ ー ・ ー
「如月君って、戦隊モノ好き?」
湧が弓道教室に通い始めてから、3ヶ月ほど経った頃、いずみが湧に話しかけてきた。
それまでにも何度か話はしたことがあったが、1対1では多分初めてだったろう。
「戦隊モノって、特撮のヒーローの番組?」
「そうそう! それっ!」
湧はさほど興味がなかったが、つい先日に叔父が特撮ヒーロー番組のスタントマンの仕事をしていることを知ったばかりだった。
年明け早々から新番組が始まるので、年末のこの時期は特に忙しいと言っていた。
「ま、まあ少しは…」
湧は曖昧な返事で応える。
「あ~よかったぁ、実はね、年末に遊園地でヒーローショーがあるんだけど、その時怪人に捕まる役の子を探してたの」
いずみの言ってる意味が全く分からない…。
「は?」
「いずみっ! 如月君が困ってるでしょ! ちゃんと話しなさい!」
その時、弓道教室の一人娘、柳瀬川さくらが割り込んできた。
「ごめんね、如月君。実はこの娘の知り合いが映画制作会社に勤めてて、遊園地でやってるヒーローショーの手配も請け負ってるの。それで、戦闘員に捕まる役は当日会場でお願いするんだけど、怪人に捕まってヒーローを呼ぶ役の子を探していたの」
「それを俺に?」
「うん。お父…道場主に相談されて、如月君の声なら会場でも通るだろうって…」
「それを俺が?」
「如月君ならピッタリだよぉ! ぜひお願い!」
「お願いできないかな?」
二人の美少女に包囲されたら、否やは唱えられない。
「わ、わかったよ。やってみる」
「よかったぁ! じゃあ詳しいことは後で伝えるね!」
そう言って、二人が離れた後のクラスメートの視線が怖かった。
が、
「如月! 頑張れよ!」
「如月君、落ち着いてね!」
と、皆励ましてくれた。
前の学校ではありえないことだ。湧は狐につままれたような顔で教室内を見回した。
「う、うん。頑張ってみる」
なぜこのクラスのみんなはこんなにも優しいのだろう?
湧には不思議でならなかった。
いずみとさくらの二人が、表裏のないクラスになるように努力していたのだと、後で知った。
ー ・ ー ・ ー
『!』
そうだ!
「いずみっ! <キイイイイイイイイーーーーーーン> ぐあああっ!」
急に起き上がった湧の頭の中に、悲鳴に似た騒音が響き渡った。
「YOU! 急に起きてはいけませーん」
「ぐあああああっ!」
湧は頭を抱えて再びうずくまった。
「あなたの体内の血液は、まだ通常の半分くらいです。起き上がったら頭まで血が回りませんよぉ!」
ルイーナは呆れたような声で告げた。
「半…ぶん? って、普通なら失血死してるぞ!」
「そうですよ。YOUでなければこんなことはできません」
「なんでそんな…」
と、言いかけて思い当たった。
「そうだ! いずみはっ? いずみは助かったのか?」
「もちろんです。そのために私がいるんですから…」
「? え?」
ルイーナの言ってる意味が…やっぱりわからない…。
そもそも思考回路が停止しているらしく、いずみのことしか考えられなくなっていた。
「あ、そうだ。いずみはどこに?」
すると、ルイーナはそっと湧の横を指差した。
湧からはルイーナの反対側、もう一つベッドがあった場所を示している。
恐る恐る振り向くと…そこには見慣れないものが置かれていた。
「? え~と。横になってると見えないんだけど、その丸い何かの向こうにいずみがいるのかな?」
「その丸いものがいずみです」
ルイーナは静かに告げる。
それがそれ以上の質問を拒絶する意志に思えた。
湧は以前、自分が包まれていた“サナギ”そのものを見てはいない。
それだけにいずみがその中にいるとは、にわかには信じることができなかった。
横長のその丸いものは、転がらないように下半分が木製の器に入れられていた。
「これが…いずみ?」
湧は現実離れした光景に言葉をなくした。
<続く>
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